優れた小説は冒頭の文章が小説全体を支配する。究極的には最初の10行で読むのをやめてもかまわない。夏休みの宿題で読書感想文を書くならなおさらだ。始めに書いておこう。『レモン/グラス』の冒頭で僕と姉は毎朝京野菜を食べていると描写されている。まずはこれを憶え ...
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タグ:王木亡一朗
この王木亡一朗を読め2♪ 『あのころ』~だれにもいいねされない私達の退屈、そして無意味さ~
社会が意味の無いことを許さないのはこの記事の存在自体が示している。この映画は、この本はどういう意味なんですかという問いはよくあるし、それは何の意味もないなら何の価値もないということを暗に示している時もある。価値がないなら存在してはいけないということだ。 ...
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この王木亡一朗を読め1♪ 『当てつけ』~前山田君が令和のジョーカーになれるわけねえよ、夏~
現代社会は多様性の時代だと言われているが、そんなことは嘘っぱちでせいぜい数バリエーションの人しか受け入れ先はない。腕が6本あったり、目からビームが出たり、指の間からアダマンチウムの爪が出たり、体が岩でできている人間を想定されてはいない。社会の要請する人間 ...
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『妄想の戦争の話をしよう』を書こう ver2
ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』という小説がある。映画にもなっている。オン・ザ・ロード(字幕版) [Prime Video]『オン・ザ・ロード』の結末は、メキシコで分かれたディーンの噂を聞きつけたサルがニューヨークの路地を探し回り、ボロボロになったディーンを ...
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2017年に読んだkindle本
このKindle本を読め!王木亡一朗強化週間『ライフゲージ』心身共にうんたらという言葉がある。困憊でもいいし、爽快でもいい。 そこに至るまでに心と身体が一緒に困憊したり、爽快になることは少ないように思われる。国道の端から端まで走れば、まず体が困憊して、それに ...
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2016年に読んだkindle本
悪人の系譜/月狂四郎赤ちゃんは言葉を喋ることができない。「あの、おっぱい吸わせてもらえませんか?」「お尻拭いてもらえませんかね?」「そろそろ眠りたいからそっと抱きしめててほしいな」 などと言葉を出したら非常にびっくりするだろう。 ある本によれば人間が最初 ...
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三十路越えした1985年生まれの作家(敬称だったり、なかったり)
昨日Eテレで中上健次の特集をしていた。彼が『岬』を書いたのは30の頃だと知って、非常に驚いた。『枯木灘』は31だ。私も今31になっているんだけど、31であれ書けるなんてアンタおかしいよって言いたくなる。なんていうか昔の人って若い頃から、凄い大人っぽい。い ...
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『伊勢海老の恩返し 〜lost my anything〜/S.T.コールフィールド』
『伊勢海老の恩返し〜lost my anything〜/S.T.コールフィールド』 ある日突然親戚の叔父さんが押しかけてきて、発泡スチロール箱を押しつけてきた。中身は何かと訊くと「イセエビ」とだけ叔父は言い残して去った。他にも行く場所があるんだとか。イセエビってあの伊勢海老 ...
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『初瀬明生が死んだ夜/初瀬明生』レビュー
どうした! これは事件じゃないか! ショーンが初瀬明生の新作をネタにしていたので(初瀬明生が捕まった夜)、これは読まねばならぬと思っていた。 この本は作家の初瀬明生が殺された事件から始まる。そこから彼のPCに残っていた3つのファイルを読んでいく体で進んで ...
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両親のギター inspired by『レモン/グラス』王木亡一朗
毎年夏が終わる頃、両親から土のついた野菜やお米と一緒にギターが送られてくる。 某一朗 ( ぼういちろう ) の実家はギター農家で、収穫時期が過ぎると規格外の出荷できないギターがダンボール箱一杯に送られてくるのだ。 むこうは生活の足しにと思っているのだろう ...
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日記No.9『<進捗状況>一人で歌うには大きすぎて』『小説と作家の人間性は切り離せない?』
○進捗状況一人で歌うには大きすぎて(仮題) 4500字くらい 7/7に出る予定の『もの書く人々』で王木さんとリレー小説をしてくれませんかと提案されたが、王キさんとは成立できそうにないのでやんわりと辞退した。それでも対談後にきらりとひらめくものがあったので先週 ...
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日記no.8『やる気スイッチより眠りスイッチがほしい』『パリって変な場所』
数カ月前から夜11時には眠るようにしようとしているのだけれど、結局なし崩し的に日をまたいで起きている。というか、実はこのブログも今11時を越えて書いている。ダメだ。そもそも眠れないのが悪い。眠ろうという気はある。実際に眠い時もある。でも眠れない。もう何年 ...
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日記No.7『王木さんはいいやつ』『隙間社さんおめでとう!!』『もうずっと書いていないけど』
徳島県の某所にあおぞら本棚という物があったりなかったりする。青空文庫ではなく、あおぞら本棚である。あったりなかったりするというのはあおぞらの下にしかないから。雨の日はついぞ見かけたことがない。晴れの日でもないことがある。とっても気まぐれだ。猫が近くに座っ ...
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2015年に読んだkindle本
『ジミー・ザ・アンドロイド/如月恭介』を読む魂を宿した人工知能ゴッドが暴走。人類に対して戦いを挑み、別の人工知能ジミーがそれを阻止しようとする話。月狂さんは続編があると書いていた(ペンと拳で闘う男の世迷言/ジミー・ザ・アンドロイド」書評)が、人類の視点で ...
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僕らの四次元宇宙は三次元的に重なっている、三次元的宇宙ガニのついて、ティアドロップの応援1
四次元という言葉はたいてい三次元に時間を足した概念のことを言う。でも私は四つ目の次元を意識だと考えてみた。時間を加えれば五次元ってところかな。 私の著者ページには甲殻類が嫌いだと書いてある。大人になってからは剥き身を食べられるようになったが、飽くまで“ ...
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CDが売れない小さな理由、西野カナの歌を僕は知らない、最後にティアドロップの応援2
CDが売れないとは今さらな話だが、私がこれからするのはみみっちい話。これを参考にしたからといってCDがまた百万枚売れるようにはならないと思うが、一枚ぐらいは積み増せるかもしれない。 最近ラジオや有線で西野カナの歌がよくかかっている。“もしも、神様がいるの ...
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イケメンが書く言葉や文章、イケメンよりフツメン、性格がいい仏男子、ティアドロップの応援3
百田尚樹の本を読んで、彼のことを一時期イケメンだと思い込んでいたがある。 高層マンションの間接照明に照らされた薄暗い部屋で、タートルネックのセーターなんか着ちゃったりして、それで線の細い顔に細いフレームのメガネ、長く伸びた髪は手櫛で後ろに撫でておでこ ...
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友達が、もしくは自分がホモだったらどうしようかなと本気で考えたことがある
思春期の頃、あまりに男に塗れていたせいで(性的な意味ではない)もしかすると自分はホモかもしれないと疑うことがあった。でも今では、友情と愛情というのは似て非なる物だと私は思えるようになった。 くみた柑さんの『七月、きみのとなりに』を読んだ。連作短篇のよう ...
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