愚者空間

KDP作家牛野小雪のサイトです。小説の紹介や雑記を置いています。

タグ:猫小説

真夜中の台所。月光が窓から差し込み、磨き上げられたステンレスのシンクを銀色に染める。そこに一匹の黒猫が、優雅な足取りで歩みを進める。その名はミッドナイト。彼の瞳は、闇夜に浮かぶ二つの満月のように輝いていた。ミッドナイトの目的は明確だった。冷蔵庫の中に潜む ...

ワイ、30歳童貞ニートや。もう人生終わりやと思とったんや。毎日パッパとマッマに「早く結婚せえ」言われて、もうウンザリやったで。ある日、ワイついに爆発してもうた。「もう誰でもええから結婚したいわ!」って叫んでもうたんや。そしたらどないなったと思う?翌朝、ワイ ...

ミケは、窓辺で丸くなって昼寝をしていた。彼は、灰色と白のまだらな毛並みを持つ3歳の雄猫だ。その名は、飼い主の大学生、村上拓也が尊敬する作家から取ったものだった。拓也は机に向かい、キーボードを叩く音を響かせていた。彼は小説家を目指す21歳の青年で、朝から晩まで ...

私は、この家で唯一の神である。人間どもは「ミケ」と呼ぶが、それは単なる仮の姿。真の私は、全知全能の存在なのだ。ある日、私の下僕である人間の男が、奇妙な本を読んでいた。表紙には「ニーチェ全集」と書かれている。男は眉をひそめながら、つぶやいた。「神は死んだ... ...

大きさは力なり、されど小さき敵を侮るなかれ。真の狩人は、己の本能と理性のバランスを知る者なり真夜中、静寂に包まれたアパートの一室。その闇を切り裂くように、一対の金色の瞳が光る。その瞳の主は、メインクーンの黒猫、ルナ。体長1メートルを超える巨体を持つルナは、 ...

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