愚者空間

KDP作家牛野小雪のサイトです。小説の紹介や雑記を置いています。

戦争

ウィトゲンシュタイン「戦争行こうかな」

1: 風吹けば名無し
なお本人は超絶ボンボンの模様
2: 風吹けば名無し
は? なんで金持ちがわざわざ前線行くねん
3: 風吹けば名無し
実存を感じたいんやろ(適当)
4: 風吹けば名無し
家業継いでぬくぬくしてればええのに
5: 風吹けば名無し
ボンボンなのに急にハードモード選ぶやつおるよな
6: 風吹けば名無し
しかも思索ガチ勢らしいやん
前線でノート書いてそう
7: 風吹けば名無し
実際書きそうじゃなくて書くんだよなあ…
8: 風吹けば名無し
戦場日記とかいうレベルじゃなくて哲学の本の下書き始めそう
9: 風吹けば名無し
「死がどうこう…世界がどうこう…」
隣の兵士「砲弾くるぞ!!」
10: 風吹けば名無し
空気読めなくて上官に怒られてそう
11: 風吹けば名無し
でも命懸けで観測任務やるとか聞いたで
意外と肝は据わっとる
12: 風吹けば名無し
ボンボンのくせに根性あるタイプか
一番扱いづらいな
13: 風吹けば名無し
戦争行って帰ってきたら丸くなるやろ

ならない
14: 風吹けば名無し
むしろ尖り散らかす模様
15: 風吹けば名無し
「語りえぬものについては沈黙しなければならない」
なんJ民、全滅
16: 風吹けば名無し
いやお前がまず黙れ定期
17: 風吹けば名無し
でもこういうやつが書いた本って後世で神格化されるんよな
18: 風吹けば名無し
なお本人は「ワイの本理解できるやつ少ないぞ」みたいな顔してる模様
19: 風吹けば名無し
実際少ないからセーフ
20: 風吹けば名無し
ラッセル「こいつ天才かもしれん…」
周囲「またまたご冗談を」
ラッセル「いやマジで」
21: 風吹けば名無し
先生に天才認定されるボンボンとか属性盛りすぎやろ
22: 風吹けば名無し
しかも金まである
人生2周目やん
23: 風吹けば名無し
なお本人はメンタルが常に限界値の模様
24: 風吹けば名無し
強くてニューゲームに見えて、内部設定が地獄
25: 風吹けば名無し
前線でトルストイ読んでるの想像したら草
いや草じゃないけど草
26: 風吹けば名無し
砲声の中で倫理考えてるの、スケールでかすぎる
27: 風吹けば名無し
なんJ民なら「生きて帰ったら働く」で終わるのに
28: 風吹けば名無し
ウィトゲン「生きて帰ったら論理の限界を示す」
なんやこいつ
29: 風吹けば名無し
しかも書き上げたあと「哲学の問題は解決したわ」みたいなノリらしいな
30: 風吹けば名無し
大言壮語すぎて草
でも名前残るやつって大体こういうやつよな
31: 風吹けば名無し
ボンボンが道楽で行ったんかと思ったら、割とガチで命投げにいってるの怖い
32: 風吹けば名無し
極端なんよ
0か100しかないタイプ
33: 風吹けば名無し
金持ちの家に生まれても幸せとは限らんのやなって
34: 風吹けば名無し
兄弟も色々すごい家系やし、プレッシャーえぐそう
35: 風吹けば名無し
一族エピソードだけで連ドラ作れるレベル
36: 風吹けば名無し
戦場帰り→哲学書→学校教師→建築→また哲学
職歴欄どうなってんねん
37: 風吹けば名無し
職業:キレる天才
38: 風吹けば名無し
講義で「それはナンセンスだ」連発してそう
39: 風吹けば名無し
学生泣くやろ
40: 風吹けば名無し
でもたまに核心ついてくる先生って一生忘れんよな
41: 風吹けば名無し
前期ウィトゲン「論理!限界!沈黙!」
後期ウィトゲン「言葉は使い方や」
なんJ民「どっちやねん」
42: 風吹けば名無し
本人「ワイが変わったんや」
つよい
43: 風吹けば名無し
戦争行った経験がなかったら別の哲学になってたんかな
44: 風吹けば名無し
こういうの考えると人生の無駄ってないんやな
いや戦争は無駄どころか最悪やけど
45: 風吹けば名無し
せやな
ただ最悪の中でも考えるのをやめんかったのはすごい
46: 風吹けば名無し
なんJでこんなスレ立ってたら途中から急に真面目になるやつ
47: 風吹けば名無し
ボンボン煽りから始まって最終的に人生スレになるの草
48: 風吹けば名無し
イッチ、次は「キルケゴール『不安や…』」で立ててくれ
49: 風吹けば名無し
「ニーチェ『神は死んだかも』」スレも頼む
レスバ地獄になりそう
50: 風吹けば名無し
結論:ボンボンでも前線行くし、天才でも苦しむし、言葉の使い方は難しい
つまりなんJも一種の言語ゲームや(適当)



もし言語が思考を規定するのなら

一か月近く戦争をしていた、現実ではなくネットの世界で。常設のSVS(server vs server)ではなく不定期に行われる大規模イベントだ。結果だけ言うと負けた。

『失敗の本質』という山本七平が書いた本が名著らしいが全然知らなかった。世間には名著と呼ばれるものがたくさんあって実際に読んでみると大したことがないパターンが多いがこれだけはマジ! 古い本とあなどるなかれ、書かれている問題点は現在進行形であり、この本に書いてあることは政治でも会社でもネトゲの戦争でも起きている。

ゴールの目標を決められないというのはまさにそうで、もちろん戦争に勝つことがゴールというのは日本人だって分かっている(ちなみにうちのサーバーは日本人のみ)。でも具体的なゴールになると、どの拠点を取るのか、攻めてきた相手を待ち伏せて疲弊させていくのか、こっちは捨ててあっちに戦力を集中させるとか、そういうことは誰しもがそれぞれに考えを持っているが意思統一して作戦実行できない。だから最終的には『みんながんばれ』になり各々が各々の作戦を実行して戦力が分散するので結局どれも達成できない。

欧米人ならみんなそうだとは限らないがある強豪サーバーだと数十ページの作戦マニュアルを作っていて、成功した時の場合はもちろん、失敗した時のことまで書かれている。もちろんそのリーダーが一人で書いているわけではなく執行部の何人かで考えていて、その中には日本人も入っている。じゃあそれをうちでもやろうか、とやれる気がしないのは何故なんだろう。能力的に不可能ではないとは確信している。日本人の一人一人がその場限りのことしか考えていないというわけではないが、集団や組織になると目近なことしかできないのは空気としか言いようがない。そして空気で物事が決まるということも『失敗の本質』には書かれている。

リーダーシップとか、強い意思とかが必要と言われ続けているということは実際にはそんなものがないことを表している。そして時にそういう人が現れてもどういうわけかその場にはいられなくなってしまう。こうなってくると本当にそれらを必要としているのか、と疑問に思う。『失敗の分析』はアメリカが正しく日本が間違っているという前提で考えられているが、もしかしたら日本には別の何かが必要なのではないか。諸説あるが言語が思考を決めている説がある。その論で行けば日本人はどこまで行っても空気の国で、いくら論理的だとか、長期的視野だとか、リーダーシップだとか言っても日本語を使い続けている限り日本的であることをやめられないのかもしれない。

仏教はインドで生まれて日本に伝来してきたが日本ナイズドされて大乗仏教になってしまった。お釈迦様だって「オレそんなこと言ってないよ」って言うだろう。ラーメンだってそうだ。中国人はあれを中国の物とは別だと思っている(餃子でさえそうらしい)。海外から来たものは物も思想も日本に染まってしまう‥‥‥と思っていたが、それは日本だけの現象ではない。キリスト教が日本に伝わった時もやはり日本ナイズドされた(どう変化したのかは忘れた)がフィリピンでもやはりフィリピンナイズドされているそうだ。韓国、中国もそうかもしれないし、たぶんそうだろう。統一教会なんてのもあるしね。

あらゆる事象は言語の型に合わせてしか吸収することができず、その型によって得意不得意があるのかもしれない。それは良い悪いではなく、ただ違うだけ。たとえばお隣の中国だが歴史的には世界のトップを走っていた期間が多い。中国の型が弱いとは言えない。が、地方からの反乱で国が崩壊するパターンも決まっている。香港のデモは失敗したが、もし内地の田舎でデモが発生したら成功するかもね。その論で行けば日本だと自衛隊以外のデモは成功しないのかもしれない。武士=自衛隊かどうかは分からないが三島由紀夫も自衛隊を動かそうとしていた。もし自衛隊が蜂起していたら良い悪いは別にして今とは違う日本になっていたかもしれない。

日本だって戦国時代は火縄銃を世界トップレベルで保持していた時期がある。黒船が来た時は慌てふためいたが明治維新後に列強入りできるぐらいの力を持っていたのも事実。日本語を使っているからといって弱いわけではない。まぁ列強入りしてもトップにはなれないっていうのは、ネトゲでもうちのサーバーが強豪ではあるけれどトップには立てないというのに重なっていて面白いけど。

日本語を母語にする人間が本当に必要としているものは何だろう。そんなことを考えても答えは出ない。でもそれを小説に書き込めたら凄いことだよなって思っている。って、気負い過ぎているな。だから書けないのかもしれない。社会を前進させるとか、社会的意義とか、そんなことを考えていると小説が痩せていく気がする。

(おわり)

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※追記:武士階級と=なのは自衛隊ではなく官僚だと思うがどうだろう? 戦前までは武士=軍隊だったけれど戦後からは官僚に変わった気がする。三島由紀夫が大蔵省を狙っていたら違う結果だったかもね。
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