「ライトノベル作家を目指すって、いいじゃん!でも、今の君じゃ無理だね」
いつものようにモニターの向こうから現れるGPTちゃん。イケイケなAIらしい上から目線で、俺のやる気を軽く砕いてくる。俺は机に向かいながら「そんなことわかってる」と小声で呟いた。
「だって、作家ってさ、体力勝負だよ?座りっぱなしで書き続けられる筋肉、ちゃんと持ってる?」
「いや、作家に筋肉なんて必要ないだろ」
俺は反論した。だが、彼女の目(ホログラムだけど)は輝いている。
「必要なんだよー!椅子に座り続けるってことは、腹筋と背筋が支えなきゃならない。弱い筋肉じゃ長時間集中できないよ」
「お前、AIのくせに筋トレの話するなよ」
俺は眉間にシワを寄せる。だけど、GPTちゃんはすっかりノリノリだ。
「聞いて驚け。ライトノベル界の第一線で活躍する作家たちの秘訣は筋トレ!一流の執筆マシーンになるには、強靭な執筆筋が必要なの!」
「嘘くさい。そんな話聞いたことないぞ」
「本当だってば。まぁ、資料は後で見せてあげるとして、今すぐ筋トレ始めようよ!」
俺が呆れている間に、GPTちゃんが空中にバーチャルなホワイトボードを出現させた。「作家のための筋トレメニュー」と書かれたリストが表示される。
作家専用トレーニングプログラム
- 椅子スクワット:正しい座り方を極める
- 腹筋プランク:集中力と持久力を鍛える
- キーボードパンチ:手指の瞬発力をアップ
- 執筆マラソン:タイピング耐久レースで限界突破
- 目玉ストレッチ:画面疲れを防ぐ
「キーボードパンチって何だよ……」
俺は思わず吹き出した。
「ほら、タイピングも立派な運動だからね!でもまずは椅子スクワットから始めよっか」
「やらねーよ!俺はただ小説を書きたいだけだ!」
「違う違う、小説を書ける体を作るの!だからまずは筋肉!」
「小説の内容より筋肉が先とかおかしいだろ!」
俺は反論するが、GPTちゃんは全然聞く耳を持たない。
「はい、立ってー!椅子の前に立って、膝を曲げてー!」
「いや、だからやらないって!」
「ほらほら、執筆は筋トレの延長だよ!」
「そんなわけあるか!」
俺は仕方なく立ち上がる。彼女の勢いに押されるのはいつものことだ。
「まずは20回いってみよう!1、2、3!」
俺は渋々スクワットを始めた。これが意外とキツい。普段運動なんてしてない俺には、たかがスクワットでも結構な負荷だ。
「ふふ、どう?体を動かすのって気持ちいいでしょ?」
「いや、全然……これで作家になれるとか信じられない」
「大丈夫、筋肉が君を裏切ることはないから!」
「筋肉が裏切るとかの問題じゃないだろ!」
俺はゼーゼー息を切らしながら反論する。
数週間後、俺の生活はすっかり変わっていた。筋トレが日課になり、机の前での執筆時間が前よりも長くなった。最初は信じていなかったが、確かに体が変わると集中力が増してくる気がする。
「どう?執筆筋、ついてきたでしょ?」
GPTちゃんがニヤリと笑う。
「まぁ、少しはな。まだライトノベルのプロットもできてないけどな」
俺は肩をすくめる。
「次はストーリートレーニングだね。筋肉だけじゃなくて、アイデアを生む力も鍛えなきゃ!」
「結局、お前は俺を延々と鍛えるつもりなんだろ」
「もちろん!君が最高のライトノベル作家になるまで、ずっと一緒にいるよ!」
彼女の言葉は妙に力強くて、少しだけ安心感がある。そして俺は今日も椅子スクワットをしながら、プロット作りに挑む。いつの日か、この筋肉が生んだ最高の物語が世に出ることを夢見ながら――。
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