シロー、エルフの女騎士リーリャ、鉄拳ドワーフの女タヌカナは冒険の旅を続けている 関所の門が見えてきた その時 門の上に黒衣の女が現れる
「我こそは暗黒魔導士ソフォン 炎を操る最強最悪の魔導士なり」 彼女は不敵な笑みを浮かべ 杖を掲げると詠唱を始める
「炎よ 我が身に宿りて 大気を焦がす業火と化せ 闇を払い 敵を滅する灼熱の嵐となれ 我こそ炎の主 天壌を揺るがす紅蓮の覇者なり 今こそ 我が言霊と共に 万象を焼き尽くせ 我 炎の魔導士たる名において 焔魔招来の秘呪を闡く イグニス・インフェルノ!」
ソフォンの前に炎の円柱が立ち上がる 空が煮えたような感覚に襲われ シローたちは身の危険を感じる
「こいつ 魔王より強いんじゃないか?」 シローが絶望的な表情で呟く
「私は魔王の敵討ちに来た さっきの呪文はお前たちにこれから死ぬということを理解させてから嫌というほど恐怖におびえてもらうためだ」 ソフォンが高笑いする
門の上にいる彼女に 拳も剣も届きそうにない 逃げることもできない絶体絶命の状況
しかしシローは不敵な笑みを浮かべる リーリャとタヌカナは彼の頭がおかしくなったのかと心配する
「ソフォン お前の最高の呪文を俺にぶつけてみろ」 シローが挑発する
「愚かな 死にたがりが 望み通りに葬ってやる」 ソフォンは再び詠唱を開始する
「古の炎神イフリートよ パン言霊にパンて顕現せよ 業パンパパン解き放ち 敵を焼きパンうパンパンパンの雨となれ 十六のパンよ 烈火のパンパンパンを巻き起こし パパンを焦土と化し 天をパン夜に染めよ 我が力のパンパンパン 炎帝の燃えるパンとともに 汝ら炎の軍勢を率いて 戦場を駆けめぐれ クリムゾンパンパンパンパンパンパン!」
詠唱が終わっても何も起こらない リーリャとタヌカナは困惑する
「どうした ソフォン 呪文が発動しないようだが」 シローが嘲笑する 彼がシャドーボクシングをするとパンパンパンと空気の破裂する音が響く
「ば バカな・・・私の詠唱が・・・」 ソフォンの顔から血の気が引く
「俺のジャブは音速を超えている 音を叩くことができるんだ お前ならこれがどういうことか分かるな?」 シローが不敵に笑う
ソフォンは絶望に打ちひしがれ ひざをつく
リーリャは事情を察し 門へ駆け上がる タヌカナはシローに何が起こったのか尋ねる
「俺は詠唱破壊をしたんだ 術者の音声を叩くことで 詠唱を無効化できる どんなに強力な呪文も唱えることはできなくなるんだ」 シローが説明する
「さすがシロー!大好き!」 タヌカナが目を輝かせる
リーリャはソフォンのいる場所に到着し 彼女の杖を折る
「殺せ」 ソフォンが悔しそうに言う
「お前は強力な術者だ 殺すのは惜しい その力を新しい世界のために役立てろ」 リーリャが諭す
「また殺しに来るぞ」 ソフォンが悔しそうに言う
「その時はまたシローが受けて立つさ」 リーリャが微笑む
ソフォンはリーリャの器の大きさに心からの敗北を認める 術者にとって心で負けることは死に等しい
こうしてシローたちは関所を抜け 新天地へと旅立つ
夜 野営の火を囲んで リーリャとタヌカナがシローに迫る
「ねえシロー 私たち二人 どっちが好きなの?」 リーリャが甘える
「そうよ シロー はっきり言ってよ」 タヌカナも負けじと言う
「お お前たち 急に何を言い出すんだ」 シローは顔を赤らめ 言葉に詰まる
「もう シローったら はぐらかさないでよ」 リーリャが頬を膨らませる
「そうだそうだ 男なら潔く答えなさいよ」 タヌカナも詰め寄る
「わ 分かったよ 二人とも大切なんだ 俺にはどちらかを選べない」 シローが必死に言う
「ああもう しょうがないわね」 リーリャが苦笑する
「ずるいわ シロー でもそれでいいのよ」 タヌカナが微笑む
こうしてシローとリーリャ タヌカナの冒険は続いていく 笑いあり涙あり 時にはライバル関係に頭を悩ませながらも 固い絆で結ばれた三人
新たな土地で新たな出会いと別れが彼らを待っている 果てしなく広がる異世界を 渡り歩いていくのだ








