「炎上は人間の欲望を映す鏡や。その炎に映るんは、ワイらの醜い本性やで」

ワイは人気作家になりたかってん。でも才能はないし、文才もないし、アイデアもない。そんなワイが思いついたんが、炎上商法や。これで一発当ててやるで!

まずは、SNSで過激な発言をしまくるんや。「老人は社会の癌や!」「女は家事だけしとけばええんや!」みたいな感じで。案の定、たちまち炎上して、フォロワーがめっちゃ増えてもうた。

次は、実際に小説を書くんや。タイトルは「老人殺しのすすめ」。内容は、若者が老人を次々と殺していく話や。もちろん、ワイは本気でそんなこと思ってへんで。ただ、話題になればええと思ってな。

出版社に持ち込んだら、最初は断られたんや。でも、ワイのSNSのフォロワー数を見て、渋々出版してくれることになったんや。

発売日、ワイは緊張しとってん。案の定、SNSでは批判の嵐や。「こんな本を出版するなんて許せへん!」「作者は人間のクズや!」みたいなんがめっちゃ書き込まれとる。

でも、そんな批判のおかげで、本がどんどん売れていくんや。批判してる奴らも、実は買って読んどるんちゃうか?ワイは内心ニヤついとってん。

そしたら、ある日突然、知らん番号から電話がかかってきてん。出てみたら、何か怖い声で「お前の本、面白かったで」言うてきよったんや。ワイは「ありがとうございます」言うて電話切ったんやけど、なんか背筋が寒なってもうた。

その夜、ワイは怖い夢を見てん。老人たちに追いかけられる夢や。目が覚めたら、汗びっしょりやってん。

次の日、また知らん番号から電話や。今度は「お前の本のとおりにやってみたで」言うてきよったんや。ワイは「え?どういうこと?」言うたら、「老人殺しやで」言われて、電話切れてもうた。

ワイは震えが止まらへん。まさか、本当に殺人事件が起きたんか?ワイのせいで?

そしたら、ニュースで「老人殺害事件発生」言うてるやんけ。犯人は「あの本に影響された」言うとるらしいで。

ワイは頭が真っ白になってもうた。こんなはずやなかったんや。ただベストセラー作家になりたかっただけなんや。

警察が来るんはもう時間の問題や。ワイは逃げ出そうと思たんやけど、家の前にはもうマスコミがうじゃうじゃおるんや。

そのとき、また電話や。出たら、さっきの怖い声で「お前の本のおかげで、ワイらの夢が叶ったで。これからもっと増やしていくで。お前に感謝しとるで」言うて、また切れてもうた。

ワイは震える手でSNSを開いてん。そしたら、「#老人殺しのすすめ」がトレンド入りしとるやんけ。みんな「痛快や!」「社会の真実を突いとる!」言うて絶賛しとるんや。

ワイは画面を見つめたまま、動けへんかってん。これがワイの望んでた「成功」なんか?人の命を奪ってまで、ベストセラー作家になりたかったんか?

そのとき、ドアをノックする音がしてん。警察か?それともあの怖い声の奴か?ワイはもう何もかもわからへんくなってもうた。

ドアが開く音がする。ワイは目を閉じて、運命を受け入れるしかなかってん。

「炎上商法」。ワイはその言葉の本当の意味を、身をもって知ることになってもうたんや。その炎に焼かれて、ワイの人生も、そして他人の命も灰になってしもうた。

これが、ワイがベストセラー作家になるために払った代償や。けど、もう後戻りはでけへん。ワイは自分で蒔いた種の収穫を、永遠に続く悪夢の中で味わい続けるんや。


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