ターンワールドは本当に余裕がなかったので、『真論君家の猫』の創作ノートを公開できなかった。
やっとやっとの休息なのでここに公開する。
画像加工の腕が多少上がったので、写真には書き込みがある。
その前に撮影の腕を上げろと言われそうだけど。
1真論君家の猫の原案
ルーズリーフ11枚分。間違いなくこれで書けるという確信を持つ。
元々の話は真論君と虚頓君(まだこのときは名無し)が真論君の部屋でああだこうだと屁理屈をこねるだけの話。
最期は真論君が虚頓君の妹を妊娠させてしまって、責任を取って結婚する。
子供が生まれてミータン(この時名無し)が赤ん坊を覗き込み、人間とは生まれたときから猫より大きくて態度がでかいと考える所で話が終わる。
2没案にした話
直接は関係ないのだが、影響はしている。
5章のシラコさんが死ぬ話は立場が逆転しているが、同じ様な話がある。
鳥はなじみがないから、猫になったのかもしれない。
ノートに3枚ぐらいは書いた。ちっとも物にならないのでやめた。
3真論君家の猫の一生
真論君と虚頓君のふざけた話がずっと続く。それを猫が見ている。そんな話だった。
つまりは物語の主人公は実質真論君だったわけだ。
あの時はこうだった。あれはどうなったと
部屋でする会話の中で物語が進んでいく。
4プロットの作り直し
実を言うと、真論君家の猫を書き始めるまで猫の一生は3、4年と思っていた。
ネットで調べると野良猫の一生はだいたい3、4年だが、飼い猫は普通に10年単位で生きると知って驚く。
私の記憶では飼い猫でも3、4年だった気がするが、よくよく考えてみると、昔は(今でもそういう家があるが)飼い猫をその辺に歩かせていたのでエサは家で食べていても、実質は野良と変わらないわけだ。
高校の頃、友達の猫が5年以上生きていて、まだ生きているのかと内心思っていたけれど、ずっと室内で飼っているならそれぐらいは余裕で生きるのかもしれない。ことによるとまだ息をしている可能性がある。
さて、原案では3、4年の想定で考えていたので早速予定が狂った。猫の月齢表を見ながら案を考える。
5.10年スパンで話を考える
ミータンの寿命を10年にして、一年一万字で話を練り直す。
真論君が頭髪の薄さを気にして、虚頓君から熱したこんにゃくを頭に載せればハゲが治るという話を真に受け(試したわけじゃないが、たぶん治らないと思う)、両親が不在の間にこんにゃくを鍋で煮て頭に載せるという話があった。猫がそれを食器棚の上から見ている。
当然こんにゃくは熱過ぎて、真論君は頭からこんにゃくを落とす。落ちたこんにゃくは弾力があるものだから床を跳ねる。それが足に当たった真論君は驚いて足を上げる。まるで踊っているようだった。という落ちだ。ちなみにそのこんにゃくは両親が帰ってくる前に、からしとしょうゆで真論君が食べてしまう。
この話は形を変えて、ミータン自身が禿げる事になる。こんにゃくは出てこないけれど。
6特にまだ形はできていない
まだ全体像はできていない。とにかく色んな案を書いていた。
7サバトンさんが宇宙の話をする
ミータンがサバトンさんにこの世界の事について尋ねるのだが、その時に無限の宇宙を語らせようとした。しかしそれは有限の存在である牛野小雪には扱えないものだった。頭がふわふわして気が狂いそうになる。論理ガバガバのドーナツ理論でお茶を濁した。
8大体の形ができてくる
今まで書いてきた案をまとめて整えて形になってくる。
主客転倒して真論君の物語から猫の物語へ。
9真論君家の周辺地図
作中では明言されていないが、ミータンが歩いていた場所はほとんどが真論君家の敷地。
彼は真論君家に根を生やしているわけだ。
10.3章と4章が合わさったところ
屋根党員には知識派と遊行派がいるが、作中では知識派しか出てこない。
では遊行派はどこに? きっとその辺で遊んでいるのだろう。
この時点では3章でミータンが平成町を出てから、次の章ではすぐにアラーニャンと出会っている。
11 5章6章
白紙のときは無限の可能性があるが、書くごとにその幅は狭まってくる。
可能性が狭まってくると書くことはおのずと決まってくる。
物語は終わろうとしているのに新しい猫ばかり出てくる。
12最期のミータン
結局ここまできて、蒲生田岬の頃から半年以上書き溜めてきた原案は一つも使われなかった。
あるとすれば真論君の部屋で4人が語り合うという状況だけ。
でも、元々似た様なことを考えていただけに、この部分だけはあっという間に書けた。あそこは結構長いが一日の執筆で書きあがっている。その意味では無駄ではなかったのかな。
続くー創作ノート 真論君家の猫 チラシの裏篇
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