愚者空間

KDP作家牛野小雪のサイトです。小説の紹介や雑記を置いています。

カテゴリ: おすすめの詩

真夏の夜の怪奇現象[NO.2] 闇夜のミドリガメ  真夏の夜に外を歩いていると怪異に遭遇することが珍しくない。 ある日、私が夜の散歩をしていると、道の先の夜行灯が照らす光の端に岩のような物が落ちていた。削れたブロックやレンガではなく岩。まぁ、この辺は田んぼがあ ...

題名:神になったお客様作者:T・S・カウフィールド   騒がしい店内。側を通りかかった店員を客Aが引き留める。ー客A おい、兄ちゃん! いつまで待たせるんや!ー店員 申し訳ございませんー客A 客は神様やろうが! それをこんなふざけた対応で済ませてええと思とるんか!?ー ...

題名:文法警察作者:牛野小雪  ある日牛野小雪が執筆もせずに、PCゲームに熱中していると玄関を荒くノックする音が聞こえた。 誰だろうかと彼が玄関へ向かうと、ドアの擦りガラス越しに白とオレンジのケバケバしいふたつの影が見えた。新手の勧誘かもしれない。彼はドア ...

  フミヒト(文人)はバックパックの中を確かめた。ここ数日何度もやってきたことだ。今まで荷物を足したり減らしたりしていたが、今ではそれも無くなった。三日前からバックパックを背負って一日中近所を歩いた。それを見た近所の人や知らない人からがんばれよと声をかけ ...

 山を一つ越えると一軒の家が見えた。屋根と壁は崩れ落ち、柱が剥き出しのままになっている。念のため外から家の中を覗いてみたが、人の気配はもちろん、使えそうな物もなかった。その家を後にして、そのまま歩き続けると建物がまた見えてきた。今度は何軒もある。町に出た ...

題名:修羅になったタロウ作者:牛野小雪     1 タロウは物心が付いた時にはもうその家にいました。 主さんとその奥さんと二人の娘のエミちゃんが住んでいて、タロウはそこで飼われている犬でした。全身真っ黒で肉球まで黒い犬です。大きい耳は下に垂れてい ...

プリプリものがたりさくしゃ:T・S・カウフィールド  むかし、むかし へいあんじだい。 あわの こくふ というまちに プリスカという おんなのこ がいました。 かのじょは としごろの うつくしいむすめでしたが おかあさんにきらわれていたので まいにち トイ ...

題名:私のアイリス作者:T・S・カウフィールド  あなたは平べったい猫を知っているでしょうか。道路で車に延された猫じゃありません。平に生まれて、平のまま育ち、平のまま死ぬ不思議な猫の事です。 個体差はあるが平べったい猫は厚さは大きくても指一本分ぐらい。子猫 ...

題名:サクセ・サイフォ作者:牛野小雪A子:ねえねえ、知ってる。サクセ・サイフォB子:サクセ・サイフォってなに?A子:エミちゃんにね、新しい彼氏ができたんだってB子:ちょっと待って。だからサクセ・サイフォってなによA子:そんなことはどうだってサクセ・サイフォでしょ ...

題名:月下の二人作者:牛野小雪 一生に一度しか出会えない人間がいる。目の前にいる男がそうだった。満月狂四郎。相手は剣を真っ直ぐ立てて月に向けていた。私はそれを受けるように中段に構えている。持っているのはお互いに真剣だった。 こんな時代に、いやこんな ...

題名:知られざる世界へ作者:牛野小雪  とうとう最後の時がきた。誰にだって初めてはある。要はビビらないことだ。一度飛び込めば勝手に向こう側へ着いてるはず。といっても向こう側がどこかは分からないし、あるかも定かではない。実際に行ってみれば分かることだ。 ドア ...

題名:猫との密約作者:T・S・カウフィールド  いつかいつか。あるところに牛野小雪とかいう冴えない小説家がいました。 彼はとある新人賞を審査員の満場一致で受賞し、華々しく小説家としてデビューしたのは良かったのですが、あとは鳴かず飛ばず。年に四回新作を出して ...

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