Kindle Oasisがついに販売終了――このニュースを聞いて、正直言って「やっぱりか」と呟かざるを得なかった。Amazonはまたしても、長年愛されてきた製品を一方的に切り捨てたのだ。この決定に多くのユーザーが「どうして?」と首をかしげているのも当然だ。あの物理的なページめくりボタンを搭載した唯一無二の存在が、もう二度と手に入らないなんて、信じられるか?
Oasisは2016年に登場し、その後のアップデートで更に完成度を高めてきた。特に2019年モデルでは、調光可能な色調ライトが加わり、夜間の読書体験が格段に向上。競合する他社の電子書籍リーダーを圧倒してきた。それにも関わらず、Amazonはこのモデルを放置し続け、新しいモデルを出すこともなく、「在庫がなくなったから終わり」という雑な終焉を迎えたのである。
そりゃ、わかるよ。ビジネスだ。売上が見込めない製品にコストをかけたくないのは当然だ。しかし、Oasisはただのガジェットではなかった。読書を愛する人々にとっては、唯一無二の「パートナー」だったのだ。それを「次のPaperwhiteでいいだろ?」的な態度で代替しようとするAmazonの姿勢は、正直言ってユーザーを馬鹿にしているとしか思えない。
いや、そもそもPaperwhiteがOasisの代わりになると本気で思っているのか?タッチスクリーンだけの操作が嫌で、Oasisの物理ボタンを好んで使っていたユーザーは大勢いる。そのユーザー層を切り捨てるというのは、Amazonが「少数派の声なんてどうでもいい」と宣言したようなものだ。
この販売終了の裏には何かもっと大きな理由があるのではないかと、勘ぐりたくなる。「高価格帯モデルのOasisが売れなくなった」とか「低価格モデルに集中して収益を上げたい」とか、そんな内部的な理由があるのだろう。だが、そうした理由を明確にしないまま、一方的に販売終了を告げるこのやり方には、不満しかない。
正直、ここでAmazonに望むことがあるとすれば、せめてOasisのような機能を持つ新モデルを投入してくれ、ということだ。いや、むしろ今からでも遅くないから、Oasisを復活させてくれ。少数派の声に耳を傾け、彼らが何を望んでいるのかを考え直すべきだ。もしそれができないのなら、Amazonの「顧客中心主義」という看板も、もうただのスローガンに過ぎない。
Kindle Oasisの販売終了。この決定が、Amazonにとってどんな影響を与えるのか。個人的には、信頼を失う大きなきっかけになると感じている。そして何より、長年のファンに対するこの仕打ちに、心から失望した。
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