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 先週仮書きノートが終った。10月4日~11月8日だから34日で書いた。5週間かかる計算は±1日の誤差だ。つまらんよな。執筆ってもっとロマンチックなものと昔は思っていたけど、ある程度予測がつくものだ。ハートやソウルで作っていると思われている物も、将来は精神物理学でロジカルに作られるだろう。AIの出現はさきがけだ。でも、まだその時じゃない。小説はまだ人間の手にある。

 いまはwordで本格的に書いている。すごく面白い。単純に仮書きノートの3倍の速さで進むのが気持ちいい。ってことは12日ぐらいってことか。途中で1日休んでも2週間。これもきっと計算通りなんだろうな。

 仮書きノートを書き終わって、使わなかったネタがある。

 作中に詩織という女の子が出てくるのだが、その子と主人公の晴人がこういう会話をする予定があった。

晴人:エミネムって知ってる?
詩織:エムエム?
晴人:あ~……知らないんならいいや


 エミネムを知らない人に解説すると彼はラップゴット。つまりラップの神。主人公の晴人くんは『8Mile』でラップを知って、エミネムが演じたラビットは好きだけどエミネムは好きじゃないっていう設定を持っている。

 エミネムの本名はマーシャル・マザーズで初期は『М&M』で活動していたがエムエムという響きがなまってエミネムになったという逸話がある。だから、さっきの会話は単純に読むと晴人と詩織の精神的距離を象徴しているのだが、この逸話を知っていると(おい、ただの聞き間違いじゃなくて本当は知ってるだろ!)ってなる小ネタである。

 あと詩織ちゃんは、ずっと真夜中でいいのにの『あいつら全員同窓会』を何年か前に何回も聞いていたっていうのもあったけど、それも使わなかった。

 事前に書いたプロットで使ったところももちろんあるが、使わなかったネタもある。それとは別に書いている途中で湧いてきたネタもある。そういうのって自分でもどうして書けたのか分からなくて不思議だし、事前に作っておいたのよりはるかに良かったりする。でも、プロットを作っておかなかったら、そこには辿り着けなかったと思う。

 まっ、私が量子化してプロットを書いてラップサークルを書く私と、プロットを書かずにラップサークルを書く私に分かれることはできないので真実は分からない。いつかはこれも精神物理学で解けてしまうんだろうな。

(おわり)

ナンバーワンラップができるまで
  1. ラップサークル(仮題)ができるまで NO.1ラップの神が降りてこないかな
  2. ラップサークルができるまでNo.2 ライムの密度が大事
  3. ラップサークル(仮題)ができるまでNo.3 書きすぎ、でも遅い
  4. ラップサークル(仮題)ができるまでNo.4 14歳の時間感覚
  5. ラップサークル(仮題)ができるまで No.5 牛野小雪は晴人に厳しすぎ
  6. ラップサークル(仮題)ができるまでNo.6 ネットは天才が作った沼である
  7. ラップサークル(仮題)ができるまでNo.7 小説が書けるまで
  8. ラップサークル(仮題)が書けるまでNo.8 エミネムって知ってる?
  9. ラップサークル(仮題)ができるまでNo.9 半径100mに分かるように書け
  10. ナンバーワンラップができるまでNo.10 表紙を作ろう
  11. 『ナンバーワンラップ』リリース記事

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