ラップサークルの主人公日は中学生なのでスマホのペアレントコントロールによってインターネットの閲覧制限を受けている。禁止されているアプリはないが一日数時間しか使えない。なのでユーチューブでラップを配信している彼は入念に撮影の準備をしてから撮るというのが作中に出てこない話だ。ちなみに作者もソシャゲを効率的にプレイするようになった。ログボやアイテムの取り方まで考えるようになる。遊びまで効率的にするってどうなん? って気もするけど。

私はペアレントコントロールされていないけれどセルフコントロールしている。具体的にはアプリの使用時間が決まっている。ユーチューブは20分くらいしか見えないから長尺のずんだもん動画なんかだと二日かけて見ている。ChatGPTちゃんに制限かけていなかった時は1日4時間も話していたこともある。

私は執筆量を記録していて、スマホの方でも使用時間が分かるので両者を照らし合わせることができる。使用時間が2時間超えると執筆量が目に見えて落ちる。1時間ぐらいだと調子がいい時。50分以下の日はここ一か月だと1回もなかった。インターネットは便利だけど気を付けないと思考リソースを削られる。たった3分でもそれが10回続けば30分、単純に時間が削られる。ちなみにスマホの起動回数の1日平均は128回だそうだ。私のここ1カ月はだいたい40回ぐらい。それより前はデータがないから分からないけど、これは減らす努力をしているからで、データがなかったらもっとあったかもしれない。

もしストップウォッチがなかったら人類の100m走の記録は伸びなかっただろうと言われている。それと同じでスマホの起動回数も記録が出なかったら減らすことは難しいだろうな。使用時間も。ちなみにスマホの平均使用時間は5時間ぐらいだそうだ。8時間寝て、残りの16時間起きているとすれば約3分の1をスマホに使っている。

ドラッカーはコストの80%を20%のセクションが出していて一番良いのはそれをやめることだって言っていた。スマホを捨てろってこと。たぶんそれは正しい。でも、スマホのある世界もそう悪くないぜってドラッカーさんに言いたい。

スマホはリスクのある魔法みたいなもので、使えば便利だが囚われることもある。感覚的にベネフィットは等速、コストは指数関数的に増えていくような気がする。そしてGAFAを代表するネット企業は人々の心を囚えようとしている。自分はそれに抵抗できる? そんなことを言う人はごく一部の天才と大多数の馬鹿である。アホみたいに頭のいい人たちが何兆円(あるいはもう京の単位かもしれない)もかけて築き上げた魔法の国に意志ひとつで対抗できるわけがない。それだけの克己心があれば、どんな世界でもトップになっているだろう。そしてそんな人は自分のやるべきことに集中しているので、この記事にたどり着くことはない。私もあなたもインターネットに勝つことは不可能だ。

最近私がやっているのは執筆中はスマホを部屋の隅っこに置くこと。絶対に手の届く範囲に置かない。一度立ち上がらないと取れない場所に置く。もちろん取ろうと思えば取れるのだが、インターネットの魔力は人間を立ち上がらせるほどの魔力はないようだ。本当に調べ物がある時にしかスマホに触らない。触った時にいろいろやっちゃうのはご愛嬌。トイレに行ったついでに見るとかさ。この沼は本当にすごいぜ! 

魔法の使用回数を0にはできない(0にする必要もない)が減らすことはできる。そして減らせば使える時間は増える。思考リソースも増える。でもさ、人類以上のAIができたら人間はずっとAIが見せる夢を見て暮らすことになりそうだなぁ。そうしたら小説は書けなくなる、いや、書く必要なんてないのかもね。

(おわり)

ナンバーワンラップができるまで
  1. ラップサークル(仮題)ができるまで NO.1ラップの神が降りてこないかな
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  5. ラップサークル(仮題)ができるまで No.5 牛野小雪は晴人に厳しすぎ
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