ワイはいつものようにマック食いながらVtuber見とった。チー牛の鑑やで。

「はぁ...なんやこの人生...」

鏡見たら、顔がチーズ牛丼になっとる。もう取り返しつかんレベルや。

そんな時、ふと画面に「自重トレーニングで人生変わった!」っちゅう広告が出てきた。

「自重...?自分の重さで鍛えるんか...」

ワイ、急に閃いてもうた。

「待てよ...ワイの体重ヤバいからな...これで鍛えたらヤバいんちゃう?」

その日から、ワイの自重トレーニングが始まった。

最初は腕立て1回するのに3日かかった。でも諦めへんかった。

「ウッス!ウッス!」

1ヶ月後、腕立てが1日1回できるようになった。

「ファッ!?ワイ、成長しとるやん!」

3ヶ月後、なんと腕立てが1時間に1回できるように。

「やばい...ワイ、もしかして才能あるんちゃう?」

半年後、ワイの体は驚くべき変化を遂げていた。

「なんやこれ...ワイの体、丸くなってきとるで...?」


1年後、ワイの体はほぼ完璧な球体になっていた。

「もしかして...ワイ...惑星になりかけとる...?」

しかし、ワイは動揺せずトレーニングを続けた。

「まぁええわ。惑星なったらなったで、それはそれで面白いやろ」

2年後、ワイの重力に引き寄せられて、周りのものが浮き始めた。

「うわっ!マッマ!飛んでいかんといて!」

家族や近所の人々がワイの周りを公転し始める。もはや、ワイは立派な惑星や。

「すまんな...ワイが惑星になってもうて...」

しかし、驚くべきことに、みんな喜んでいた。

「あんた、すごいわね!私たち、宇宙旅行できるじゃない!」

「ワイらの星や! なんて名付けよう?」

「チー牛星やな!」

ワイは複雑な気分やった。でも、みんなが喜んでくれるなら、まぁええかと思った。

そして、ワイことチー牛星は、さらなる高みを目指して自重トレーニングを続けた。



それから10年後、ワイの姿は完全に地球と同じになっていた。

大気があり、海があり、陸地がある。なんと、ワイの体内で生命が誕生し始めた。

「ファッ!?ワイの中で魚泳いどるで!」

ワイは自分の中で起こる全てを感じ取れた。生命の営み、大地の鼓動、海の波...全てがワイの一部やった。

ある日、衝撃の事実に気づく。

「ちょっ...待てよ...もしかして...ワイ...元々の地球ちゃうか...?」

そう、ワイはずっと地球やったんや。ただ、一時的に人間の姿になっていただけ。

「じゃあ、ワイがチー牛やと思っとったんは...」

全ては地球である自分を忘れた、一時の迷いやったんや。

ワイは笑った。宇宙規模で笑った。

「なーんや、ワイずっと自分探しとったんか!」

その瞬間、ワイの中で生きる全ての存在が、同時に悟りを開いた。

チー牛も、リア充も、全ての人間が「ワイら、実は地球やったんか!」と気づいたんや。

そして、宇宙のどこかで、また新たなチー牛が誕生する。彼もいつか、自分が地球であることに気づくやろう。

それこそが、宇宙の真理やったんや。


今じゃワイは銀河の中心。周りの星々がワイの周りを公転しとる。

たまに思い出す。あの頃、必死で自重トレーニングしてた日々のこと。

「あれがなかったら、ワイ、永遠にチー牛のままやったんかもな...」

ふと、隣の銀河がワイに話しかけてきた。

「お前も頑張ったんやな」

「せやろ?お前もか?」

「せやで。ワイなんて、最初はハゲたおっさんやったんやで」

ワイらは宇宙規模で笑い合った。

結局のところ、自分が何者かなんて関係あらへん。
大切なんは、自分を信じて前に進むことなんや。

たとえそれが、地球になることだとしてもな。

「よっしゃ、次は銀河団目指すで!」

こうして、ワイの新たな自重トレーニングが始まったのであった。


小説なら牛野小雪がおすすめ【kindle unlimitedで読めます】