ワイはADHDのクソニートや。何をやっても長続きせえへん。部屋はグチャグチャ、やりかけの企画やプロジェクトの山や。

「あかん...ワイの人生、このままでええんか?」

ある日、ワイは自分の部屋を見渡してふと気づいたんや。

「あれ?ワイ、めっちゃ色んなこと始めてるやん...」

そうや。ワイは何もできてへんわけやあらへん。むしろ、めっちゃたくさんのことに手を出してるんや。

「せや!終わらせてみたろ!」

ワイは決意したんや。今まで中途半端やったもんを、一つずつ完了させていくことにしたんや。


まずは自分の部屋から。

「よっしゃ!掃除終わらせるで!」

3日かかったけど、ワイの部屋はピッカピカになったんや。

「おお!ワイにもできるやん!」

次は、昔買って読みかけの漫画。

「全巻一気読みや!」

2日間缶詰になって、全部読破したんや。

「おもろかったわ!最後まで読んでよかった!」

そうやって、ワイは少しずつ"完了"を積み重ねていったんや。

ある日、バイト先の倉庫で、ワイは山積みになった在庫表を見つけたんや。

「誰も整理してへんのか...よっしゃ、ワイがやったろ!」

夜遅くまでかかったけど、ワイは在庫表を完璧に整理したんや。

翌日、店長が驚いた顔で言うたんや。

「おい、これ誰がやったんだ?すげえじゃねえか!」

「あ、ワイっす」

「お前かよ!いつもダラダラしてると思ってたけど、やるじゃねえか!」

ワイ、なんかちょっと誇らしかったんや。


ワイの"完了"への執着は、どんどん周りに認められていったんや。

会社のプロジェクトでも、誰もやりたがらん面倒くさい仕事を、ワイが黙々と終わらせていくんや。

「高橋くん、この前の資料整理、助かったよ。さすがだね」

「いやいや、たいしたことないっす」

でも内心では、「やったるで!」って思ってたんや。

ある日、大事な商談の資料作りを任されたんや。でも、担当の先輩が途中で倒れてしもうて...

「どないしよ...」

でも、ワイは決意したんや。

「ワイが、最後まで仕上げたる!」

徹夜3日。ワイは必死で資料を完成させたんや。

プレゼン当日、社長が驚いた顔で言うたんや。

「これ、誰が作った?素晴らしいじゃないか!」

「あ、あの...高橋が...」隣の部長が言うたんや。

「高橋?あのADHDの?」

「はい...」

社長はワイの顔をじっと見つめて、

「よくやった。君には期待できそうだ」

ワイ、思わず泣きそうになったんや。

それからというもの、ワイは会社でも評価されるようになったんや。

「高橋さんて、ADHDなのに仕事きっちりしてますよね」

「うん、あいつ最近変わったよな。頼りになる」

ワイは、自分のADHDを隠すんやなく、むしろ強みにしていったんや。

「そうや、ワイはたくさんのことに興味持てるし、集中したらめっちゃ頑張れるんや」

ワイは社内で「Mr.完了」って呼ばれるようになったんや。誰も手をつけたがらん厄介な仕事でも、ワイなら最後まで仕上げる。そう思われるようになったんや。

ある日、新入社員が悩んでる姿を見かけたんや。

「どないしたん?」

「あの...高橋さん、僕、ADHDかもしれなくて...仕事うまくいくか不安で...」

ワイは、昔の自分を思い出しながら言うたんや。

「大丈夫や。むしろチャンスかもしれんで」

「え?」

「な、"完了"を意識してみいひん?それだけで、人生変わるで」

新入社員は不思議そうな顔をしたけど、ワイは自信を持って言えたんや。

だって、ワイの人生、"完了"を意識し始めてから、ホンマに変わったからや。

今じゃワイ、ADHDを個性として誇りに思ってるんや。

「さあ、次は何を完了させようかな」

ワイは、新しい目標に向かって歩き出したんや。