ワイ、28歳童貞。毎日仕事から帰ってきては、なんJを見ながらビール飲んで寝るだけの生活を送っとるんや。

「はぁ...彼女欲しいンゴ...」

ある日、なんJで見つけたスレッドがきっかけで、ワイはマッチングアプリに手を出すことにしたんや。

「マッチングアプリなら彼女できるで!」

そんな書き込みに騙されて、ワイはさっそくアプリをダウンロード。プロフィールを作り始めたんや。

「趣味...なんJやけど、さすがに書けんな...」

悩みながらも、なんとかプロフィールを完成させたワイ。意気揚々とスワイプを始めたんや。

「いけるやん!絶対マッチするで!」

...が、1週間経っても、2週間経っても、全然マッチせえへんのや。

「なんでや...ワイそんなにアカンのか...」

ワイは落ち込んで、冷蔵庫からビールを取り出した。そのとき、ふと目に入ったのが、部屋の隅に置いてあるダンベル。

「そういや、昔買ったまま使ってへんかったな...」

なんとなくダンベルを手に取ったワイ。マッチングアプリでのショックを紛らわすように、筋トレを始めたんや。


それから、マッチングアプリを使い続けるワイ。でも、状況は一向に改善せえへんのや。

「お前とはマッチングできへんわ」

「ごめんね、私には他に好きな人が...」

「身長低すぎ!つまんな!」

メッセージの一つ一つが、ワイのメンタルをゴリゴリと削っていく。

「くっそ...なんでワイばっかり...」

でも、そのたびにワイは筋トレをすることにしたんや。

「マッチせえへんかったら懸垂10回や!」

「既読スルーされたらスクワット20回や!」

「デートドタキャンされたらベンチプレス最高重量更新や!」

こうして、ワイのマッチングアプリライフと筋トレライフが同時に始まったんや。

最初はキツかったけど、だんだん体が慣れてきた。そして、2ヶ月が経ったころ...

「おっ?なんか体、引き締まってきたんちゃう?」

鏡を見たワイは、自分の変化に驚いたんや。腹筋が割れ始めてるし、胸筋もうっすら見えてきた。

「やるやん、ワイ...」

そんな矢先、マッチングアプリで初めてデートにこぎつけたんや。

「やったで!ついに出会えるんや!」

意気揚々と待ち合わせ場所に行ったワイ。でも、待っていたのは地獄やった。

「ごめーん、急用できたから今日はキャンセルね♪」

「ファッ!?」

ワイは激落ちやったけど、その夜はジムでベンチプレスの最高記録を更新したんや。

「くそ...でも、なんか胸熱いわ...」


それからというもの、ワイのマッチング失敗率は以前と変わらず。でも、その分だけ筋トレの量が増えていったんや。

半年後、ワイの体つきは見違えるように変わっていた。

「ファッ!?これがワイの体!?」

鏡に映るのは、まるでボディビルダーのような逞しい肉体。ワイは驚きのあまり、思わず自分の胸筋を触ってしまったんや。

「か、固い...!」

そんなある日、ワイは意を決してマッチングアプリのプロフィール写真を更新することにした。

「よっしゃ、思い切って上半身裸の写真載せたろ!」

その結果は・・・

「うおおおお!マッチしまくりやんけ!!」

ワイのマッチング率は一気に上昇。メッセージも殺到したんや。

「すごい筋肉...会ってみたい♥」

「トレーニングの仕方教えてください!」

「一緒に筋トレしませんか?」

もはやワイは、マッチングアプリ界の筋肉エリートや。

「マッチングアプリ、なめとったわ!筋トレこそ至高や!」

ワイは有頂天になった。でも、同時に気づいたんや。

「でも、なんか違うんちゃうか...?」

確かに、マッチする数は増えた。デートにも行けるようになった。でも、なんか物足りない。

そんなとき、ジムで出会ったのが、彼女やった。

「あの...さっきのデッドリフト、フォームすごくキレイでしたね」

「え?あ、ありがとう...」

彼女もマッチングアプリで散々苦労して、筋トレにハマったんやって。

「私も、メンタルやられるたびに筋トレしてたんです」

「まじか!ワイもや!」

二人は意気投合。そして、自然な流れでデートすることになったんや。

「マッチングアプリやのに、リアルで出会うなんてな」

ワイは笑いながら、彼女とプロテインを分け合った。

それからというもの、ワイと彼女は毎日一緒に筋トレするようになったんや。

マッチングアプリ?そんなん、もう使ってへんで。

「筋トレしながら会話する方が、よっぽど相手のことわかるわ」

「せやな。心も体も鍛えられるしな」

二人で笑いながら、ダンベルを持ち上げる。

半年後、ワイと彼女はボディビル大会に出場することになったんや。

「信じられへん...ワイがステージに立つなんて」

「私たち、ここまで来たのよ!頑張りましょ!」

大会当日、ワイと彼女は見事入賞。表彰台の上で、ワイは彼女にプロポーズしたんや。

「オレと、一生筋トレの道を歩んでくれへんか?」

「もちろん!これからも一緒に、心も体も鍛えていきましょう!」

観客から大きな拍手が沸き起こった。

そして今、ワイと彼女は「メンタル筋トレジム」っちゅうのを始めたんや。

「恋愛で傷ついた心を、筋トレで癒すんや!」

「自信がないアナタ!ここで鉄のメンタルを手に入れるんや!」

連日大盛況で、マッチングアプリに疲れた人々が押し寄せてくるんや。

ワイは今でも時々思うんや。

「あん時、マッチングアプリでメンタルやられんかったら、ワイの人生変わらへんかったんやろなぁ」

そう考えると、あの辛かった日々にも感謝できるようになった。

「よっしゃ!今日も100人にフラれた気持ちで追い込むで!」

ワイは今日も、ジムのみんなと一緒に、心も体も熱く燃やしとるんや。

だって、人生最大のマッチングは、自分自身との出会いやったんやから。