なんJの深夜。いつものように立った「女神降臨スレ」。
「女神様お願いします!」
「ワイの嫁はどこですか!?」
「頼むでマジで...」
懇願の声が相次ぐ中、突如として1枚の画像が投稿された。
「ファッ!?」
「なんやこれ...」
「エッッッッ」
画像には、美しい女性がバナナを持っている姿が写っていた。
「バナナ...?」
「でも、めっちゃ可愛くね?」
「バナナより女神に目がいくわ」
しかし、この1枚の画像が、なんJに思わぬ影響を与えることになるとは、誰も予想していなかった。
「バナナ持った女神様、最高やな」
「せやな、なんかシュールで笑えるわ」
「次はリンゴ持ってきて、イブのコスプレしてクレメンス」
そんな中、一人のJ民が呟いた。
「ワイも、バナナ持った自撮りうpしてもええか?」
「ファッ!?」
「お前女神なんか?」
「うpはよ」
そして、次の瞬間。
「うpしたで」
「ギャアアアアアアア!!!」
「目が、目がああああ!」
「誰か救急車呼んでクレメンス...」
そこには、明らかに男性と思われる毛むくじゃらの腕が、バナナを握りしめている写真が...。
「お前それ女神やなくてゴリラやんけ!」
「バナナの握り方ホンマにゴリラで草」
「なんやこのスレ...」
こうして、バナナブームの火付け役となった「ゴリラ」J民の登場により、スレは思わぬ方向へと進んでいく。
それから数日後、女神降臨スレには毎回のようにバナナを持った画像が投稿されるようになっていた。
「今日の女神様どんなバナナ持ってくるかな」
「ワイは完熟派や」
「青いバナナのが映えると思うで」
もはや女神そのものよりも、バナナに注目が集まる始末。
そんな中、突如として戦争が勃発する。
「バナナなんてクソくだらん。パイナップルこそ至高や!」
「ファッ!?」
「何言っとんねん」
「バナナ派vsパイナップル派の戦争や!」
スレは瞬く間に混沌となった。
バナナ派「バナナは持ちやすいし、女神の手にも馴染む!完璧や!」
パイナップル派「デカくてゴツいほうが映えるやろ!パイナップル最強!」
マンゴー派「うるせー!マンゴーが最強なんじゃい!」
イチゴ派「季節感大事!今はイチゴやろ!」
果物戦争は熾烈を極め、もはや女神のことなど誰も気にしていない。
そんな中、突如として現れた1枚の画像が、全てを変えることとなる。
「ファッ!?」
「なんやこれ...」
「もはや芸術やな」
そこには、ありとあらゆる果物をまとった女神の姿が...。
「こ、これは...」
「全ての果物を制覇しただと...?」
「もう戦争なんてやめにしないか?」
こうして、果物戦争は唐突な終結を迎えた。しかし、それは新たな幕開けでもあった。
果物戦争後、なんJに新たな文化が生まれつつあった。
「バナナ持ってない写真って、なんか物足りなくね?」
「せやな。バナナがあるだけで画像の質上がる気がする」
「もはや芸術や」
女神降臨スレに限らず、あらゆるスレでバナナを持った画像が投稿されるようになった。
野球選手のバナナフォト「大谷翔平もバナナ持っとるで!」
アニメキャラのバナナコラ「これめっちゃ映えるやん」
バナナを持った政治家「うおおおお!総理大臣のバナナや!」
そして、ついにはなんJの外にまで影響が...。
「ファッ!?リア充がインスタにバナナ持ったデート写真うpしとるで」
「アカン、ワイらの文化が外に漏れてもうた...」
「でも、なんか嬉しいな」
バナナブームは、もはや止められない。
そんな中、一人のJ民が意味深な投稿をする。
「実はな、ワイがバナナブームの仕掛け人なんや」
「ファッ!?」
「どゆこと?」
「説明クレメンス」
「実はな、ワイバナナ農家の跡取りなんや。売り上げが落ちてて困っとったんや」
「はえ〜」
「そういうことか」
「でも、よう考えたな」
「せや。でも、まさかここまで大きくなるとは思わんかったわ」
なんJ民たちは、この予想外の展開に驚きつつも、どこか感心していた。
「バナナ農家助かったんか?」
「うん、めっちゃ助かったで。今じゃ注文が殺到しとる」
「ワイらのおかげやな!」
こうして、バナナブームは思わぬところで多くの人を幸せにした。
「よっしゃ!これからもバナナ文化守っていくで!」
「せやな!」
「バナナ最高や!」
...
数ヶ月後、街中ですれ違う人々が皆バナナを持ち歩いている光景が当たり前になっていた。
「はぁ...」
ため息をつくバナナブームの仕掛け人。
「どないしたん?」
「いやな、バナナ以外の果物も売れてほしいなって...」
「ファッ!?」
「まさか...」
「次はパイナップルブーム来るんか?」
こうして、なんJ果物ブームは、第2章へと突入するのであった。
コメント