ワイこと佐藤隆、25歳のニート。小さい頃から「お前、なんか変やで」って言われ続けてきたんや。でも、ワイにはさっぱり分からへんかった。何が変なんやろ?

ある日、ネットサーフィンしてたら、「村上春樹性発達障害」っちゅう言葉を見つけてもうた。

「村上春樹性発達障害:村上春樹っぽさがまったく発達しない難病。患者数も少なく、社会からの理解も乏しい。」

ワイ、目ん玉飛び出るくらい驚いたわ。

「これや!これがワイの正体や!」

早速、病院に行って診断してもろたんや。

「はい、間違いありません。あなたは重度の村上春樹性発達障害です。」

医者からそう言われた瞬間、ワイの中で何かが吹っ切れた気がしたわ。

「そうか...ワイは村上春樹っぽくなれへんのや...」

でも、すぐに立ち直ったで。

「よっしゃ!村上春樹っぽくなれへんけど、ワイは自分らしく生きていくで!」


その日から、ワイは必死で自分の生き方を探し始めたんや。

「村上春樹っぽくなれへんなら、他の作家っぽくなればええんやろ?」

そう思って、いろんな作家の本を読みあさったけど、どれもピンとこーへんのや。

そんなある日、ネット掲示板を見てたら、「女神スレ」っちゅうのを見つけてもうた。

「女神スレ:美少女の画像を貼って、その子の気持ちを想像して詩を書くスレ」

ワイ、なんか心惹かれるものを感じたわ。

「よっしゃ、ワイもやってみるで!」

最初は全然ダメやった。

「君の瞳は、うーん、綺麗やな。えっと、空のよう?」

みんなから総スカンくらってもうた。

「お前、センスなさすぎやろw」
「村上春樹性発達障害かよw」

でも、ワイは諦めへんかった。毎日毎日、女神スレに通い詰めて、詩を書き続けたんや。


1ヶ月経って、ちょっとずつ上達してきた。

「君の笑顔は、太陽のよう
でも、それは違う
君の笑顔は、君だけのもの
誰にも真似できない、かけがえのない光」

「おっ、ちょっとはマシになってきたな」
「村上春樹っぽくないけど、なんかいいわ」

そんな反応もらえるようになってきたんや。

3ヶ月経って、ワイの詩はもっと深みを増してきた。

「孤独な夜に君を思う
星空はいつもより遠く感じる
でも、それでいい
遠いからこそ、美しく輝ける
君もきっと、そんな存在なんだ」

「おい、これマジでええやん」
「村上春樹風ではないけど、独特の世界観あるわ」

半年経って、ワイの詩は女神スレの人気者になってもうた。

「ねえ、知ってる?
僕たちは誰もが、どこかで誰かの女神なんだ
コンビニのレジで
電車の中で
街角で
誰かが、きっと君を見てる
そして、心の中で詩を書いてる」

「やべえ...鳥肌立ったわ...」
「お前、もしかして天才か?」

そんな反応もらえるようになってな。

ワイは気づいたんや。村上春樹っぽくなれへんかったかもしれへん。でも、自分なりの表現を見つけられたんや。

ある日、女神スレで知り合った女の子から、こんなメッセージもらってもうた。

「あなたの詩、すごく素敵です。村上春樹っぽくないけど、むしろそれがいいんです。あなたにしか書けない世界があるんですね。」

ワイ、思わず涙が出てきてもうた。

「ありがとう...ワイ、これからも自分らしく生きていくで!」

結局、村上春樹性発達障害は"病気"やないんや。ただの個性なんや。ワイは、その個性を活かして、自分なりの詩を書き続けていくことにしたんや。

「よっしゃ、今日も女神スレで詩を書くで!」

ワイは今日も、自分だけの言葉を探しながら、キーボードに向かうのであった。

おしまい。