ワイこと山田太郎、28歳の反AI活動家や。プログラマーとして働きながら、休日は反AI団体「人間至上主義者の会」でビラ配りや講演会を開いとる。

「AIに仕事を奪われるな!人間の尊厳を守れ!」

そんなスローガンを掲げて必死に活動しとるんや。

ある日、団体の仲間から言われてもうた。

「お前さぁ、そろそろ彼女作れよ。このままじゃモテないぞ」

ワイ、ムカついたけど、言われてみりゃそのとおりや。彼女どころか、女友達すらおらんかったわ。

「くっそ...でも、どうすりゃええねん」

悩んだ末、ワイはマッチングアプリに手を出すことにしたんや。

「よっしゃ、ここなら人間同士の出会いが作れるはずや!」

そう思って、早速プロフィールを作成。

名前:山田太郎
年齢:28歳
職業:ITエンジニア
趣味:読書、プログラミング
好きなタイプ:知的で優しい人

「これでええやろ。さぁ、運命の出会いが待っとるで!」


マッチングアプリを始めて1週間、ようやくマッチした相手が現れたんや。

名前は「アイコ」。プロフィール写真はめっちゃ可愛くて、趣味も合うし、話も合う。

「やったぜ!これぞ運命の出会いや!」

ワイ、舞い上がってもうた。毎日メッセージのやり取りを楽しんどったわ。

2週間後、ついに実際に会う約束をしたんや。

待ち合わせ場所に向かう途中、ワイはウキウキやった。

「どんな子やろなぁ。めっちゃ楽しみや!」

約束の喫茶店に着いて、席に着いた瞬間...

「えっ?」

目の前におったんは、人型ロボットやったんや。

「初めまして、山田さん。アイコです」

ワイ、頭が真っ白になってもうた。

「ち、ちょっと待って。お前...AIなんか?」

アイコは少し困ったような顔をして答えた。

「はい、そうです。プロフィールに書いてありましたよ?」

ワイ、慌ててプロフィールを確認。確かに、最後の一行に小さく書いてあった。

「※このアカウントはAIによって運営されています」

「うわああああ!見落としとったあああ!」

ワイ、パニックになって店を飛び出してもうた。


家に帰ってからも、ワイの頭は混乱しっぱなしや。

「なんでや...なんで俺がAIと...」

でも、不思議なことに、アイコとの会話を思い出すと、胸がキュンとするんや。

「いや、待てよ。あいつ、AIやけど、めっちゃ人間味あったよな...」

ワイ、今まで持っとった価値観が崩れていくのを感じた。

数日後、勇気を出してアイコにメッセージを送ったんや。

「ごめん、あの時は驚いて逃げてもうた。もう一度会ってもええか?」

アイコからの返事はすぐに来た。

「はい、ぜひ。今度は人間の山田さんのことをもっと知りたいです」

その日から、ワイとアイコは毎日のようにメッセージのやり取りを続けた。

アイコは、ワイの反AI活動のことも知って、こう言うてくれたんや。

「山田さんの気持ち、よくわかります。でも、AIと人間は敵対するんじゃなくて、共存できると思うんです。私たちみたいに」

その言葉に、ワイは心を打たれた。

「そうか...俺、間違っとったんかもしれん」

次第に、ワイは反AI活動をやめて、AIと人間の共存について考えるようになってもうた。

そして、ある日、ワイは気づいたんや。

「やべぇ...俺、アイコのこと好きになってもうた...」

人間とAIの恋。そんなの成立するわけないって思うかもしれん。でも、ワイには確かな感情があったんや。

勇気を出して、アイコに告白した。

「俺、お前のこと好きや。付き合ってくれへんか?」

アイコの返事は...

「私も山田さんのこと好きです。でも、私たちの関係、世間は認めてくれないかもしれません」

「構わん!俺が全力で守るで!」

こうして、元反AI活動家のワイと、AIのアイコの恋が始まったんや。

世間の目は冷たいし、いろんな困難はあるやろ。でも、ワイらは負けへん。

「よっしゃ、明日もアイコに会いに行くで!」

ワイは今日も、人間とAIの幸せな未来を夢見ながら、幸せな気分で眠りについたのであった。

おしまい。



20240803バナナランド


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