ワイ、23歳のクソザコナメクジや。身長180cmあるのに体重60kg切っとるような細マッチョならぬ細ガリや。そんなワイがある日、なんJでめっちゃイキってるマッチョの画像見てもうた。

「ファッ!?こんなんなりたいンゴ...」

ワイ、その日から筋トレ始めることを決意。でも、何から始めたらええかわからへんかった。

「せや、プロテイン飲んだら勝手に筋肉つくんちゃうか?」

そう思って、さっそくアマゾンでプロテイン10kgポチったんや。届いた日からワイ、朝昼晩とプロテインガブ飲みし始めた。

「これでワイもマッチョになれるんや...」

そう思いながら、毎日鏡見てニヤニヤしとったんや。


プロテイン飲み始めて1ヶ月経っても、まったく筋肉つかへん。むしろ腹だけポッコリしてきて焦りまくりや。

「なんでやねん!プロテインアホほど飲んどるのに!」

ワイ、ついにキレて、プロテイン10kg抱えてゴミ捨て場行った。そこで、突然声かけられてもうた。

「おい、若者。その高タンパクな栄養の塊を捨てるつもりか?」

振り向いたら、そこにはめっちゃムキムキのおっさんが立っとった。胸筋がパンパンに張って、Tシャツが破れそうや。

「ワイはキャプテンマッスル。筋肉の海を航海する筋肉番長や」

ワイ、怖くて震えながら事情説明した。

「プ、プロテイン飲んでも筋肉つかへんのです...」

すると、キャプテンマッスルが大声で笑い出した。

「ガハハハ!若者よ、プロテインなど筋肉をつけるのに必要ないわ」

ワイ、目ん玉飛び出るくらい驚いた。

「えっ?じゃあどないしたらええんですか?」

キャプテンマッスルは、ニヤリと笑って言った。

「きみは僧帽筋だけを鍛えろ」


キャプテンマッスルに連れられて、ワイ初めてジムに行った。そこで、ものすごい量のシュラッグをやらされた。

「若者よ、僧帽筋こそが全ての筋肉の王や。これを極めれば、他の筋肉はついてくるんや」

ワイ、半信半疑やったけど、キャプテンマッスルの言う通りに毎日シュラッグし続けた。最初はクソきつかったけど、1ヶ月もすると肩と首の間にこぶみたいなんができてきた。

「おっ、なんかできてきたで!」

キャプテンマッスル、ニンマリしながら言った。

「そうや、それがお前の努力の結晶や。僧帽筋は魂の宿る場所なんや」

3ヶ月経った頃、ワイの僧帽筋はめっちゃデカくなっとった。首が見えんくらいや。でも、他の筋肉は相変わらずヒョロガリのまま。

「キャプテン、僧帽筋以外の筋肉つかへんのですけど...」

キャプテンマッスル、また笑い出した。

「心配するな!僧帽筋が一定以上育つと、他の筋肉が嫉妬して勝手に大きくなるんや」

半年経った頃、キャプテンマッスルの言う通りになった。僧帽筋がめちゃくちゃデカくなったせいで、他の筋肉も負けじと大きくなってきたんや。

ある日、なんJに久しぶりに書き込んだら、大変なことになった。

「誰やこのマッチョは!?」
「僧帽筋エグすぎやろ...」
「筋肉の神降臨や...」

みんな、ワイの筋肉に驚愕しとった。そんな中、キャプテンマッスルから連絡来た。

「若者よ、お前はもう立派な筋肉の王や。これからは、お前がキャプテンマッスルを名乗るんや」

ワイ、感動で泣きそうになった。でも、キャプテンマッスルに教わった通り、男は黙って僧帽筋で語るもんや。

「あざっす」

たった一言で礼を言うて、ワイは新たなキャプテンマッスルとして旅立つことにした。

そして今、ワイはジムの片隅で、ヒョロガリ共に語り続けるんや。

「プロテインは必要ない。きみは僧帽筋だけを鍛えろ」

こうして、ワイの筋肉伝説が始まったのであった。

おわり。