ワイ、28歳のニート。毎日、布団の中でスマホいじってるだけの人生や。

「はぁ...なんでワイはこんなんなってもうたんやろ」

そんなある日、マッマの怒鳴り声が響く。

マッマ「いい加減にしなさい!いつまでそんな生活続けるつもりなの!?」

ワイ「うるさいわ...」

マッマ「お金ないから、ジムにも行けへんのやろ?せめて自重トレーニングでもしたら?」

ワイ「自重?なにそれ」

マッマ「自分の体重を使って筋トレすることよ。お金かからへんから」

ワイ「ふーん...」

その夜、暇つぶしにネットで自重トレーニングについて調べてみる。

「腕立て伏せ、腹筋、スクワット...ふむふむ」

なんとなく興味湧いてきたワイ、次の日から挑戦してみることに。

「まぁ、暇つぶしにもなるか...」

翌朝、意を決して床に降り立つ。

「よっしゃ、腕立てからやってみるか」

ところが...

「うっ...重っ...」

1回も出来へん。

「なんやこれ...ワイってこんなに弱かったんか...」

ショックを受けるワイ。でも、なぜかムカつく。

「くそっ...明日は絶対1回やってやる!」

こうして、ワイの自重トレーニングが始まった。


1ヶ月後、ようやく腕立て10回、腹筋20回、スクワット30回できるようになった。

「おっ?なんか体が軽くなってきたような...?」

3ヶ月後、腕立て100回、腹筋200回、スクワット300回が余裕になる。

「うおおお!なんか体がえらいことになってきたで!」

鏡を見ると、明らかに体つきが変わっている。

「ヤバいって、ワイかっこよくなってきたんちゃう?」

半年後、驚異的な成長を遂げる。

腕立て1000回、腹筋2000回、スクワット3000回が日課に。

「なんやこれ...ワイ、スーパーマンになったんか?」

ある日、友達のタロウが久しぶりに遊びに来る。

タロウ「うわっ!お前誰や!?」

ワイ「ワイやで」

タロウ「うそやろ...あのデブニートが...」

ワイ「自重トレーニングの成果や」

タロウ「自重だけでそこまで変われるんか...」

ワイ「せやで。毎日コツコツやっただけや」

タロウ「すげぇ...お前、めっちゃパワー感じるわ」

ワイ「そうか?まぁ、ちょっとは強くなったかもな」

その時、突然の地震。
家具が倒れそうになる。

「やばい!」

ワイ、反射的に倒れかけた本棚を受け止める。

タロウ「お前...片手で200kgくらいある本棚持ち上げてるで...」

ワイ「えっ?」

その日を境に、ワイの力の凄まじさが明らかになっていく。

車が坂道で後退?片手で止める。
電車が遅延?自分で押して動かす。

「なんやこれ...ワイ、とんでもないことになってもうたんちゃうか...」

そんな中、さらに驚くべき事実が判明する。


ある日、ワイはふと気づく。

「なんか...地面が柔らかい感じがするな...」

違和感を感じながら歩いていると、突然足が地面に潜り込む。

「うわっ!なんやこれ!?」

慌てて足を引き抜こうとするワイ。
すると...

「うおおおおお!?」

ワイの力で、地面がめくれ上がる。
いや、正確には...

「お、おい...ワイ...まさか...」

地球の一部を持ち上げていたのだ。

「うそやろ...ワイ、地球の重力に勝ってもうたんか!?」

パニックになるワイ。
しかし、同時にある使命感も芽生える。

「ワイにこんな力が備わったんは、きっと何か理由があるはずや」

そう確信したワイ、力の使い道を考え始める。

ニュースで自然災害の報道を見た時、ワイはひらめく。

「そうや!ワイの力で地球を救うんや!」

翌日から、ワイの世界救済活動が始まる。

台風で海面上昇?
ワイが海底を持ち上げて水位を下げる。

火山噴火の危機?
ワイがマグマだまりを押さえつける。

隕石が地球に接近?
ワイが宇宙に飛び出して、素手で打ち返す。

世界中でワイの噂が広まる。

「あいつは神か?」
「いや、宇宙人だ」
「自重トレーニングの化身だ!」

ワイは言う。

「ワイは神でも宇宙人でもあらへん。ただのニートや。でも、自重トレーニングのおかげで、こんな力を手に入れたんや」

ある日、国連から呼び出しを受けるワイ。

「あなたの力で、地球の軌道を調整してもらえないでしょうか」

ワイ「任せてや」

こうして、ワイは地球の公転軌道を最適化。
気候変動も解決してしまう。

人類は驚愕する。

「たかが自重トレーニングで、ここまでできるのか...」

ワイの偉業に、世界中でブームが起きる。

「自重トレーニングで地球を救え!」

みんなが自重トレーニングを始める。

1年後、人類の半数が超人化。
地球の危機は完全に去った。

ワイ、久しぶりに実家に帰る。

マッマ「あんた...よう頑張ったな...」

ワイ「マッマ...ワイな、自重トレーニング始めてくれって言うてくれたマッマには感謝しとるで」

マッマ「まさか、あんたがこんなことになるなんて...」

ワイ「せやな。ワイも想像してへんかったわ」

そして、ワイは空を見上げる。

「でもな、マッマ。ワイはまだまだ鍛えるで」

マッマ「えっ!?まだするんか!?」

ワイ「せや。だって、まだ銀河系は持ち上げられへんもん」

マッマ「あんた...」

ワイ「ワイは、これからも自重で鍛え続けるで。いつか、宇宙の重力も持ち上げられるようになるまでな」

そう言って、ワイは1000兆回目の腕立て伏せを始めるのだった。

~完~