ワイ、25歳ニート。毎日、パッパの稼ぎで細々と生きとる人間のクズや。
「おい、そろそろ働け」パッパの怒鳴り声が響く。
ワイ「はいはい」適当に返事するだけ。
実際のところ、ワイには夢があるんや。それは…
「やるなら軍師や!」
せや、ワイは軍師になりたいんや。
「頭脳で世界を動かすんや!」
ワイの部屋には、孫子の兵法やら、三国志やら、戦国時代の軍師の本でいっぱいや。
「知略こそ最強や!筋肉なんか飾りや!」
そう信じて疑わんかった。
ある日、パッパが言い放った。
「お前、来月から家賃払え。でなきゃ出てけ」
ワイ「えっ?マ?冗談やろ?」
パッパ「本気や。もう限界や」
その日から、ワイの軍師修行は加速した。
「よっしゃ、これで天下取ったるで!」
しかし、現実は甘くなかった。
「軍師?そんなん今時求人あらへんで」ハローワークのおばちゃんに笑われる。
「でも、ワイには知略が…」
「知略より体力や。まずは肉体労働からやな」
ワイ、愕然とする。
ワイ、仕方なく工事現場のバイトを始める。
「うっ…重っ…」
最初は一日で筋肉痛になるワイ。
「やっぱりワイには向いとらんわ…」
そう思いながらも、家賃を払うために毎日必死で働く。
1ヶ月後、ふと気づく。
「お?なんか腕の筋肉ついてきたやん」
3ヶ月後、体が激変。
「うおおお!これがシックスパックか!」
鏡の前でポージングするワイ。
「ワイ、なんかカッコよくなってね?」
そんなある日、現場監督に呼ばれた。
「お前、最近仕事はやいな。重い荷物も一人で運べるし」
ワイ「まぁ…なんとなく」
監督「よし、お前を班長に抜擢する」
ワイ「えっ?マ?」
その日から、ワイは現場の指揮を執ることになった。
「よっしゃ、ここはこうして…あっちはああして…」
ワイの指示で、作業効率が格段に上がる。
「お前、頭ええんやな」監督に褒められる。
ワイ「いや、まぁ…」
そう、ワイの軍師の知識が、思わぬところで活きていたんや。
半年後、ワイはすっかり現場のエースに。
体は立派なマッチョ、頭脳は軍師並みの知略。
「ワイ、なんかすごくなってもうたな…」
ある日、大手建設会社の社長がやってきた。
「君、うちに来ないか?」
ワイ「えっ?」
社長「君のような人材を探していたんだ。体力も頭脳も兼ね備えた人間をね」
ワイ、驚愕する。
「まさか…ワイが引き抜かれる日が来るなんて…」
そして、ワイは大手建設会社に転職。
現場監督として、大規模プロジェクトを任されるようになった。
「よっしゃ、ここはこうして…」
かつての軍師の知識を活かしつつ、自らも率先して重労働をこなすワイ。
「ワイはん、すごいっすね!」部下たちに慕われる。
ある日、ワイは気づいた。
「そういや、ワイ『やるなら軍師』っていつの間にか言わんくなったな」
確かに、今のワイは軍師ではない。
しかし、軍師以上の存在になっていた。
「知略だけやのうて、体力もあってこその指揮官なんやな」
ワイ、鏡に映る自分を見つめる。
「ワイ、ええ体になったなぁ」
たくましい筋肉を誇る体。そして、その頭の中には軍師顔負けの知略が詰まっている。
「やるなら軍師」
かつての自分の言葉を思い出す。
「違うな。やるならマッチョ軍師や!」
そう、ワイは軍師の知恵とマッチョの体力を兼ね備えた新しい存在になっていたんや。
「よっしゃ、今日も現場で暴れたるで!」
そう言って、ワイは現場に向かう。
今日も、マッチョ軍師ワイの知略と筋肉が、建設現場を動かしていく…
数年後、ワイは建設業界の革命児と呼ばれるようになった。
「軍師の知恵と、マッチョの体力。この二つがあれば、どんな困難も乗り越えられる」
テレビのインタビューでそう語るワイ。
昔のニート時代が嘘のようや。
パッパもマッマも、今じゃワイを誇りに思うてくれとる。
「ワイ、お前みたいな息子を持てて幸せやで」パッパの言葉に、ワイは照れくさそうに笑う。
「まぁ、ワイがワイやからな」
そう、ワイはもう軍師を目指してはいない。
しかし、軍師以上の存在になっていた。
マッチョな体で現場を引っ張り、軍師の頭脳で難題を解決する。
それが今のワイ。マッチョ軍師や。
「やっぱり、マッチョやるなら軍師は不要やったんやな」
そう呟きながら、ワイは次の現場に向かう。
今日も、どこかの建設現場で、ワイのマッチョな体と軍師の頭脳が、新たな歴史を作っていくんや。
~完~
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