ワイ、22歳ニート。毎日なんJを見ながらダラダラ過ごす日々。

「はぁ...人生つまらんわ」

そう呟きながら、ワイはまたスマホでなんJを開く。

「お前ら数学得意なやつおる?」

ワイがスレ立てると、即座にレスが付く。

「草」
「得意は草」
「ワイは得意や。e^(iπ)+1=0 が解けるで」

最後のレスに、ワイは首を傾げた。

「なんやこの式...」

そう思った瞬間、スマホの画面が光り出した。

「なんや!?」

突然、部屋に老人が現れた。白髪で、片目が見えていない。

「やあ、若いの。オイラはオイラーだよ」

「え?オイラーって...あの数学者?」

「そうだよ。オイラの公式に興味があるのかい?」

ワイは困惑しながらも、なんとか返事をした。

「いや、ワイは数学苦手で...」

オイラーは楽しそうに笑った。

「じゃあ、オイラと一緒に数学の世界を冒険しようじゃないか!」

そう言って、オイラーはワイの手を掴んだ。


気がつくと、ワイとオイラーは不思議な空間にいた。

「ここはどこや?」

「ここは数学の世界さ。まずは虚数単位iから始めよう」

そう言って、オイラーは空中に「i」の文字を描いた。

「i^2 = -1 だよ。不思議だろう?」

ワイは頭を抱えた。

「もうわからんわ...」

「大丈夫、ゆっくり進もう。次は自然対数の底eだ」

オイラーは「e」を空中に描いた。

「eは成長の数。1+1/n を n 回かけると、n が大きくなるほどeに近づく」

「へぇ...なんかロマンあるな」

ワイは少し興味を持ち始めた。

「そして、πは円周率。でも、これらがどう関係するんだろう?」

オイラーは笑顔で続けた。

「それがオイラの公式さ。e^(iπ)+1=0」

「え?全然関係なさそうな数字が繋がるんか?」

「そうさ。これが数学の美しさだよ」

ワイは驚きに目を見開いた。

「すげぇ...」

オイラーは嬉しそうに頷いた。

「さあ、この公式を証明してみようか」

オイラーとワイは、空中に数式を描きながら証明を進めていった。

「まず、オイラーの公式 e^(ix) = cos(x) + i*sin(x) を使うんだ」

「えっと...cosとsinって三角関数やったよな」

「そうだよ。で、x=πを代入すると...」

ワイは必死に頭を働かせる。

「e^(iπ) = cos(π) + i*sin(π)」

「よくわかったね!そして、cos(π)=-1, sin(π)=0 だから...」

「e^(iπ) = -1 + i*0 = -1」

「そう!だから、e^(iπ) + 1 = 0 になるんだ!」

ワイは興奮して叫んだ。

「わかった!マジですげぇわ!」

オイラーは満足そうに頷いた。

「数学は美しいだろう?複素数、指数関数、三角関数が一つの式で結びつく」

ワイは感動で震えていた。

「こんな美しいもんがあったんか...」

その時、周りの景色が揺らぎ始めた。

「おっと、もう時間かな。君の世界に戻る時間だ」

オイラーの姿が徐々に透明になっていく。

「待ってくれや!まだ聞きたいことが...」

「大丈夫さ。数学の美しさを知った君なら、これからどんどん成長できるはずだ」

オイラーの最後の言葉とともに、ワイは自分の部屋に戻っていた。

スマホを見ると、なんJの画面が開いたままだった。

「お前ら数学得意なやつおる?」

自分が立てたスレ。その下に、新しいレスがあった。

「お前、数学わかったんか?」

ワイはニヤリと笑って、返信した。

「ワイ、オイラーの公式完全に理解したで!」

「は?」
「嘘乙」
「証明してみろよ」

レスが殺到する。

ワイは意気揚々と証明を書き始めた。

最後にこう締めくくった。

「数学って美しいんやで。みんなもチャレンジしてみい」

「お、おう...」
「なんか感動した」
「ワイも勉強し直すわ」

なんJ民たちの反応に、ワイは満足げに頷いた。

「オイラーさん、ありがとうな」

部屋の隅に、オイラーの幻影が微笑んでいるような気がした。

これからは数学を勉強して、ちゃんと大学行くで!

ワイの人生は、オイラーとの出会いで大きく変わった。

そして、なんJ民の中にも、数学の美しさに目覚めた者が現れ始めたのであった。