ワイ、今日も図書館で村上春樹の本を読んどるンゴ。『海辺のカフカ』や。なんやこれ、ようわからんけど、なんか心に響くンゴ。

「ワイって、カフカみたいなもんやな」

そう思いながら、ページをめくる。周りの目とか気にせんと、自分の世界に没頭できるんが、ワイの唯一の特技やで。

発達障害のワイ、人付き合いは苦手や。でも、村上ワールドなら居心地ええんや。

「はぁ...でも、恋したいなぁ」

ふと、そんな思いが湧いてくる。村上作品に出てくる女の子たち、みんな魅力的やん。現実にもそんな子おらんのかな。

そんなことを考えてたら、隣の席に人が座ったンゴ。

「え?」

びっくりして顔を上げたら、めっちゃ可愛い子やんけ!

「あの、ここ空いてますか?」

「あ、はい」

ワイ、慌てて答える。心臓バクバクや。こんな可愛い子が隣に座るなんて、村上ワールドみたいやん。

彼女も本を広げる。チラ見したら...『ノルウェイの森』やんけ!

「村上春樹...好きなんすか?」

勇気を振り絞って聞いてみる。

「え?あ、はい。大好きです」

彼女、ニコッと笑う。やばい、天使や。

「ワイも好きっす。今『海辺のカフカ』読んどるとこなんすけど」

「まぁ、私も好きな作品です!」

目を輝かせる彼女。ワイ、これが運命の出会いってやつか?

でも、そこからが難しいンゴ。何話したらええんや。頭の中真っ白や。

「あの...」

「はい?」

「どの...作品が一番好きなんすか?」

やっと絞り出した質問。彼女は少し考えて、

「『1Q84』かな。あなたは?」

「ワイは...『羊をめぐる冒険』っすね」

「へぇ、珍しいですね。どんなところが好きなんですか?」

そこから、二人で村上作品について語り合う。ワイ、こんな長く会話したの初めてかもしれん。

「あ、もう閉館時間ですね」

彼女が言う。マジか、こんな時間経っとったんか。

「また...会えますか?」

ワイ、思い切って聞いてみる。

「うん、明日も来ますよ」

彼女、笑顔で答えてくれる。ワイの心、めっちゃホクホクや。

その夜、ワイはベッドの中でもずっと彼女のこと考えとった。こんなんが恋っちゅうやつか?

翌日、ワイは図書館に急ぐ。彼女、来とるかな。

案の定、昨日と同じ席に座っとる。ワイ、隣に座る。

「こ、こんにちは」

「あ、こんにちは!」

そこから、また村上トークが始まる。でも今日は、ちょっと違う。

「あの...ワイ、実は発達障害なんです」

思い切って告白してみる。

「へぇ、そうなんだ。でも、昨日も今日も楽しく話せたよ?」

彼女、優しく微笑む。

「村上作品について、すごく詳しいし面白い。それに、繊細な感性を持ってるよね」

ワイ、なんか泣きそうになる。こんな風に言われたの初めてや。

「あの...デートとか...」

「うん、行きたいな。今度カフェでも行く?」

彼女の返事に、ワイの心は舞い上がる。

それから、ワイと彼女は付き合うことになったんや。発達障害のワイでも、村上春樹のおかげで恋ができた。

「ワイの人生も、村上ワールドみたいに不思議で魅力的なもんになりそうや」

そう思いながら、ワイは彼女と手を繋いで歩くのであった。

fin