ワイ、音楽なんて正直よう分からんのやけど、なんJでちょっとイキりたくなってもうたんや。
ある日のこと、音楽スレで「Spotifyの音質ゴミやろ」って書き込んでみたんや。
正直、CDとの違いなんてよう分からんのやけど、なんとなくカッコつけたかってんな。
そしたらどないなったと思う?
「おっ、ワイも同意や!」
「さすがやな、耳ええんやな」
「Spotifyとか聴いとるやつはにわかやで」
おいおい、なんやこの反応…?
ワイのレスにめっちゃレスつきまくっとるやんけ!
「ワイはな、FLACで聴かんと満足できへんのや」
「ハイレゾ音源こそ至高やで」
「アナログレコードの温かみが最高やわ」
みんな、すげぇ詳しそうなこと言い出して、ワイドン引きや。
でも、なんか調子乗ってきてもうた。
「せやろ?ワイ、音質には結構うるさいんや」
嘘やで。本当は全然分からへんのや。
そしたら、さらに大変なことになってもうた。
「おっ、ワイらの仲間や!」
「音質厨増えてきたな」
「これからはお前に期待してるで」
なんやねん、期待って。
ワイ、めっちゃ焦ってきたわ。
だって、ホンマはSpotify以外で音楽聴いたことあらへんのや。
CDプレーヤーなんて持ってへんし、FLACってなんやねん。
でも、このままじゃバレてまうやん。
せや!ちょっとググってみよ。
「FLACとは…」「ハイレゾ音源の特徴…」「アナログレコードの魅力…」
必死にスマホで調べまくったんや。
そして、得た知識をフル活用して返信や。
「ワイはな、FLACのダイナミックレンジの広さに惚れ込んでもうたんや」
「ハイレゾのS/N比、たまらんわ」
「レコードのアナログ的な歪みこそ音楽の醍醐味やで」
完全に適当こいとるけど、これでなんとかなるやろ。
案の定、みんな「さすが」言うて褒めてくれるんや。
「お前、めっちゃ詳しいやん」
「ワイらの代表や」
「これからもよろしくな」
もうわけわからんくなってきたで。
そんな中、あることに気づいたんや。
なんか、みんな親切なアドバイスくれるようになってきたで。
「ワイのおすすめのアンプ教えたろか?」
「このケーブル使うと音質爆上がりやで」
「次のオフ会来るか?みんなで機器の話しようや」
ファッ!?オフ会!?
いややわ、絶対バレるやん。
でも、なんか断りづらくなってもうた。
「あ、ありがとう…行けたら行くわ」
もう大変や。嘘がどんどん膨らんでいくんや。
そんなこんなで一週間経った頃、とうとう地獄がやって来たんや。
オフ会当日や。
行くしかあらへん。このままじゃ信用なくすし、かといって正直に話すのもアカン。
覚悟決めて、オフ会の会場に向かったんや。
到着したら、みんなめっちゃ優しく迎えてくれたんや。
「おっ、来てくれたんや!」
「噂の音質マニアはお前か」
「今日はようけ話聞かせてや」
もう逃げられへん。観念したわ。
「みんな…実は…」
ワイ、観念して全部話そうと思たんや。
そしたら、となりのおっちゃんが小声で言うてきたんや。
「お前もわからんくて来たんか?」
ファッ!?
よく見たら、みんななんか怪しい顔しとるやんけ。
「実はな、ワイらも全然詳しくないんや」
「なんとなく通ぶっとっただけやったんや」
「Spotifyしか使うたことないわ」
みんな次々と告白し出して、もう大爆笑や。
結局、そこにおった全員が似たような感じやったんや。
「お前らアホかwww」
「ワイらみんな音質厨のフリしとったんかw」
「なんやこの状況www」
もう笑いが止まらへんかったわ。
そこからは、みんなで本音トークや。
「正直CD音源とSpotify聴き比べても分からんわ」
「高い機器買ったけど意味あったんかな…」
「音楽は気持ちよく聴けたらそれでええんちゃう?」
なんやかんや、めっちゃ盛り上がったんや。
結局、その日は朝まで飲み明かしてもうた。
翌日、二日酔いで目覚めたワイ。
なんか人生観変わった気がするわ。
音質とか機器とか、そんなんどうでもええ。
大事なんは音楽を楽しむ心やったんや。
その日から、ワイはSpotifyを堂々と使うようになったで。
だって、音楽通ぶる必要なんてあらへんもんな。
ほんで、オフ会のメンバーとは今でも仲ええで。
みんなで好きな音楽語り合うの、めっちゃ楽しいわ。
「Spotifyの音質ゴミ」
あの一言から始まった、ワイの音楽人生や。
今じゃ笑い話やけど、あの時は必死やったなぁ。
ほな、また!今日もSpotifyで音楽聴きながら寝るで〜。
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