ワイ、30歳。発達障害持ちのニートや。人生どん底や。もう生きる意味なんてないんちゃうか...
毎日、部屋に篭もってなんJみるだけ。外出るんも怖いし、人と話すんもしんどい。親はワイのこと見放してもうた。「もう好きにしろ」って言われて半年経つわ。
今日もいつも通り、スマホでなんJ見てる。ふと、あるスレッドが目に入る。
「発達障害は神様に見放された存在」
ワイ、思わず開いてしまう。
1: 風吹けば名無し: 20xx/xx/xx
「発達障害って神様に嫌われとるんやないか?」
2: 風吹けば名無し
「草」
3: 風吹けば名無し
「神なんておらんぞ」
4: 風吹けば名無し
「ワイ発達やけど、確かに神に嫌われてる気がするわ」
ワイ、胸が締め付けられる。そうや、ワイも神様に嫌われとるんや。いや、そもそも神様なんておらんのかもしれん。
スマホ投げ捨てて、天井見上げる。なんでワイはこんな風に生まれてきたんやろ。普通に生きられへん。仕事もできへん。友達もおらん。恋人なんて夢のまた夢や。
ふと、外に出たくなる。ワイ、半年ぶりに部屋を出る。外の光が眩しすぎて、目が痛いわ。
ふらふらと歩き出す。行き先なんてない。ただ、どこかに行きたいだけや。
街を歩いてると、みんな幸せそうに見える。カップルが手を繋いで歩いとる。友達同士で笑いながら話しとる。みんな普通に生きとる。
ワイだけが、異端者や。
気づいたら、ワイは河原におった。誰もおらん。ただ、川の流れる音だけが聞こえる。
ふと、川に飛び込みたくなる。ここで全部終わらせたら、楽になれるんやないか...
でも、怖い。死ぬんも怖いんや。ワイ、情けなくて涙が出てくる。
そのとき、後ろから声がする。
「あの...大丈夫ですか?」
振り返ると、小さな女の子が立っとる。不安そうな顔でワイを見上げとる。
「お兄さん、泣いてるの?」
ワイ、慌てて涙を拭く。「ち、違うで。目にゴミが入っただけや」
女の子、にっこり笑う。「よかった。お兄さんが悲しそうだったから心配したの」
ワイ、どう反応していいか分からん。普段、子供と話すこともないし...
「あの...お兄さんは神様信じる?」女の子が突然聞いてくる。
ワイ、戸惑う。「神様...?ワイはもう信じへんわ。だって、こんなワイを作ったんやで」
女の子、首を傾げる。「でも、お兄さんがいるってことは、神様がお兄さんを大切に思ってるってことじゃない?」
ワイ、言葉を失う。こんな小さな子に、なんて返せばええんや...
「ワイは...発達障害なんや。普通に生きられへんのや」
女の子、真剣な顔でワイを見る。「普通って何?みんな違うよ。お兄さんも、きっと素敵なところがいっぱいあるはず」
ワイ、また涙が出てくる。こんな優しい言葉、久しぶりに聞いた気がする。
「お兄さん、一緒にお祈りしよ?」女の子が小さな手を差し出す。
ワイ、戸惑いながらもその手を取る。
「神様...」女の子が目を閉じて祈り始める。「お兄さんを幸せにしてあげてください。お兄さんが自分の良いところに気づけますように」
ワイ、またもや涙が止まらん。こんな小さな子が、ワイのために祈ってくれとる...
祈りが終わると、女の子は笑顔でワイを見上げる。「きっと大丈夫。神様は見守ってくれてるよ」
そう言うと、女の子は走って去っていった。ワイ、呆然と立ち尽くす。
なんやったんやろ、今の...幻か?いや、確かに実在した女の子や。でも、なんであんな天使みたいな子がワイに...
ワイ、ゆっくりと歩き出す。なんか、さっきまでとは違う気分や。
家に帰ると、久しぶりに風呂に入る。鏡を見ると、憔悴しきった自分の顔が映っとる。でも、なんか少し違う。目に光があるような...
パソコンの前に座って、なんJを開く。例のスレッドをもう一度見る。
ワイ、書き込もうとして、少し躊躇う。でも、勇気を出して書き込む。
1000: 風吹けば名無し
「ワイも発達障害や。でも、今日ちょっと不思議な体験したわ。神様...いるのかもしれんで」
送信ボタンを押す。すぐにレスが付く。
1001: 風吹けば名無し
「お、ガイジが目覚めたか?」
1002: 風吹けば名無し
「神とか草」
1003: 風吹けば名無し
「ガイジは黙っとれや」
ワイ、苦笑い。こんなもんやな。でも、なんか今日は気にならん。
スマホを手に取って、検索する。「発達障害 支援」
いくつかの支援センターが出てくる。ワイ、深呼吸して電話番号を押す。
「もしもし、○○発達障害支援センターです」
ワイ、声が震える。「あの...ワイ、発達障害なんですけど...相談したいことが...」
「はい、どうぞゆっくりお話しください」優しい声が返ってくる。
ワイ、涙を堪えながら話し始める。自分の状況、悩み、今日あったこと...全部話す。
電話口の人は、最後まで静かに聞いてくれた。
「辛かったですね。でも、一歩踏み出せて素晴らしいです。一緒に頑張りましょう」
ワイ、なんか胸が熱くなる。
電話を切って、窓の外を見る。夕日が沈もうとしている。なんか、綺麗や...
ワイ、つぶやく。「神様...ホンマにおるんかな...」
返事はない。でも、なんかそれでええ気がする。
明日、支援センターに行ってみよう。ワイにも、まだ可能性があるのかもしれん。
神様なんておらんのかもしれん。でも、今のワイには、生きていく勇気がある。
それだけで、十分なんかもしれん。
ワイ、久しぶりに布団に入る。明日が楽しみや...そんな気持ちで、ゆっくりと目を閉じる。
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