ワイはチー牛や。そう、あのメガネかけてて、髪型はマッシュルームカットで、服はユニクロとGUしか着ん、そんなんがワイや。大学では情報工学科に所属しとって、毎日パソコンと睨めっこ。彼女どころか、女友達すらおらんかったんや。
ある日のこと、ワイは図書館で本を探しとった。プログラミングの本やと思って手に取ったんやが、なんか違和感があって。よく見たら「村上春樹」っちゅう作家の本やったんや。「風の歌を聴け」っちゅうタイトルやった。
「なんやこれ、小説かいな」と思いつつも、なんとなく借りて帰ったんや。その夜、暇つぶしに読み始めたんやが…これが予想外にハマってもうた。
村上春樹の文章って、なんていうか…クールでかっこええんや。主人公も、ワイみたいなぼっちなんやけど、なんかワイよりずっと魅力的に見えるんよ。
それからというもの、ワイは村上春樹の本を片っ端から読み漁るようになったんや。「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」「1Q84」…次から次へと読んでいったわ。
そしたらどうや、ワイの中で何かが変わり始めたんや。
まず、髪型変えたんや。マッシュルームカットやめて、ちょいワイルドな感じにしてみた。服も、ユニクロやGUやなくて、古着屋で探すようになったんや。
話し方も変わってきた。「っす」とか「まじっすか」みたいな言葉は使わんくなって、もうちょい大人な感じの言葉を使うようになったんや。
そしたら驚いたことに、周りの反応が変わってきたんや。
授業中、隣の席のマッマに「なんか雰囲気変わった?かっこよくなった」って言われてもうた。ワイ、舞い上がってまうかと思ったで。
図書館で本借りとる時も、カウンターのお姉さんと目が合うようになって、ちょっとした会話するようになったんや。
そんなある日のこと。
「あの…キミ、村上春樹の本よく借りてるよね」
「え?あ、はい…好きなんです」
「私も大好きなの!どの作品が一番好き?」
まさかのタイミングで話しかけられて、ワイ焦ったんやが、なんとか「海辺のカフカ」って答えたんや。そしたらお姉さん、目をキラキラさせて「私も!」って。
そこからワイら、村上春樹の話で盛り上がってもうて。気づいたら連絡先交換しとったんや。ワイ、夢見とるんかと思ったで。
そんなこんなで、ワイのキャンパスライフは一変してもうたんや。
村上春樹の話をきっかけに、文学サークルにも入ったんや。そこでも、いろんな子と仲良くなれた。「チー牛のクセに、意外と物知りやんけ」って言われて、ちょっと複雑な気分やったけど、でも嬉しかったんや。
授業中も、村上春樹から学んだ言葉で発言するようになったんや。そしたら先生にも目をかけてもらえるようになって、成績もちょっとずつ上がってきたんや。
でもな、一番の変化は「自信」がついたことやったんや。
昔のワイやったら、女の子に話しかけられても、ドギマギして何も言えへんかったと思う。でも今は違う。村上春樹の小説に出てくる主人公のように、クールに対応できるようになったんや。
「ねえ、今度の週末、一緒にカフェ行かへん?」なんて誘われても、動揺せずに「ああ、いいね。行こう」って返せるようになったんや。
そんでもって、驚くべきことに、ワイにも彼女ができたんや。図書館のお姉さんやったんやけどな。
「キミって、最初は典型的なオタクだと思ってたんだけど、話してみるとすごく面白いのね」って言われて、ワイ、天にも昇る心地やったで。
ほんで、付き合い始めてからしばらくして、彼女が言うたんや。
「ねえ、あなたって村上春樹の主人公みたいだよね。ちょっと孤独で、でも魅力的」
ワイ、その言葉聞いて、ちょっと複雑な気分になったんや。だって、ワイはただ村上春樹の真似をしとっただけやから。本当のワイはどこにおるんやろって。
でもな、よく考えたら、村上春樹の本を読んで変わろうと思ったんも、ワイ自身の選択やったんや。その過程で見つけた新しい自分も、きっと本物のワイなんやろうって思えてきたんや。
今じゃワイ、チー牛やないって胸を張って言えるで。村上春樹のおかげで、ワイは「ワイ」になれたんや。
そやから、なんJ民のみんなも諦めんといてな。ワイみたいなチー牛でも、ちょっとしたきっかけで変われるんや。お前らの「村上春樹」は何や?それを見つけて、どんどん変わっていってクレメンス。
ワイの話はこれで終わりや。じゃあな、ワイは彼女とデートやで。今日は「ダンス・ダンス・ダンス」について語り合うんや。
```
コメント