そう、ワイこそがアルファオス。このアプリで弱きオスどもを狩り、メスを支配する存在や。
ワイのプロフィールには、イケメンの写真と「年収2000万、医者です」の文字。もちろん、全部嘘や。でも、メスどもはこれに群がってくる。アホちゃうか?
「おっ、また新しいマッチや」
ワイは薄ら笑いを浮かべた。今日の獲物は...20代後半のOLか。ふふ、ええ獲物やで。
メッセージを送る。「はじめまして。お会いできて嬉しいです。一緒にお茶でもどうですか?」
返信はすぐに来た。「はい、ぜひ♡」
ほんま、バカみたいに簡単や。こいつらは自分が罠にハマっとることにも気づかへんのや。
待ち合わせ場所は、いつもの喫茶店。ワイは30分くらい遅れて現れる。それも計算のうちや。
「あ、すみません。仕事が長引いて...」
相手の女は、ニコニコしながら「大丈夫です!お仕事、お疲れ様でした♡」
ワイは内心で嘲笑した。こいつ、ホンマにバカやな。
会話が進む。ワイは、用意していた嘘の話をペラペラとする。相手は、ワイの話に聞き入っとる。
「じゃあ、この後どうします?」
ワイが切り出すと、相手は少し赤面しながら「お酒でも...」
ビンゴや。ワイの目的達成まであと少し。
ワイらは近くのバーに移動した。ワイは、相手の飲み物に秘薬を入れる。これで、こいつはワイのモノや。
...
次の日、ワイはまたアプリを開く。昨日の獲物のことなんて、もう忘れとる。
「次は誰にしよっかな〜」
ワイは画面をスクロールする。そのとき、見覚えのあるアイコンが目に入った。
「ファッ!?」
それは、昨日ワイが狩った女のアイコンや。でも、なんか様子がおかしい。
プロフィールを開くと、そこには恐ろしい文章が。
「昨日、私を騙した男性へ。あなたの正体、全部バレてますよ。警察にも通報済みです。逃げられると思わないことね♡」
ワイの背筋が凍った。なんで...なんでバレたんや...
そのとき、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「こちら警察です。開けてください」
ワイは震える手でスマホを握りしめた。画面には、昨日の女からのメッセージが届いていた。
「さあ、狩りの時間よ♡」
ワイは、初めて恐怖を知った。アルファオスだと思っていた自分が、実は最初から獲物だったなんて...
部屋に警官が入ってくる音が聞こえる。ワイの狩りの日々は、ここで終わりを告げるんや。
...
翌日のニュース。
「マッチングアプリを使った連続詐欺事件の容疑者、逮捕される」
画面に映し出されたのは、ボロボロになったワイの姿やった。
ワイは檻の中で震えていた。外では、たくさんの被害者たちがワイを指差して笑っている。その中に、昨日の女の姿もあった。
彼女は、ワイに向かって口の形で言った。
「アルファメス、参上♡」
ワイは、自分がずっと騙されていたことを悟った。マッチングアプリは、確かにアルファオスの狩場やった。でも、ワイはアルファやなかったんや。
最後の最後まで、ワイは獲物やったんや。
...fin...
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