ワイは、32歳の童貞なんJ民や。毎日2chを巡回して、リア充を叩くのが日課やった。「まんこは糞」「リア充爆発しろ」が口癖で、女なんて大嫌いやと思っとった。
ある日、ワイはいつものようにコンビニでストロング缶を買うてた。レジに並んどると、前におる女の子が財布を落としたんや。
「あっ」
ワイは咄嗟に拾って、「これ、落としましたよ」って声かけたんや。
「あ、ありがとうございます!」
その女の子は、クソ可愛かった。ワイは思わずドキッとしてもうた。
「あの...お礼に何か奢らせてください!」
ワイは焦った。こんな展開、想定外やったんや。でも、なんか断るのもアレやし...
「あ、いや、大丈夫っす...」
「いいえ、どうしても!」
結近くのファミレスでコーヒーをご馳走になることになってもうた。
女の子の名前は美咲っちゅうんやった。話してみると、めっちゃ優しくて、ワイの話もちゃんと聞いてくれる子やった。
「ねえ、さっきは本当にありがとう。優しい人なんだね」
ワイは顔が真っ赤になった。こんなん言われたの初めてやったから。
「い、いや...当たり前のことしただけっすよ...」
美咲は笑った。「でも、当たり前のことができる人って、案外少ないんだよ」
ワイは、なんか胸がキュッとなった。
それから、LINEを交換して、たまに連絡を取り合うようになったんや。美咲は、ワイの趣味のアニメの話とか、真剣に聞いてくれた。「へえー、そんな深い意味があるんだ!」って感心してくれたりして。
でも、ワイの中で葛藤があったんや。今まで「まんこは糞」って思っとったのに、美咲はめっちゃええ子やった。なんでや?
ある日、美咲から「今度の休み、一緒に映画見に行かへん?」って誘われたんや。ワイは迷った。行きたい気持ちはあるけど、怖かったんや。
結局、ワイは「ごめん、用事あるわ」ってウソついてしもうた。
その夜、ワイは5chに書き込んだ。
「女が嫌いなんじゃない。心のブサイクが嫌いなんや」
そしたら、めっちゃレスがついたんや。
「お前が心のブサイクやろ」
「女嫌いのくせに何言っとんねん」
「童貞のくせに偉そうや」
ワイは、そのレスを見て気づいたんや。自分が心のブサイクやったってことに。
次の日、ワイは勇気を出して美咲に連絡した。
「やっぱり、映画行きたいです」
美咲は「うん、待ってた!」って返事をくれたんや。
映画館で隣に座った美咲は、めっちゃいい匂いがした。ワイは、ドキドキが止まらへんかった。
映画の途中、美咲がワイの手を握ってきたんや。ワイは、もう天国にいるみたいやった。
映画が終わって、外に出たとき、美咲が言ったんや。
「ねえ、私ね、初めて会ったときから、あなたのこと好きだったの」
ワイは驚いた。「え?でも、ワイなんて...」
美咲は首を振った。「あなたは優しくて、面白くて、ちゃんと人の話を聞いてくれる。そういうところが好きなの」
ワイは、涙が出そうになった。今まで自分のことをブサイクやと思い込んで、人を避けてきたのに、こんなに自分のことを好きになってくれる人がおったんや。
「ワイも...好きです」
ワイは、初めて自分の気持ちを素直に伝えられた。
美咲は笑顔で、ワイを抱きしめてくれたんや。
その日から、ワイの人生は変わった。もう2chで人を叩くことはなくなった。だって、叩く暇があったら、美咲と話した方が楽しいもん。
ワイは気づいたんや。女が嫌いなんやなくて、自分の心のブサイクさが嫌いやったんや。でも、それを直視して、変われば、ちゃんと幸せになれるんやって。
今じゃワイ、美咲と付き合って3ヶ月。まだ童貞やけど、焦らへん。美咲が「急がなくていいよ」って言ってくれてるから。
ワイは今、毎日幸せや。美咲と手を繋いで歩くのが、一番の楽しみなんや。
そして、たまに5chを見ると、昔の自分みたいな書き込みを見つける。そんな時は、こっそりレスするんや。
「女が嫌いなんやない。心のブサイクが嫌いなんや。でも大丈夫、変われるで」
ワイはもう、心のブサイクやないんや。美咲が、ワイの心を美しくしてくれたんや。
これからも、もっと優しい人間になりたい。美咲のためにも、自分のためにも。
そう思いながら、今日もワイは美咲とデートの約束をするんや。
童貞やけど、もう心は満たされとるんや。
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