ワイ、就活4年目のニートやったんや。もう何百社落ちたか数えるのも諦めてもうた。

そんなある日、ワイの部屋に「就活」が現れたんや。

「よう、ワイ。オレ、就活や。よろしくな」

ワイ、最初は幻覚かと思たんや。だって、「就活」なんて抽象的な概念が、人型になって現れるなんてありえへんやろ?

でも、この「就活」というやつ、めっちゃリアルなんや。スーツ着て、リクルートバッグ持って、髪はバッチリ七三分け。

ワイ「お前...ホンマに就活なんか?」
就活「せやで。お前の頭の中におったけど、このままじゃアカンと思って、具現化したんや」

ワイ、もうわけわからんくなって、とりあえずコーラ出してもうた。

就活「サンキューな。実はな、ワイ、お前のこと心配しとってんや」
ワイ「えっ?就活が、ワイのこと心配?」
就活「せや。だってお前、ワイのこと嫌いすぎやろ。そんなんじゃうまくいかへんで」

そう言われて、ワイ、ハッとしたわ。確かに、今まで就活のこと、鬼のように嫌っとったもんな。

就活「これからは、ワイと友達になろうや。そしたら、もっと楽になるで」

なんか、こいつの言うこと、めっちゃ説得力あるんや。

そんで、ワイと就活の奇妙な共同生活が始まったんや。

朝起きたら、就活がエントリーシート書くの手伝ってくれんねん。

就活「お前の長所は、こうやって書くんやで」
ワイ「へー、そうなんか。ワイにそんな長所あったんや」
就活「当たり前や。お前のことなら、ワイが一番よう知っとるで」

説明会にも一緒に行くんや。

就活「ここ、メモしとき。たぶん面接で聞かれるで」
ワイ「さすが就活! よう知っとるなぁ」
就活「そら、ワイの仕事やからな」

面接の練習もしてくれんねん。

就活「はい、じゃあワイが面接官するで。志望動機は?」
ワイ「えーと...」
就活「緊張すんな。ワイはお前の味方やで」

就活と友達になってから、なんかめっちゃ楽しくなってきたんや。就活が怖いもんやと思とったけど、こうして一緒におったら、なんかワクワクしてくるんや。

ある日の面接。人事部長らしき人が、ワイにこう訊いてきよった。

「君、なんだか楽しそうだね。就活って大変なのに」

ワイ「実は、就活と友達になったんです」

人事部長「へぇ、面白い表現だね。就活を楽しめる人って、うちでも欲しかったんだよ」

そんで、その場で内定もろてもうたんや。

それからというもの、ワイの就活生活が激変したんや。

エントリーシートには「私の特技は、就活と仲良くなることです」って書いたら、「ユニークな発想ですね」って評価されたわ。

グループディスカッションでは、「就活って、実は楽しいよね」って言い出したら、みんながめっちゃ共感してくれてん。

内定式、ワイはもちろん就活と一緒に行ったで。周りの人には見えへんみたいやけど、ワイには見えるんや。就活が隣で「よっしゃ!やったな!」って喜んでくれとるのが。

今じゃ、ワイの机の上には、就活をイメージしたぬいぐるみが鎮座しとるんや。毎日それ見ながら、ワイは思うんや。就活も人生も、結局は友達やなって。

新入社員向けに「就活と仲良くなろう講座」ってのも始めてん。「就活を敵と思わず、友達と思おう」がテーマやで。

世の中には、いろんな就活があるんや。厳しい就活、優しい就活、面白い就活...。でも、どんな就活でも、友達になれば怖くないんや。

ワイはこれからも、就活と一緒に人生を歩んでいくで。それが、ワイの生き方なんや。

そして、いつかワイは夢見とんねん。みんなが就活と仲良くなれる世の中をな...。

ほな、ワイは今日も元気に出社や。今日は新入社員と「就活との思い出話」する日やで。みんなで就活との友情を語り合うんや。

人生、友達おったもん勝ちや!それが人間でも、概念でもな!じゃあな!

...

そんで、ワイが会社から帰ってきたら、就活が待っとってん。

就活「おかえり!今日はどうやった?」
ワイ「おう、ただいま!今日も楽しかったで!」
就活「そらよかった!ほな、今日は何して遊ぶ?」
ワイ「せやな...エントリーシート書く練習でもするか?」
就活「おう!今日は履歴書アート作ろうや!」

こうして、ワイと就活の楽しい日々は続くのであった。めでたしめでたし。

...っちゅうか、ワイ、もしかして頭おかしなってもうたんかな?まぁええか。楽しいし。

人生、狂ってもええから楽しんだもん勝ちや!じゃあな!


201ターンワールド2

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