ワイ、就活生やったんやけど、ある日突然「終活」を始めてもうた。どういうことかって?ワイにもよーわからんのや。

ある朝起きたら、なんかワイの中の「就活」が「終活」に変わっとったんや。エントリーシートを書こうと思たら、遺言状になってもうてん。リクルートスーツ着ようと思たら、どこからか白装束が出てきよったし。

最初はビビったで。だって22歳やで、ワイ。終活て言うたら、爺さん婆さんがするもんやろ?って思とったんや。

でも、不思議なことに、周りの奴らは誰も気づかへんのや。説明会行っても、みんな普通に接してくる。ワイだけが、なんかおかしなことになっとるんや。

そんなある日、ワイの親友のタナカに相談してみたんや。

ワイ「なぁ、ワイ、なんか終活始めてもうたみたいなんやけど...」
タナカ「終活?お前22やろ。早すぎやない?」
ワイ「せやねん。でも、なんかそうなってもうてん」
タナカ「...まぁ、人生何があるかわからんしな。応援したるで!」

そんで、タナカが励ましてくれるようになってん。そしたら、なんかめっちゃ楽しくなってきたんや。

例えば、エントリーシート。ワイが「趣味は墓石選び」って書いても、タナカは「お前、個性的やな!」って褒めてくれるんや。

説明会では、ワイが「御社で働けるのは、来世になりそうです」って言うても、タナカは「そうそう、長期的視野が大事や!」って真顔でうなずいてくれるし。

グループディスカッションでは、ワイが「天国でのキャリアプランについて話し合いませんか?」って提案しても、タナカは「お前、スケールでかいな!」って感心してくれんねん。

面接練習のときなんか最高やったで。

面接官役のタナカ「志望動機は?」
ワイ「御社の社葬制度に惹かれました」
タナカ「おお!福利厚生まで見とるんか。えらいぞ!」

タナカのおかげで、ワイの終活モードの就活が、なんかめっちゃ楽しなってきたんや。

ある日の面接。人事部長らしき人が、ワイにこう訊いてきよった。

「君、なんで終活みたいな就活してるの?」

ワイ、ビビって「えっ?」って聞き返してもうた。周りの人には見えへんと思とったのに。

人事部長「君の履歴書、全部終活みたいな内容やったよね。でも、不思議と心に響くんだ」

ワイ「実は、ワイにもよーわからんのです。ある日突然、就活が終活になってもうて...」

人事部長、しばらく黙っとったんやけど、急に笑い出してん。

「面白い! 君、うちに来なさい!」

なんと、その場で内定もろてもうたんや。

「君みたいに、人生を大局的に見られる人材が欲しかったんだ」だってさ。

それからというもの、ワイの就活...いや、終活か?がうまくいき始めたんや。

面接では「私の人生のKPIは、どれだけ多くの人に笑顔で見送られるかです」とか言うたら、「素晴らしい!」って絶賛されたで。

エントリーシートには「私の特技は、生きてる間に悔いを残さないことです」って書いたら、「素敵な価値観ですね」って評価されたわ。

内定式、ワイはもちろん白装束で行ったで。社長が「君の存在が、我が社に新しい風を吹き込んでくれる」って言うてくれたわ。

今じゃ、ワイの机の上には、骸骨のぬいぐるみが鎮座しとるんや。「メメント・モリ」...「死を忘れるな」の象徴やで。毎日それ見ながら、ワイは思うんや。就活も人生も、結局は「どう生きるか」って話なんやなって。

タナカには、今でも感謝しとるで。あいつが励ましてくれたおかげで、変なことになりかけたワイの就活人生が、なんか意味のあるもんになったんや。

今度は新入社員向けに「終活的就活のすすめ」って講座するんや。「人生の終わりを見据えて、今をどう生きるか」がテーマやで。

世の中には、いろんな就活があるんや。普通の就活、ぶっ飛んだ就活、終活みたいな就活...。正解なんてないんやで。自分らしい就活見つけられたら、それでええんや。

ワイはこれからも、終活的発想で仕事していくで。それが、ワイの就職であり、人生なんや。

そして、いつかワイは夢見とんねん。みんなが自分の人生に真剣に向き合える世の中をな...。

ほな、ワイは今日も元気に出社や。今日は「100年後の自分へ手紙を書こう」ってワークショップの日やで。みんなで未来の自分に語りかけるんや。

人生、最後まで楽しんだもん勝ちや!じゃあな!


201ターンワールド2

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