ワイ、23歳。典型的なチー牛や。黒縁メガネにやや前髪長めのヘアスタイル、服はユニクロとGUのコンボ。そんなワイが、奇跡的に就活に成功してしもた。
「ファッ!? マジで内定もろたんか?」
親友(とは言ってもオンラインゲームの仲間)の竜也が驚いとる。
「せやで。なんかよくわからんけど、『君の論理的思考力が素晴らしい』とか言われてな」
ワイも半信半疑や。だって、面接中はずっと震えとったんやで?
「よかったやん! これでお前もリア充の仲間入りや!」
竜也が喜んでくれる。でも、ワイには実感がわかん。
そんなこんなで、ワイは某大手IT企業に入社することになったんや。
入社式の日、ワイは緊張しながら会場に向かう。
「やっぱワイみたいなチー牛、場違いなんちゃうか...」
そう思いながら会場に入ると、驚きの光景が。
「なんやこれ...みんなチー牛やんけ!」
そう、会場にはワイと同じようなチー牛が溢れとったんや。黒縁メガネ、パッとしない髪型、どこか自信なさげな表情...まるでワイのコピーや。
「ここ、チー牛の楽園か?」
ワイは少し安心する。
入社後、ワイの人生は劇的に変わり始める。
まず、給料がエグい。ワイみたいなポンコツが、こんな貰っていいんかってくらい。
「竜也、聞いてくれや。ワイ、高級寿司食べに行ったんや」
「マ? お前、カッパ寿司以外初めてちゃうんか?」
「せや...。でも、うまかったで」
次に、周りの評価が変わってきた。
「鈴木くん、この企画素晴らしいね」
上司にそう言われた時は、耳を疑ったで。
「ワイが...褒められた...?」
そして、決定的な変化が訪れる。
ある日、出勤途中の電車で、ワイは見知らぬ美女に話しかけられたんや。
「あの、同じ会社ですよね?」
「えっ? あ、はい...」
ワイ、動揺して言葉も出えへん。
「私、昨日入社した田中です。よろしくお願いします」
「あ、はい...鈴木です...」
こうして、ワイと田中さんは仲良くなっていった。
そればっかりやない。なぜか急に、女性からのアプローチが増えてきたんや。
合コンに誘われたり、「鈴木さん、今度飲みに行きませんか?」なんて言われたり。
ワイ、混乱する。
「なんでや...ワイ、チー牛やで?」
竜也に相談すると、
「お前、モテキやん!」
と言われた。
モテキ...ワイにそんな時期が来るなんて。
でも、なんかモヤモヤする。
「これでええんか?」
ワイは鏡を見ながら呟く。
確かに、人生は劇的に変わった。でも、ワイは変わってへん。相変わらずチー牛や。
「みんな、ワイの中身見てくれとるんか?」
疑問は膨らむ一方や。
ある日、田中さんと飲みに行った時のこと。
「鈴木さんって、実はすごくカッコいいですよね」
田中さんがそう言う。
「えっ? ワイが?」
ワイは思わず噴き出しそうになる。
「うん。仕事ができて、頭良くて、優しくて...」
ワイ、困惑する。
「でも、ワイってチー牛やで?」
田中さん、首をかしげる。
「チー牛って何ですか?」
その瞬間、ワイは気づいた。
チー牛なんて、ワイが勝手に自分にレッテル貼っとただけやったんや。
「田中さん、ありがとう」
ワイは心からそう言った。
その夜、ワイは決意した。
「よし、明日からチー牛卒業や!」
次の日、ワイは美容院に行って髪型を変え、服も新調した。
会社に行くと、みんなビックリ。
「鈴木くん、イメチェン? カッコいい!」
同僚が声をかけてくる。
ワイは自信を持って答える。
「ありがとう。ちょっと気分転換してみたんや」
そう、ワイは気づいたんや。
チー牛は見た目やない、心の問題なんや。
就活成功でモテ期が来た。でも、それはきっかけに過ぎへん。
大事なんは、自分を信じること。自分を好きになること。
ワイは今、本当の意味で人生の春を迎えとるんやな。
「田中さん、今度デートせえへん?」
ワイは勇気を出して誘ってみた。
田中さんは笑顔で答える。
「はい、喜んで!」
チー牛からの卒業。
これが、ワイの新しい人生の始まりや。
モテ期やなんて言うとるけど、結局のところ、ワイ自身が変わったんや。
自信を持って生きていく。それだけで、世界はこんなに変わるんやな。
ワイの就活成功からモテ期、そして自分との和解。
これこそが、ワイの本当の成功物語なんや。
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