ワイ、30歳童貞。もう取り返しがつかんレベルや思てマッチングアプリに手を出してもうた。
プロフィールはこんな感じ。
「趣味:読書、散歩」
「好きな食べ物:カレー」
「休日の過ごし方:のんびり」
嘘やないけど、ドン引きされへんように無難に書いたんや。写真も、10回に1回くらい奇跡的にええ感じに撮れたやつを使っとる。
そんなワイのところに、ある日マッチングの通知が。
「おっ、ついに来たか!」
興奮しながらプロフィールを見てみると...
「はぁ!?」
どう見ても俵万智やないかい!
名前は「まち」、年齢は48歳。写真は間違いなく俵万智や。
「こんなん絶対詐欺やろ...」
でも、ワイの心の中で小さな声が囁く。「でもなぁ...もし本物やったら?」
ワイは意を決して、メッセージを送ってみた。
「はじめまして。マッチングありがとうございます。」
すると、すぐに返信が。
「初めまして。マッチングうれしいです。」
短い文やのに、なんか韻を踏んどる気がする...
ワイは恐る恐る聞いてみた。
「失礼ですが、お写真の方にそっくりなので...もしかして俵万智さんですか?」
しばらく待つと、返事が来た。
「ふふ、バレてしまいましたか。はい、本人です。」
ファッ!?マジで俵万智なんか!?
ワイの頭の中はパニック状態や。でも、せっかくのチャンスや。
「実は大ファンでして...よければお会いできませんか?」
しばらくして返事が。
「わかりました。明日、上野の森美術館の前で2時に会いませんか?」
ワイ、舞い上がる。「はい!ぜひお願いします!」
次の日、ワイは1時間前から美術館の前をウロウロ。
そして、約束の2時。
遠くから歩いてくる人影が見える。めっちゃ緊張してきた。
近づいてくるにつれ、ワイの動揺は頂点に。
「や、やっぱり本物や...」
間違いない。目の前にいるのは俵万智その人や。
「お待たせしました。まちです。」
ワイ、震える声で返す。「は、はじめまして...」
「どこかでお茶でもしませんか?」
俵さんに誘われるがまま、近くのカフェに入る。
「実は、私もマッチングアプリは初めてなんです。」俵さんが切り出す。
「えっ、そうなんですか?」
「はい。最近、新しい短歌の題材を探していて...」
ワイ、「なるほど」と頷く。歌人の取材か。ちょっと残念。
「それで、アプリを始めたんです。でも、まさか本当にお会いする日が来るとは...」
俵さん、少し照れたような表情。
「俵さんのファンで、短歌も好きなんです。」ワイが言う。
「そうなんですか!嬉しいです。好きな歌はありますか?」
「はい。『サラダ記念日』の中で、『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」が好きです。」
俵さん、嬉しそうに微笑む。「ありがとうございます。実は、新しい歌集を考えているんです。」
「えっ、マジですか!?」
「はい。テーマは...」俵さん、少し恥ずかしそうに言う。「『マッチング記念日』です。」
ワイ、驚愕。「それって...」
「はい。今日のこの出会いも、歌にしたいと思っています。」
ワイの頭の中で、短歌が生まれる。
「マッチングの 写真詐欺かと 思いきや 本物だった 俵万智と」
思わず口に出してしまう。
俵さん、大笑い。「素敵な歌ですね!これは使わせていただきます!」
その後も、俵さんとワイは短歌を作りながら、楽しい時間を過ごした。
「アプリでの 出会いだけれど 美しき 言葉紡ぐ 時間となりぬ」
俵さんが詠んだ最後の歌。
別れ際、俵さんが言う。「また会えますか?」
ワイ、舞い上がりながら答える。「はい!ぜひ!」
家に帰り、ワイはベッドに倒れ込む。
「まさか俵万智とデートするなんて...」
人生何があるかわからん。ワイはそう思いながら、次の短歌を考え始めた。
「マッチング後 人生変わる デートから 俵万智と 歌を詠み合う」
ワイの新しい人生の幕開けや。マッチングアプリ、恐るべし。
そして、ワイは誓ったんや。この出会いを大切にして、いつか俵さんに「この人と結婚します」って言える男になるって。
人生、諦めたらアカン。ワイでも俵万智とデートできたんや。
これからは、毎日が「マッチング記念日」や。
……っていう夢を見たんや。マッチングアプリやりすぎて頭おかしーなったでホンマ
……っていう夢を見たんや。マッチングアプリやりすぎて頭おかしーなったでホンマ
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