ワイ、28歳にしてニート歴10年。毎日パソコンの前でなんJを見ながら、世界の終わりを待っとるんや。
「お前いつになったら働くんや!」マッマの怒鳴り声が聞こえる。
「うるせぇわボケ!社会が悪いんじゃボケ!」ワイも負けずに叫ぶ。
せやけど、心の中では自分がクソやと分かっとる。でもな、この腐った世の中で働く気なんか起きへんのや。
そんな日々を送っとるワイに、ある日、謎の着信が。
「もしもし、ワイです」
「お前、小説書けるんか?」見知らぬ声が聞こえる。
「ファッ!?誰や?」
「詳しいことは言えんが、お前の才能が必要なんや」
ワイ、困惑。小説?才能?なんやそれ。
「お前、なんJで小説書いとったやろ。あれ、めっちゃええやん」
「はぁ?あんなの遊びやで」
「いや、マジで才能あるで。今から家行くわ」
ワイ、パニック。家なんてボロボロやし、人様に見せられる状態やないで。
でも、10分後にはピンポーン。ドアを開けると、スーツを着た怪しいおっさんが立っとった。
「よろしく。ワイは日本政府極秘機関『ポリコレ・プロテクション』のエージェントや」
ファッ!?なんやそれ。
おっさんは説明を始める。
「今や、世界中でポリコレが猛威を振るっとる。でもな、日本にはニートという誇るべき文化がある。これを守らなアカンのや」
ワイ、意味不明。
「お前の小説の才能で、ニートを最大限に美化し、ポリコレの観点から正当化するんや。それが日本の未来を救う」
ワイ、混乱。でも、なんか面白そうや。
「で、どないすればええんや?」
おっさんはニヤリと笑う。
「まずは、お前自身のニート生活を小説にするんや。でも、ポリコレの観点から美化するんや」
ワイ、パソコンに向かう。キーボードを叩き始める。
『ワイは、社会的規範に囚われない自由な魂の持ち主。資本主義の奴隷となることを拒み、自らの意思で「働かない」という選択をした勇者や。』
おっさん、目を輝かせる。「ええやん!もっと書いてみい!」
ワイ、どんどん書く。
『ニートは、多様性を体現する存在。働くことを強要する社会の圧力に抗い、自らのアイデンティティを守り抜く。それは、まさに現代の抵抗者や。』
『彼らは、消費社会の歯車になることを拒否し、ミニマルな生活を実践する環境保護の先駆者。CO2排出量を抑え、持続可能な未来を作り出すんや。』
『ニートの存在は、社会に「働くこと」の意味を問い直させる。彼らは、無意識の社会批評家なんや。』
おっさん、狂喜乱舞。「素晴らしい!これや、これがワイらの求めとったもんや!」
ワイ、なんか調子に乗ってきた。どんどん書く。
『ニートは、精神的な豊かさを追求する現代の哲学者。物質主義に毒された世界で、真の幸福とは何かを探求し続けるんや。』
『彼らの姿は、働き過ぎで疲弊した人々に「休むこと」の大切さを教えてくれる。ニートは、現代社会に必要不可欠な存在なんや。』
おっさん、感動の涙。「これで、日本のニート文化を世界に誇れる!」
ワイ、なんかよう分からんけど、すごいもん書いてもうた気がする。
そんな時、マッマが部屋に入ってきた。
「お前、何しとんのや?」
「ワイ、日本の未来を守っとるんや」
「はぁ?」
おっさん、マッマに向かって深々と頭を下げる。
「奥様、あなたの息子は日本の誇るべき文化遺産を守る重要な仕事をしているんです」
マッマ、困惑。でも、なんかすごそう。
「ほ、ほんまかいな」
ワイ、急に自信が湧いてくる。
「せやで、マッマ。ワイ、これからもニートを続けるで。それが日本のためなんや」
マッマ、よく分からんけど納得した様子。
おっさんは満足げに言う。「これからも日本のニート文化を守るため、小説を書き続けてくれ」
ワイ、なんか分からんうちに大役を任されてもうた。
でも、これでニートを続けられるんやったら、ええか。
ワイの新しい人生、ポリコレでニートを守る小説家としての日々が、こうして始まったんや。
世界はどんどん狂っていく。でも、ワイはそんな世界を、キーボードを打つ音だけを BGM に、ポリコレな小説で守り続けるんや。
何が正しくて、何が間違っとるんか。もう誰にも分からへん。
ただ、ワイは書き続ける。ニートのため、日本のため、そして誰もわからへんけど、たぶん世界のために。
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