ワイ、33歳の反出生主義者や。生まれてきたことを後悔する日々を送っとるんやが、そんなワイがまさかの人生童貞なんや。

「はぁ...生まれてこなければ良かったわ...」

そう呟きながら、今日もなんJをウロウロしとるワイ。

「おっ?なんや、この恋愛スレ...」

ついつい開いてしまったんや。

「彼女できた報告スレ」

「くっそ...リア充爆発しろや...」

嫉妬に狂いそうになりながらも、ワイはスレを覗き続けるんや。

「ワイ、今日彼女とラブラブや!」

「ワイも彼女とデートや!」

「結婚したで!」

「子供できたわ!」

「はぁ!? 子供作るとか最悪やろ!」

ワイは思わず書き込んでしまったんや。

「なんやお前...反出生主義者か?」

「そうや!子供作るなんて最悪の行為や!」

「でもお前、童貞やろ?」

「ぐぬぬ...そ、そんなん関係ないわ!」

顔を真っ赤にしながら必死に反論するワイ。でも、なんJ民は容赦なかったんや。

「童貞が何言っとんねん」

「経験もないくせに偉そうやな」

「お前、モテへんからそんなこと言っとるだけやろ」

「違うわ!ワイは真剣に考えて反出生主義になったんや!」

必死に言い訳するワイやけど、誰も聞く耳を持たへんのや。

「はぁ...もういいわ...」

落ち込んだワイは、部屋に籠もることにしたんや。

そんなある日、ワイの人生に転機が訪れたんや。

「おい、お前いつまでニートしとるつもりや」

親父に怒鳴られて、ワイは仕方なく働き始めたんや。

「はぁ...生まれてこなければ働く必要もなかったのに...」

そう思いながら、コンビニでバイトを始めたワイ。

そこで、ワイは運命の出会いをしてしまったんや。

「あの...この商品どこにありますか?」

「はい、こちらにございます...って、か、可愛い...」

思わず見惚れてしまったワイ。相手の女の子も、なぜかワイのことをじっと見つめとるんや。

「あの...私、反出生主義なんですけど...」

「えっ!? ワイも反出生主義や!」

「え!? すごい偶然ですね!」

そこから二人は意気投合してしまったんや。

「ワイくんも子供は作らないつもりなんですか?」

「そうや!絶対に子供なんて作らへん!」

「私も同じです!結婚もしたくないし...」

「ワイもや!でも...」

ワイは思わず赤面してしまったんや。

「でも...デートくらいはしてみたいな...」

「え...私も...そう思ってました...」

こうして、反出生主義者同士のデートが始まったんや。

二人で映画を見たり、カフェでお茶したり...今まで経験したことのない幸せを、ワイは味わったんや。

「でも...こんな幸せを感じるのって、生まれてきたからやな...」

「そうですね...でも、だからこそ子供は作らない。この苦しみを次の世代に押し付けたくない」

「せやな...」

二人で語り合ううちに、ワイの中で何かが変わっていったんや。

「生まれてきたことは後悔してるけど...君に出会えてよかった」

「私も...ワイくんに出会えて本当によかった」

そして、ついにその日がやってきたんや。

「ワイくん...その...」

「う、うん...」

二人は顔を真っ赤にしながら、ベッドに向かったんや。

「あの...ワイ...実は...」

「ワイも...実は...」

「童貞なんです...」

「ワイも処女や...」

二人とも33歳にして初めての経験。でも、お互いを思いやりながら、ゆっくりと関係を深めていったんや。

「ワイくん...好き...」

「ワイも...好きや...」

こうして、反出生主義のワイくんは、33歳にして童貞を卒業したんや。

その後も、二人は子供を作らない約束を守りながら、幸せに暮らしていったんや。

「生まれてきたことは後悔してるけど...君と出会えてよかった」

「私も...ワイくんと出会えて本当によかった」

二人で寄り添いながら、そう呟くのであった。

おしまいや。


205エバーホワイト2

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