ワイこと山田太郎、大学3年生。なんJ民歴は5年のベテランや。リアルでは陰キャやけど、なんJではそこそこ煽りも効くし、たまにスレ立てもする有能J民や。

そんなワイの親友に、佐藤っちゅうやつがおるんや。こいつが最近、「彼女できた」言うて自慢しとってんけど、ワイにはなんかヤバイ匂いがするんよ。

「お前、その彼女ヤンデレちゃうか?」

ある日、ワイは思い切って聞いてみた。

「は?何言っとんねん。美咲ちゃんはめっちゃ優しいで!」

佐藤は目をキラキラさせながら言いよった。あかん、こいつ完全に盲目や。

そんなこんなで、ワイは佐藤の彼女・美咲ちゃんと対面することになったんや。

「あ、あの...佐藤くんのお友達...ですよね?」

美咲ちゃんは、か弱そうな声で話しかけてきた。確かに可愛いけど...なんか目つきが怖くね?

「あ、はい。山田です。佐藤とは高校からの付き合いで...」

「へぇ...そうなんですか...」

美咲ちゃんの目が一瞬冷たくなった気がしたんやけど、気のせいやろか。

その後、佐藤は美咲ちゃんのことばっか話すようになってもうた。ワイは正直、ドン引きやった。

「お前、あいつと会ってからなんか変やで」

「えっ?そうか?ワイは普通やと思うけど」

佐藤は首を傾げた。あかん、これはもう末期や。

ある日、ワイは衝撃的な光景を目撃してしまったんや。

美咲ちゃんが、佐藤の写真をめっちゃ撮っとるんよ。しかも、佐藤が気づいてへん時に。ストーカーかよ!

「佐藤...お前、マジでヤバイで...」

「何がヤバイねん。お前、美咲ちゃんのこと悪く言うんやったら許さへんで」

佐藤の目つきが変わった。ワイは思わず背筋が凍ったで。

そんな中、大学祭がやってきた。佐藤は美咲ちゃんと一緒に出店を出すらしい。

「山田も手伝ってや」

「えっ、ワイも?まあええけど...」

ワイは渋々了承した。正直、美咲ちゃんと一緒にいるんは怖いけど、佐藤のためやしな。

大学祭当日、ワイは驚愕した。美咲ちゃんの様子がおかしいんや。

「あの...佐藤くんに近づく女の子たち...邪魔ですよね?」

美咲ちゃんが、包丁を持ちながらニコニコ笑っとる。やべぇ...

「ち、ちょっと美咲ちゃん、そのナイフ...」

「あら、山田くん。これは調理用よ♪安心して♪」

その笑顔が怖すぎて、ワイは固まってもうた。

そんな時、佐藤が戻ってきた。

「おっ、美咲ちゃん。その包丁でなに切るん?」

「もちろん...邪魔者よ♪」

「はぁ?」

佐藤は困惑した顔をしとる。ようやく気づいたか...

その瞬間、美咲ちゃんが包丁を振り上げた。ヤバイ!

ワイは咄嗟に美咲ちゃんに飛びかかった。

「やめろーーー!」

包丁は宙を舞い、周りの客たちが悲鳴を上げた。

「な、何しとんねん!山田!」

佐藤がワイを掴んできた。

「お前こそ何しとんねん!あいつヤンデレやぞ!」

ワイは必死に叫んだ。

美咲ちゃんは地面に座り込んで泣き出した。

「ごめんなさい...私、佐藤くんのこと好きすぎて...」

周りは騒然となった。ワイは心の中でガッツポーズや。やったぜ。

その後、美咲ちゃんは病院に行くことになった。佐藤はショックを受けとったけど、ワイが必死に慰めた。

「まあ、ヤンデレに目をつけられたってことは、お前それだけモテるってことやで」

「お前...ありがとうな」

佐藤は涙ぐみながら言うた。

それから数ヶ月後、佐藤は新しい彼女ができたらしい。

「今度はちゃんとした子やで!」

佐藤は嬉しそうに報告してきた。

「ほんまか?ワイにも会わせてくれや」

「おう、ええで!」

そして、ワイは佐藤の新しい彼女・里美ちゃんと対面することになったんや。

「はじめまして、山田くん。佐藤くんからよく聞いてました♪」

里美ちゃんは爽やかに挨拶してきた。うん、なんか普通の子やな。

...と思ったら、里美ちゃんがワイの耳元で囁いた。

「ねぇ、山田くん。佐藤くんのこと、よろしくね♪もし何かあったら...ふふふ♪」

ワイは背筋が凍った。まさか...また...?

「佐藤ーーー!お前また同じ轍踏むんかーーー!」

ワイの絶叫が、キャンパスに響き渡ったのであった。

ワイは佐藤の恋愛を見守り続けることになってもうた。ヤンデレに囲まれる佐藤を救うのは、ワイしかおらんのや。

「ヤンデレって他人事だったらおもろいけど、身近で起こるとマジでしんどいわ...」

ワイはため息をつきながら、なんJに「ワイの友達がまたヤンデレ踏んだんやが」ってスレを立てたのであった。

こうして、ワイのヤンデレ退治の日々は続くのであった...完。


205エバーホワイト2

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