ワイ、今日も元気に起床。時計を見ると、午後3時。

「よっしゃ、朝や!」

そう思いながらベッドから這い出るワイ。名前は山田太郎、年齢は28歳。職業は立派なニート。

「さてと、今日も1日がんばるで!」

そう言いながら、ワイはパソコンの電源を入れる。画面に映るのは、見慣れた5chのスレッド。

「あれ?なんか様子がおかしいで」

スレッドのタイトルが、普段と違う。

「1日30時間ニートは睡眠時間を取れ」

「なんやこれ?1日30時間とかあるわけないやん」

そう思いながらも、ワイはスレッドを開く。

>>1 「ワイ、ついに1日30時間の秘密を発見したで!」
>>2 「は?お前頭おかC」
>>3 「それやったら、ワイも30時間ニートなりたいわ」
>>4 「証拠はあるんか?」
>>5 「ソースはワイや」

「なんやこれ...」

困惑するワイ。でも、なんとなく気になって読み進める。

>>10 「ワイが発見した秘密の方法や!まず、深夜0時になったら、時計を3時間戻すんや」
>>11 「それ、ただの時間泥棒やんけ!」
>>12 「いや、待て。面白くなってきたで」
>>13 「ほな、続き教えてクレメンス」

ワイ、なんだかんだ興味津々。

>>20 「そしたら、3時間分の時間が増えるやろ?その3時間で、壁をガンガン叩くんや」
>>21 「は?なんでや」
>>22 「そしたら、となりの家の住人が怒って出てくるやん?そいつをぶん殴って気絶させるんや」
>>23 「お前アカンやろ」
>>24 「でも、続き気になる」

ワイ、だんだん引き込まれていく。

>>30 「そいつが気絶してる間に、そいつの時計も3時間戻すんや。そしたら、ワイらの世界だけ、6時間分時間が増えるんや!」
>>31 「お前、それ犯罪やで」
>>32 「いや、待て。これ、もしかして...」
>>33 「なんや?」
>>34 「現実を歪める行為...つまり、現実改変...?」

ワイ、急に背筋が凍る。

「現実改変...?そんなんできるわけないやろ...」

そう思いながらも、ワイは部屋の時計を見る。そして、おもむろに3時間戻す。

「はぁ...なんでこんなアホなことしてるんやろ」

自己嫌悪に陥りながらも、ワイは壁を叩き始める。

「ドンドン!ドンドン!」

すると、驚いたことに、本当に隣の住人が怒鳴り込んできた!

「うるさい!いい加減にしろ!」

パニックに陥ったワイ、とっさに隣人を押し倒してしまう。

「うわっ!ごめん!大丈夫か!?」

隣人は頭を打って気絶してしまった。

「や、やべぇ...」

震える手で、隣人の時計も3時間戻す。

そのとたん、世界が歪み始めた。

「なっ...何が起こってるんや...」

部屋の景色が溶け始め、ワイの意識も遠のいていく。

気がつくと、ワイは見知らぬ場所にいた。

「ここは...どこや?」

周りを見渡すと、そこは巨大な歯車が無数に回る不思議な空間だった。

「お前がやったんやな」

突然、声が聞こえてきた。振り返ると、そこには巨大な目玉が浮かんでいる。

「わっ!お前誰や!」

「ワイは時の管理人や。お前、勝手に時間をいじりやがって」

ワイ、震える声で答える。

「ご、ごめんなさい...5chで見たスレッドを試してみただけで...」

「ハァ...5chか。あそこは現実を歪める力を持っとるからな。でも、お前みたいなアホがその力に触れるとロクなことにならんのや」

「じゃあ、ワイはどうなるんですか?」

「お前は罰として、1日30時間の世界で生きることになる」

「えっ!?」

驚くワイ。しかし、時の管理人は続ける。

「でもな、これはチャンスでもあるんやで。1日30時間あれば、今までできんかったことができるようになる。お前次第や」

そう言うと、時の管理人は消えてしまった。

気がつくと、ワイは自分の部屋に戻っていた。時計を見ると、午後3時。

「夢...だったんかな」

そう思いながらも、なんとなく体が軽い。

「よし、なんか勉強でもするか」

普段なら絶対に手を付けない参考書を開くワイ。すると、不思議なことに頭がよく働く。

「おっ、なんか理解できるで!」

気がつくと、6時間があっという間に過ぎていた。でも、全然眠くない。

「ほんまに1日30時間あるんか!?」

興奮するワイ。これまで無駄にしていた人生を取り戻せるチャンス。

それからというもの、ワイの生活は一変した。

勉強に励み、資格を取得。運動も始めて、健康的な体を手に入れた。読書や映画鑑賞で教養も身につけた。

「やればできるやん、ワイ!」

自信をつけたワイは、ついに就職活動を始める。

「えっ!?こんな優秀な方が応募してくださるなんて!」

面接官が驚くほどの好条件で、ワイは晴れて社会人デビュー。

「ワイ、やりました!」

喜びに沸くワイ。しかし...。

「おかしいな...なんか、体がしんどいわ...」

次第に、ワイの体に異変が起き始めた。

「ヤバイ...眠いのに、眠れへん...」

1日30時間を全て活動に費やしていたツケが回ってきたのだ。

「くそっ...時の管理人!出てこい!」

叫ぶワイ。すると、また世界が歪み、例の空間に戻ってきた。

「なんや?」

時の管理人が現れる。

「もう限界や!普通の生活に戻してくれ!」

「ほう...せっかくチャンスをやったのに、もう諦めるんか?」

「違うんや!ワイ、気づいたんや。1日30時間あっても、結局はワイ次第なんや。大切なんは時間の長さやなくて、その使い方なんや!」

時の管理人は、ニヤリと笑う。

「よう分かったな。それでこそワイの教え子や」

「えっ?教え子?」

「実はな、ワイはお前の未来の姿なんや。こうやって、過去の自分に気づきを与えるのが、ワイの仕事なんや」

驚くワイ。

「じゃあ、ワイはこれからどうなるんや?」

「さあな。それは、お前次第や」

そう言うと、時の管理人は消えてしまった。

目が覚めると、ワイは自分の部屋にいた。時計を見ると、午後3時。

「また元の生活か...」

がっかりするワイ。しかし、どこか体が軽い。

「でも、なんかワクワクするな」

ワイは、パソコンの電源を切り、外に出る。

「よし、まずは図書館行くか。それから、ジムにも寄るか」

1日24時間。でも、ワイにはそれで十分だった。

「Time is money言うけど、ほんまはTime is lifeなんやな」

ワイの人生は、これからが本番。睡眠時間はしっかり取りつつ、1日1日を大切に生きていく。

そんなワイの姿を、未来のワイこと時の管理人が、どこかで見守っているのだった。

「よっしゃ、これでワイの仕事も終わりや。さて、次は誰を導こうかな」

時の管理人は、また別の世界線へと旅立っていった。

こうして、ワイの奇妙で不思議な物語は幕を閉じた。
...か?

「あれ?なんかワイ、また5chに書き込んでもうたわ」

気がつけば、ワイはまた元の生活に戻っていた。
でも、何かが違う。

「なんか、やる気出てきたわ」

ワイは、おもむろに立ち上がる。

「よし、明日から本気出す!...の前に、もうちょい寝るか」

こうして、ワイの新しい1日が始まるのだった。