アルファオスは人間をやめるぐらい筋トレをする
ワイ、25歳ニート。人生終わってると思っとったんや。
彼女にフラれて、仕事もクビになって、マッマにも見放されて...もう終わりやと思っとった。
そんなある日のこと。2chでも見るかと開いたら、なんJに気になるスレが立っとった。
「アルファオスも筋トレで人生変えたんや」
なんやそれ?と思って開いてみたら、驚愕の内容やった。
「ワイ、筋トレで人生逆転や!今や年収1000万超えのアルファオスやで!」
最初は嘘やろ思たんやけど、スレ主の話を読んでいくうちに、これマジやんけ!って思えてきたんや。
スレ主曰く、アルファオスになるには「人間をやめるぐらいの筋トレ」が必要らしい。
「人間をやめる...?」
ワイ、それを見た瞬間、背筋がゾクっとしたんや。でも、同時にめっちゃ興奮してきた。
「これや!これがワイの人生を変えるかもしれん!」
その日から、ワイの筋トレ生活が始まったんや。
朝5時起き、プロテイン飲んで、ジョギング1時間。
帰ってきたらスクワット100回、腕立て100回、腹筋100回。
昼飯は鶏むね肉とブロッコリーのみ。
午後はジムこもって重量挙げ。
夜飯もプロテインとサラダだけ。
寝る前にまたスクワット100回。
「きつい...でも、これで人間やめられるんやろか...」
そんな生活を1ヶ月続けたんや。
すると、驚くべき変化が...!
「うおおお!?なんやこの体!?」
鏡を見たワイの体は、見違えるほど引き締まっとった。
腹筋は6パックどころか8パック。
胸筋はまるでコンクリート。
二の腕なんて、ゴリラやないかってぐらいや。
「これが...人間やめた姿か...!」
ワイ、興奮で体が震えた。
そんなワイを見たマッマ、驚いて目ん玉飛び出しそうやった。
「お前...誰や...」
「ワイや、マッマ。人間やめたワイや」
マッマ、気絶しそうになっとったわ。
そんなこんなで、ワイの筋トレ生活はどんどんエスカレートしていったんや。
朝のジョギングは、重りつけて山登りに変更。
スクワットは1000回。
ジムでの重量挙げは、「ワイより重いもんあるんか!」ってぐらいにまで成長。
体重計に乗ったら、「ERROR」って出るようになったで。
「ふふ...もはや人間の領域を超えてもうたんかもしれんな」
ある日のこと。近所のスーパーで買い物しとったら、突然強盗が入ってきたんや。
「金を出せ!」
店員さんビビっとるし、お客さんも逃げ惑っとる。
そんな中、ワイは落ち着いて強盗に近づいていったんや。
「あ?てめえなんだよ」
強盗がワイに銃を向けた瞬間...
「オラァ!」
ワイの右ストレート、防音壁をぶち破る音を立てて強盗の顔面に命中。
強盗、吹っ飛んで壁に叩きつけられたんや。
壁には人型の穴が空いとったわ。
「す、凄い...!あなた、人間なの!?」
店員さんが驚きの声を上げた。
「いいえ、ワイはもう人間やない。アルファオスや」
その日から、ワイは町の英雄として名を馳せるようになったんや。
「筋肉マン参上!」
「筋肉で悪を倒す正義の味方や!」
新聞にもテレビにも取り上げられて、ワイの人生は一変したんや。
企業から CMのオファーが殺到。
「我が社の製品は、筋肉マンも認めたで!」
「これを飲めば、あなたも筋肉マンに!?」
芸能界からもスカウトの声がかかって、バラエティ番組にも出演するようになったわ。
「筋肉マンさん、その体で苦労することありますか?」
「ありますよ。服が全然合わんのです。全部オーダーメイドや」
「へぇー!大変なんですね」
「あと、ドアが狭くて家に入れへんくなったんで、今は公園で寝てます」
視聴者爆笑や。
そんなこんなで、ワイの年収はどんどん上がっていって、ついに1000万を超えたんや。
「マッマ、見てみぃ。ワイ、人間やめて成功したで」
マッマ、複雑な顔しながらも、「よう頑張ったな」って言うてくれたわ。
ある日、ワイが公園でトレーニングしてたら、昔ワイをフッた元カノが通りかかったんや。
「え...誠一郎くん?あなた...なの?」
「ん?ああ、元カノか。久しぶりやな」
元カノ、ワイの体見てびっくりしとった。
「す、凄い体...ていうか、あなた有名人になってたのね...」
「ああ、まあな。人間やめたからな」
「そう...あの、よかったら今度...」
「悪いな。ワイにはもう人間の恋愛感情なんてないんや。筋トレしか愛せへんのや」
そう言って、ワイは淡々とトレーニングを再開した。
元カノ、なんか寂しそうな顔して帰っていったわ。
そんなこんなで、ワイの筋トレ生活はどんどんエスカレートしていったんや。
「もっと...もっと強くなるんや...!」
ジムのマシンじゃ物足りず、車を持ち上げるようになった。
道路工事の邪魔なブロック、素手で粉砕。
川の流れを腕の力で堰き止める。
もはや、人間の領域を完全に超えてしまったんや。
ある日、ワイは思いついたんや。
「せや!富士山でも持ち上げたろ!」
そう言って、本当に富士山に向かったんや。
「フンッ...!」
ワイが全身の力を振り絞ると...
「ぐおおおおお!!!」
なんと、富士山が少し、ほんの少しだけ持ち上がったんや!
「や、やった...!」
その瞬間、大地震が起きた。
「あかん...ワイ、なんてことを...」
慌てて富士山を元に戻したけど、もう遅かった。
日本中が大パニックに陥ったんや。
「筋肉マンの暴走や!」
「人類の脅威!」
「早く捕まえろ!」
ワイ、逃げるように山奥に隠れたんや。
「ワイ...やりすぎたんか...」
そんな時、ふと空を見上げると...
「ん...?あれは...」
なんと、UFOが現れたんや!
ワイびっくりして固まっとったら、UFOから光が降り注いできて...
「アースリング...お主の筋肉、素晴らしい」
なんと、宇宙人からのメッセージやった!
「我々の星は、筋肉を崇拝する星。お主のような強者を待っておった」
「えっ...ワイを...?」
「そうじゃ。我が星の王として迎えたい。どうじゃ?」
ワイ、少し考えて...
「...行くで」
そう答えたんや。
だって、もうこの星には戻れへんし、筋トレし放題の星なんて、最高やろ?
こうして、ワイは宇宙に旅立つことになったんや。
マッマには手紙を残しといた。
「マッマへ。
ワイ、宇宙行くで。筋トレの星の王になるんや。
心配せんでええで。ワイ、もう人間やないから。
でも、マッマのこと忘れへんで。
宇宙から、超筋肉パワーで見守っとるで。
じゃあな」
今じゃワイ、銀河系一の筋肉星の王様や。
毎日、惑星サイズのダンベル持ち上げて暮らしとるで。
人間なんてとうの昔に卒業したけど、たまに地球のこと思い出すわ。
「地球のみんな、元気にしとるかな...」
なんて考えながら、今日も惑星持ち上げるんや。
「フンッ...!」
おしまい。
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