ワイこと鈴木太郎、32歳。某IT企業でシステムエンジニアとして働いとるんやが、最近の世の中の風潮にちょっとついていけへんのや。ポリコレがどうのこうのと言われても、正直ピンと来いへん。

ある日、会社でこんな会話があったんや。

同僚A「ねえねえ、太郎くん。今度の社内イベントのポスター、バナナのイラスト使うのやめた方がいいんじゃない?」

ワイ「え?なんでやねん。バナナ可愛いやん」

同僚A「だってさ、バナナってちょっとアレでしょ?ポリコレ的にアウトかもよ」

ワイ「ファッ!?バナナがポリコレ違反?どういうことなんや...」

その日から、ワイはバナナとポリコレの関係について考え始めたんや。そして、ついにスマホを取り出し、なんJに書き込むことにした。

ワイ「なんJ民よ、バナナはポリコレ違反なんか?」

なんJ民1「草」

なんJ民2「バナナ食ってる場合やないで」

なんJ民3「ポリコレって何や?美味いんか?」

ワイ「いや、ポリコレは食べ物やないで。ポリティカル・コレクトネスの略や」

なんJ民4「へえ、ワイが珍しく賢いこと言うとるで」

ワイ「ワイだってたまには賢いんや!」

なんJ民5「で、バナナがなんやねん」

ワイ「バナナがポリコレ的にアウトかもしれんって言われたんや」

なんJ民6「バナナに人権とかあるんか?」

ワイ「いや、そうやなくて...なんか形がアレやからとか...」

なんJ民7「ファッ!?そんなんどうでもええやろ」

ワイ「せやろ?ワイもそう思うんや」

そんな中、突如としてニュースが飛び込んできた。

「バナナ産業、ポリコレ批判に反論。『バナナは全ての人のためのフルーツ』キャンペーン開始」

ワイ「ファッ!?」

なんJ民8「バナナ業界本気出してきたな」

なんJ民9「ポリコレVSバナナとか草」

ワイ「まさかバナナがポリコレと戦うとは...」

事態は急展開を見せる。バナナ業界は「バナナ・フォー・オール」というスローガンを掲げ、大規模なキャンペーンを展開し始めたんや。

テレビCMでは、様々な人種、性別、年齢の人々がバナナを美味しそうに食べる映像が流れる。そして、ナレーションが流れるんや。

「バナナは、誰もが平等に楽しめるフルーツです。形や色に惑わされず、その本質を見てください」

ワイ「なんやこれ...」

なんJ民10「バナナ業界の逆襲や」

なんJ民11「ポリコレに媚びずにまっすぐいくスタイル、好きやで」

ワイ「せやな...なんかカッコええわ」

バナナキャンペーンは瞬く間に世界中に広がっていった。SNSでは「#BananaForAll」というハッシュタグが大流行。みんながバナナを持って写真を撮り、投稿するようになったんや。

ワイも思わず近所のスーパーに駆け込み、バナナを買ってきた。

ワイ「よっしゃ、ワイも参加や!」

スマホでバナナを持った自撮りをして、なんJに投稿。

ワイ「ワイも #BananaForAll に参加したで!」

なんJ民12「うおおおお!ワイも買ってくる!」

なんJ民13「バナナ革命や!」

なんJ民14「ポリコレなんて知らんわ、バナナ最高!」

しかし、事態はさらに思わぬ方向に進展する。

ある日、国連でバナナについての緊急会議が開かれたんや。

国連事務総長「バナナは、世界平和の象徴となり得る存在です。その形状や色に関わらず、すべての人々に平等に栄養を与えてくれる。これこそが、我々が目指すべき世界の姿ではないでしょうか」

ワイ「ファッ!?国連までバナナの味方になったんか!」

なんJ民15「バナナ無双やんけ!」

なんJ民16「もはや敵なしや」

世界中の人々がバナナを再評価し始めた。バナナの生産量は急増し、価格は下がり、誰もが簡単に手に入れられるようになったんや。

そして、ついに歴史的な日がやってきた。

「世界バナナの日」の制定や。

ワイ「まさか、バナナに専用の日ができるとは...」

なんJ民17「バナナ、ガチで強すぎィ!」

なんJ民18「ポリコレ()とかいう雑魚www」

世界中の人々が、この日を祝うためにバナナを食べ、バナナにちなんだイベントを楽しむようになった。

ポリコレを気にする声は、いつの間にか消えていった。代わりに「バナナ的に正しいか?」という新しい価値観が生まれたんや。

ワイ「バナナ様々やな...」

なんJ民19「バナナこそ至高」

なんJ民20「もはや神や」

そんな中、ワイは会社でひっそりとバナナを食べながら、窓の外を見ていた。

街にはバナナのフラッグが翻り、人々はみんな笑顔でバナナを持ち歩いている。

ワイ「ポリコレもバナナには勝てなかったんやな...」

ふと、ワイは自分の手に持っているバナナを見つめた。その形、その色、その香り。すべてが完璧に思えた。

ワイ「でもな...これでええんかな...」

ワイは深く考え込んだ。バナナが世界を制した今、果たして本当の多様性は守られているのだろうか。

ワイ「なんJ民よ、我々はバナナに踊らされてはいないか?」

なんJ民21「おっ、ワイが珍しく哲学的なことを言い出したで」

なんJ民22「バナナの次は何が来るんやろな」

なんJ民23「まあ、とりあえずバナナ食うか」

ワイはため息をつきながら、バナナの皮をむいた。

「結局、世の中何が正しいんか分からへんな...」

そう呟きながら、ワイはバナナを一口かじった。

その瞬間、ワイの目に涙が浮かんだ。

ワイ「うまい...」

結局のところ、ポリコレもバナナも、すべては人間が作り出したものに過ぎない。でも、このバナナの美味しさだけは、紛れもない事実やった。

ワイ「なんやかんや言うても、バナナってええもんやな」

そう思いながら、ワイは残りのバナナを美味しく頬張ったのであった。

309バナナランド 233-144 02

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