「はぁ〜、最近の文壇つまらんわ」

ワイこと夏目漱石は、ため息をつきながらペンを置いた。

「なんやねん、この『ポリコレ』とかいうの。最近の若いモンは、これがないと作品書けへんのか?」

ワイは、最近の文学界の流行りにウンザリしとった。ポリティカル・コレクトネス、略してポリコレ。これがなきゃ作品として認められへんらしい。

「ワイの『吾輩は猫である』なんて、今やったら炎上必至やろなぁ」

ワイは、nostalgic(ノスタルジック)な気分になりながら、窓の外を眺めた。

そんな時や。

「おーい、漱石ぃ!」

ワイの親友、正岡子規が飛び込んできた。

「なんやねん、子規。そんな元気にしとったんか」

「あのな、すんげぇもん見つけたで!」

子規は、興奮気味にワイに近づいてきた。

「ほんま?なんや、それ」

「これや!」

子規が見せたのは、一枚のチラシ。

『バチェロレッテ・ジャパン 参加者募集中!』

「バチェロレッテ?なんやそれ」

「テレビ番組やで。1人の女性を巡って、複数の男性が争うねん」

「はぁ?なんやそれ。ただのお見合い番組やんけ」

ワイは、呆れた顔で子規を見た。

「いやいや、これがすごいんや!ポリコレ満載なんや!」

「はぁ?」

「女性がリードする恋愛や!男女平等!多様性!これぞ現代のポリコレってやつやで!」

子規の目は輝いていた。

「ふーん。で、ワイに何してほしいんや」

「これを題材に、小説書いてくれへんか?」

「はぁ!? ワイが!? バチェロレッテを!?」

ワイは、思わず椅子から転げ落ちそうになった。

「そうや!お前ならできる!これを文学にできるんや!」

子規は、まるで犬のように尻尾を振りそうな勢いやった。

「アカン。ワイには無理や。そんなもん書いても、文学界から笑われるわ」

ワイは、キッパリと断った。

「そうか・・・せっかく日本文学を変えるチャンスやったのに・・・」

子規は、肩を落として部屋を出て行った。

「はぁ・・・」

ワイは、再びため息をついた。

しかし、その夜・・・

「くそっ、寝られへん・・・」

ワイは、バチェロレッテのことが頭から離れへんかった。

「ちょっと見てみるか・・・」

好奇心に負けて、ワイはネットでバチェロレッテの動画を見始めた。

「なんやこれ・・・」

最初は呆れていたワイやが・・・

「おっ、この展開おもろいやん」
「ここの台詞、ええな」
「この人物の心理描写、深いわ」

気づけば、ワイはすっかりハマっていた。

「よっしゃ、これで行くで!」

ワイは、急に立ち上がると、机に向かった。

そして、ペンを走らせ始めた。

『バチェロレッテ文学 〜薔薇の間の君〜』

数日後・・・

「できたで!」

ワイは、完成した原稿を掲げた。

「おっ、ホンマに書いたんか!」

子規が驚いた顔でやってきた。

「ああ、読んでみてくれ」

子規は、eagerly(イーガリー)にページをめくり始めた。

「・・・・・・」

「どうや?」

「これは・・・すげぇ・・・」

子規は、目を丸くしていた。

「ワイも、書きながら気づいたんや。バチェロレッテって、実は深いテーマがあるんや」

「ほんまやな。女性の自己決定権、多様な恋愛観、社会の偏見・・・」

「そうそう。ワイは、それをストーリーに織り交ぜてみたんや」

「これは・・・間違いなく文学や!」

子規は、興奮して叫んだ。

そして、この作品は文学界に衝撃を与えた。

「なんやこれ・・・バチェロレッテを題材に、こんな深い作品が・・・」
「さすが夏目漱石や。ポップカルチャーを昇華させよった・・・」
「これぞ現代文学の最先端・・・!」

批評家たちは、口々に絶賛した。

その評判は、海外にも広がった。

「Japanese author turns reality TV into high literature!」
「Natsume Soseki: The pioneer of "Reality TV Literature"」

海外メディアも、ワイの作品を取り上げ始めた。

そして、ついに・・・

「夏目先生、ノーベル文学賞の選考委員会からお呼びです」

編集者が、興奮した様子で電話をかけてきた。

「えっ、ホンマか!?」

ワイは、驚きのあまり受話器を落としそうになった。

「はい!『バチェロレッテ文学』が、世界中で評価されているそうです!」

「まさか、あんなもので・・・」

ワイは、まだ信じられない様子やった。

そして、数ヶ月後・・・

「And the Nobel Prize in Literature goes to... Natsume Soseki, for his groundbreaking work in "Reality TV Literature"!」

会場は、大きな拍手に包まれた。

ワイは、恐る恐る壇上に上がった。

「Thank you... ありがとう...」

ワイは、涙ぐみながらスピーチを始めた。

「ワイはな、最初ポリコレとかバチェロレッテとか、そんなんどうでもええと思っとったんや。でも、実際に向き合ってみたら、そこに人間の本質があったんや」

会場は、静まり返って聞き入っていた。

「現代社会の縮図、人間の欲望と葛藤、そして愛のかたち。それらが、あの番組の中に詰まっとったんや」

ワイは、熱く語り続けた。

「文学ってのは、どんな題材でも深められるんや。大切なんは、その本質を見抜く目と、それを表現する力や」

スピーチが終わると、会場は再び大きな拍手に包まれた。

帰国後、ワイは記者会見を開いた。

「夏目先生、これからの日本文学はどう変わっていくと思いますか?」

「そうやな・・・」

ワイは、少し考えてから答えた。

「ワイは思うんや。文学に『正解』はないって。ポリコレやなんやと、がんじがらめになるんやなく、自由に表現することが大切やと」

記者たちは、必死にメモを取っていた。

「ただ、それと同時に、多様な視点も大事や。ワイみたいなオッサンだけやのうて、若者も、女性も、色んな人の声を聞くことが、文学を豊かにするんや」

記者たちは、感心したように頷いていた。

「ほな、ワイはこれから新作の執筆に入るで。次は『テラスハウス文学』や!」

会場は、笑いに包まれた。

こうして、ワイこと夏目漱石は、ポリコレとバチェロレッテによって、新たな文学の扉を開いたのであった。

そして、日本文学は、さらなる高みへと昇華していくのであった・・・