ワイの元カノは、ほんま低次元やったんや。いつも「アニメとか漫画とか、子供っぽいわ〜」とか言うてきよったんや。ワイがアニメグッズ買うたら、「そんなもん買って何すんの?」って馬鹿にしよったで。
ある日、ワイ、ついに我慢の限界が来てもうたんや。
「お前なぁ、ほんま低次元すぎるわ!アニメや漫画の素晴らしさが分からんやつは、人生の半分損しとるんやで!」
って怒鳴ってもうたんや。元カノは驚いた顔しとったけど、ワイは続けたんや。
「二次元の魅力が分からんやつに、ワイの気持ちなんか分かるわけないわ!」
そう言うて、ワイはその場を立ち去ってもうたんや。
次の日、ワイは後悔しとった。ちょっと言い過ぎたかな〜って思ってな。せやから、元カノに謝りに行こうと思って、電話かけたんや。
でも、繋がらへんのや。
「おかしいな〜」
思いながら、元カノの家に行ってみたんや。ピンポン押しても誰も出てけえへん。
「もしかして、怒っとるんかな...」
ワイは不安になってきてもうた。
そんときや。となりのおばちゃんが出てきて、ワイに声かけてきたんや。
「あら、○○ちゃん(元カノの名前)を探しとるの?昨日の夜中に、すごい光が見えたのよ。それ以来、○○ちゃんの姿を見てないわ」
ワイは焦ったで。元カノに何かあったんやないかって。
必死に探し回ったんや。けど、どこにも見つからへんのや。
そんで、疲れ果ててワイの部屋に戻ったんや。せや、アニメでも見て気分転換しよかな〜って思ってな。
テレビつけたら、ワイの大好きなアニメやってたんや。でも、画面に映ったヒロインを見て、ワイは息を呑んでもうた。
「えっ...お前...」
なんと、画面に映ってたんは、元カノやったんや!でも、アニメキャラになっとるんや!
ワイが驚いとると、画面の中の元カノが喋り出したんや。
「ねぇ、聞こえる?私よ。あなたの言う通り、私、二次元になっちゃったの」
ワイは、目を疑ったで。
実は、「二次元」っていう言葉、もともとは数学用語なんやで。平面のことを指すんや。アニメや漫画のキャラクターを「二次元」って呼ぶようになったんは、比較的最近のことなんや。
ワイは、画面の中の元カノに向かって叫んだんや。
「お前、ほんまに二次元になってもうたんか!?どないしてこうなったんや!?」
元カノは、ちょっと困った顔して答えたんや。
「あなたが『低次元すぎる』って言うから...私、一生懸命次元上げようとしたの。そしたら、こうなっちゃった」
ワイは、もう頭がぐるぐるしてきたで。
「ちょ、待てや。お前、そんな簡単に次元上げられるわけないやろ!」
元カノは、ふふっと笑ってもうたんや。
「そうね。でも、アニメの世界なら何でもありでしょ?」
ワイは、なんて返せばええか分からんかったわ。
そんで、元カノは続けたんや。
「ねぇ、私がアニメキャラになった今、私のこと好きになれる?」
ワイは、困惑しながらも答えたんや。
「いや、そら...お前が二次元になったからって、急に好きになれるもんやないで...」
元カノは、ちょっと悲しそうな顔したんや。
「そっか...じゃあ、私、元の三次元に戻ろうかな」
ワイは慌てて言うたんや。
「いや、待てや!そないに簡単に行ったり来たりされても困るわ!」
元カノは、くすっと笑ってもうたんや。
「冗談よ。私、もう戻れないの。これが私の新しい姿なの」
ワイは、ほんまに困ってもうたんや。二次元になった元カノと、どないつきあっていけばええんや...
でも、不思議と嫌な気分やなかったんや。むしろ、ちょっとワクワクしてきたりしてな。
「ま、まぁ...お前が二次元になったんやったら、いっそのこと付き合いなおしてみるか...?」
元カノは、めっちゃ嬉しそうな顔したんや。
「やった!じゃあ、これからよろしくね♪」
こうして、ワイの二次元彼女との生活が始まったんや。毎日アニメ見ながらデートして、たまにゲームの中に入って冒険したりしてな。
ワイは今でも、時々思うんや。「低次元すぎる」って言わんかったら、こないなことになってなかったんやろうか...って。
でも、今の生活も悪くないで。二次元の彼女は、ワイの趣味を全部理解してくれるし、喧嘩もせえへんし。
ただ、たまに現実世界が恋しくなることもあるんや。そんときは、元カノと一緒に三次元の街を歩いてた頃のこと思い出すんや。
でも、そんなんはすぐに忘れてまうんや。だって、画面の向こうから「ねぇ、次はどのアニメ世界に行く?」って元カノが誘ってくるからな。
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