ワイ、35歳の売れない作家。人生どん底やと思ってた矢先、とんでもないことが起こってもうた。

「ファッ!?これ、ワイの小説やんけ!」

本屋の平積みコーナーに、見覚えのある表紙が並んでる。でも、作者名が違う。

「クソッ!盗作されたんか!?」

ワイ、頭が真っ白になる。でも、次の瞬間、笑いが込み上げてきた。

「あははは!ワイの駄作が盗まれるとか、なんてギャグやねん!」

周りの客は、狂ったように笑うワイを見て引いてる。でも、ワイには関係ない。

「よっしゃ、出版社に電話したろ!」

電話口の編集者は、ワイの話を聞いて絶句。

「えっと...山田さん?あなた、精神的に大丈夫ですか?」

「あっはっは!全然アカンで!でも、ええんや!人生、こんなもんやろ!」

編集者は困惑しながらも、ワイの様子を心配して会うことになった。

喫茶店で待つワイ。頭の中では、この状況を小説にする構想が浮かんでくる。

「絶望で笑う男は天才小説家...ええタイトルやん!」

そう呟いてると、隣のテーブルのおっさんが話しかけてきた。

「君、作家かい?」

「はい、まぁ...」

「面白そうだね。ところで知ってるかい?日本で最初に『小説』という言葉を使ったのは、坪内逍遙なんだ。明治18年のことさ」

「へぇ...知りませんでした」

おっさんは満足気に頷いて、自分の新聞に戻った。

そこへ、編集者がやってきた。

「山田さん、お待たせしました。それで、盗作の件なんですが...」

ワイ、にやりと笑う。「いやいや、もうええんです。あんな駄作、盗まれて良かったですわ」

編集者は困惑の表情。「えっ...?」

「実はな、新作の構想が浮かんだんです。『絶望で笑う男は天才小説家』!どうです?」

編集者は、ワイの目の輝きに驚いた。

「それ...面白そうですね。詳しく聞かせてください」

ワイ、熱く語り始める。絶望の淵で笑いだした男が、その経験を小説にして大ブレイクする物語。

編集者の目が輝き始める。「これは...いけるかもしれません!」

その日から、ワイの生活は一変した。朝から晩まで執筆に没頭する日々。

「ワイ、もしかして...天才なんちゃうか?」

そんな思いが頭をよぎる。でも、すぐに笑い飛ばす。

「あほくさ!天才やなくても、必死こいて書いたるわ!」

3ヶ月後、原稿が完成。編集者は興奮気味に電話してきた。

「山田さん!これ、いけます!絶対売れますよ!」

発売日、ワイは恐る恐る本屋に向かう。そこには...

「うおおお!ワイの本や!」

平積みコーナーに、堂々と並んでいる。

「絶望で笑う男は天才小説家」著:山田太郎

ワイ、思わず笑いだす。周りの客は、また変な目で見てくる。

「あははは!ワイ、やったんや!」

その日から、ワイの人生は急変した。テレビ出演、インタビュー、サイン会...。

「山田さん、次回作の構想は?」
「あなたの笑いの秘訣は?」
「天才だと思いますか?」

質問攻めにあうワイ。でも、笑顔で答える。

「ワイは天才やないです。ただの、絶望で笑った男です」

そんなワイの態度が、人々の心を掴む。

ある日、街を歩いてると、見知らぬ若者に声をかけられた。

「山田さん!あなたの本で人生変わりました!ありがとうございます!」

ワイ、戸惑いながらも嬉しくなる。

「いやいや、ワイこそありがとうな」

帰宅したワイ、鏡を見て呟く。

「ワイ、本当に天才なんかな?」

そして、また笑いだす。

「あほくさ!天才やなくてええねん。ただがむしゃらに書いただけや」

ワイの新しい物語は、まだ始まったばかり。でも、もう絶望してない。だって、絶望を笑い飛ばせるようになったから。

「絶望で笑う男は天才小説家」。それは、ワイの人生を変えた奇跡の一冊やった。

これからの人生、きっともっと笑えるんやろうな。ワイの、なんとも言えん物語は続く...。

「よっしゃ、次の小説書くで!タイトルは...『天才と呼ばれてもう一度絶望した男』や!」

ワイ、また狂ったように笑い出す。隣の部屋から苦情が来るけど、気にせん。

だって、ワイは絶望で笑う男...いや、もう絶望なんかしてへん。ただ、人生を笑い飛ばす、ちょっとおかしな小説家になったんや。