ワイ、テレビ局で働く冴えない42歳のプロデューサー。今まで大したヒット作も出せんまま、このまま平凡に人生終わるんかなって思っとったんや。
そんなある日、上司から無茶振りされてもうた。
「お前、次の企画考えろ。斬新なの頼むで。」
ワイ、必死に考えたんや。そしたら、ふと閃いたんや。
「せや!とうもろこしだけのバチェロレッテやったらどうや?」
上司、最初は「お前アホか」って顔しとったけど、ワイが熱く語ったら、だんだん目が輝いてきよったんや。
「面白いかもしれんな。やってみい。」
こうして、「とうもろこしだけのバチェロレッテ」が始まったんや。
バチェロレッテ役には、美人すぎず可愛すぎず、でもどこか憎めない28歳OLのマリコさんを起用。
そして、男性陣は全員とうもろこしの着ぐるみを着てもらうことにしたんや。顔も名前も一切出さへん。ただのとうもろこしや。
「これで、見た目や名前で判断せずに、純粋な人柄だけで選んでもらえるやろ」
ワイ、そう考えたんや。
番組が始まると、予想以上の反響があってん。
「なんやこの番組…」
「でも、なんか面白い…」
「とうもろこしの中の人、誰やろ…」
視聴者の好奇心をくすぐったんやな。
マリコさんも、最初は戸惑っとったけど、だんだんとうもろこしたちの個性に惹かれていくんや。
「2番とうもろこし、すごく優しいですね」
「7番とうもろこし、ユーモアがあっておもしろい!」
ここでトリビアや。実はとうもろこしには「ひげ」があるんやで。あの長い毛みたいなんが「ひげ」で、1本1本が実と繋がっとるんや。だから、ひげの数だけ粒があるってわけや。
さて、番組は順調に進んでいったんやけど、ワイ、あることに気づいてもうたんや。
とうもろこしの着ぐるみを着とる男性陣が、だんだん本当のとうもろこしみたいになってきとるんや。
「おい、7番!もっと甘くなれよ!」
「4番、お前、そんなんじゃ実にならんぞ!」
男性陣、素で返事しよる…。
ワイ、これはヤバイんちゃうかって思ったんやけど、視聴者の反応がめっちゃええんや。
「とうもろこしに感情移入してまう…」
「7番とうもろこし応援しとる!」
そんな中、マリコさんが言い出したんや。
「私、とうもろこしを見てると、宇宙のことを考えちゃうんです」
ワイ、「はぁ?」って思ったんやけど、マリコさん続けよった。
「だって、とうもろこしの粒って、まるで星座みたいじゃないですか。一つ一つの粒が、宇宙の星みたいで…」
その言葉を聞いた瞬間、ワイの中で何かが繋がったんや。
「そうや!これは恋愛番組やのうて、宇宙を見る番組やったんや!」
ワイ、急いでスタッフに指示出したんや。
「よし!次回からロケ地を天文台にするで!」
そして、番組は思わぬ方向に進化していってもうたんや。
マリコさんととうもろこしたちが、満天の星空の下でデートする。
とうもろこしの粒と星座を比べながら、人生や宇宙について語り合う。
視聴者からは、
「なんやこの番組…なんか泣けてきた…」
「とうもろこし見るたび宇宙のこと考えてまうわ」
「恋愛って、宇宙みたいに奥深いんやな」
って声があがってきたんや。
最終回。マリコさんが選んだのは、7番とうもろこし。
「7番さん、あなたと一緒に宇宙を見続けたいです」
そう言って、マリコさんが7番とうもろこしの着ぐるみを脱がせたんや。
中から出てきたんは、まさかの宇宙飛行士やってん。
「実は僕、この番組に出るために宇宙飛行士を辞めたんです。だって、本当の宇宙は、君の目の中にあったから」
スタジオ中が涙やったわ。ワイも号泣や。
この番組、大ヒットしてもうて、ワイはテレビ業界で「とうもろこしの神様」って呼ばれるようになってもうたんや。
「とうもろこしだけのバチェロレッテは宇宙を見る」
この番組のおかげで、ワイも、視聴者も、みんな宇宙のことを、そして自分自身のことをもっと考えるようになったんや。
「よっしゃ、次は『ナスと一緒に哲学する』っちゅう番組作ったろか」
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