ワイ(28)、ニート歴3年。人生どん底や思てたら、突如天から声が。

「お前、神様選べ」

ワイ「ファッ!?」

天の声「そや、お前に新しい神様選んでもらうで」

ワイ「なんでワイが...」

天の声「もう既存の神様らに愛想尽きたんや。新しいのが必要なんや」

ワイ「せやけど、どないして選んだらええん?」

天の声「ほれ」

突如、ワイのボロスマホに見慣れんアプリがインストールされた。

ワイ「なんやこれ...『神々とマッチング』...」

天の声「これ使って選んでくれや」

ワイ「マ?神様をマッチングアプリで?」

天の声「時代は変わったんや。さあ、頼むで」

そう言うて、天の声は消えてしもた。

ワイ「はぁ...わかったで」

渋々アプリを開くと、そこには無数の神々のプロフィールが。

ワイ「うわっ、多すぎやろ...」

Zeus(♂)「雷を操る全能の神。浮気癖あり」
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Amaterasu(♀)「太陽の女神。引きこもり気味」
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Anubis(♂)「死者の神。犬顔」
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ワイ「なんやねんこれ...」

数時間後、ようやく気になる神様を見つけた。

Procrastinator(?)「先延ばしの神。明日やります」

ワイ「おっ、ワイにぴったりやん」

迷わずスーパーライクを押す。すると...

「マッチしました!」

Procrastinator「よう、なんか用?」

ワイ「あんた、神様になる気ある?」

Procrastinator「えー、めんどくさ...明日考えるわ」

ワイ「あかんて、今決めなあかんのや」

Procrastinator「うーん、じゃあ明後日で」

ワイ「もう!ちゃんと決めてや!」

Procrastinator「わかったわかった。じゃあ、神様やるわ」

ワイ「ほんま?」

Procrastinator「うん。でも、始めるのは来週な」

ワイ「はぁ...」

ここで、ちょっとした雑学や。「先延ばし行動」には「計画的先延ばし」っちゅうのがあってな、これは意図的に物事を後回しにして、プレッシャーを高めることでパフォーマンスを上げる手法なんやで。まあ、たいがいの場合は単なる怠慢なんやけどな。

そんなこんなで、Procrastinatorが新しい神様に決まった。

翌日、天の声が戻ってきた。

天の声「お?決まったんか?」

ワイ「はい...一応...」

天の声「どんな神様や?」

ワイ「えーと、先延ばしの...」

天の声「あかんあかん!そんなんじゃ世界が回らへんやろ!」

ワイ「せやけど、もう決まってもうたし...」

天の声「はぁ...しゃーない、ワイがフォローしたるわ」

ワイ「えっ?」

天の声「お前も手伝え」

ワイ「なんでやねん!」

結局、ワイは天界で働くことになってしもた。

ワイ「Procrastinator様、今日の仕事は...」

Procrastinator「あー、明日やるわ」

ワイ「もう!ちゃんとやってくださいよ!」

天の声「はぁ...」

こうして、ワイの天界でのドタバタ生活が始まった。

世界中から祈りの声が届く。

信者A「明日の試験、なんとか...」

Procrastinator「了解や、明日から勉強頑張るんやで」

ワイ「あかん!今からや!」

信者B「彼女と別れそうなんです...」

Procrastinator「大丈夫や、別れるんは来月にしとき」

ワイ「そうじゃない!今すぐ話し合いや!」

毎日がこんな調子。

ある日、ワイはもう限界や思た。

ワイ「もうアカン...こんな神様じゃ...」

その時、Procrastinatorが珍しく真面目な顔でワイに語りかけた。

Procrastinator「実はな、ワイの作戦やったんや」

ワイ「はぁ?」

Procrastinator「人間はな、すぐに結果求めすぎるんや。もっとゆっくり生きてもええんやで」

ワイ「...」

Procrastinator「でもな、お前みたいなやつがおらな、ワイの教えも広まらへん。お前こそ、隠れた主役なんや」

ワイ「マ?」

天の声「そういうことや。お前らええコンビやで」

ワイ(なんやこれ...)

それからというもの、ワイとProcrastinatorの二人三脚の神様生活が続いた。

Procrastinator「明日から本気出す」
ワイ「いや、今でしょ!」

世界は少しずつ変わっていった。人々はせかせかしなくなり、かといって怠けすぎることもなく。

ワイ「なんやかんや、ええ感じになってきたな」

Procrastinator「せやろ?さすがワイや」

ワイ「いや、あんたが...まあええわ」

こうして、ワイのなんやかんやで充実した天界生活は続くのであった。

「やっぱり神様なんてマッチングアプリで選ぶべきやったんや。人生何が起こるかわからんで」