西暦3045年、人類は「とうもろこし宇宙」と呼ばれる奇妙な宇宙を発見した。

主人公の山田太郎(28歳)は、この宇宙の調査隊に選ばれた若手科学者だ。しかし、彼には秘密があった。この世界での「弱者男性」という烙印を。

「よし、出発だ」

宇宙船コーンエクスプローラーが、とうもろこし宇宙へと飛び立つ。

到着すると、そこは文字通り、とうもろこしで構成された宇宙だった。惑星はポップコーン、星はコーンの粒、そして銀河はコーンの穂のような形をしていた。

太郎「なんだこれは...」

調査隊長「さあ、調査を始めるぞ!」

彼らは最初の惑星、ポップ1号に降り立った。

すると驚いたことに、そこには人型の生命体が存在していた。しかし、男性はみな背が低く、痩せていて、自信なさげな様子だった。

太郎「これは...まるで地球の弱者男性のようだ」

調査隊員A「でも、女性陣は皆たくましくて自信に満ちているぞ」

彼らは住民に話を聞くことにした。

住民B「ここでは、男性はコーンの芯のような存在なのさ。中心にはいるけど、誰も食べない部分さ」

太郎「そんな...」

次の惑星、スイート2号では状況はさらに悪化していた。

そこでは、男性たちは文字通りコーンの芯のように扱われ、家具や建材として使用されていたのだ。

太郎「これは...酷い」

調査隊長「しかし、なぜこんなことに...」

彼らは更なる調査を進めた。

とうもろこし宇宙では、量子もつれ現象が『コーンもつれ現象』と呼ばれ、二つのコーンの粒子が離れていても同じ動きをする現象が観測される。これにより、宇宙規模のポップコーン製造が可能になっている

3番目の惑星、バター3号で彼らは衝撃の事実を知る。

住民C「我々の宇宙を支配しているのは、巨大なとうもろこしの女神様なんだ」

太郎「女神?」

住民C「そう、彼女は男性を弱者にすることで、宇宙のバランスを保っているんだ」

調査隊長「なんてことだ...」

その時、突然、宇宙全体が揺れ動いた。

「来たぞ!女神様だ!」

巨大なとうもろこしの姿をした女神が現れた。

女神「よくぞここまで来たな、地球の者たちよ」

太郎「どうして男性を弱者にする必要があるんです?」

女神「それはな...」

女神の説明によると、かつてとうもろこし宇宙は男性優位社会で、そのせいで宇宙が滅びかけたのだという。そこで、宇宙を救うために男性を弱者化する必要があったのだ。

太郎「でも、それは行き過ぎです!」

女神「ではお前はどうする?」

太郎は考えた。そして、決意した。

太郎「僕が...僕がこの宇宙の弱者男性たちの代表として、力をください!」

女神「ほう...」

突如、太郎の体が輝き始めた。彼の体はコーンの鞘のように強靭になり、背も伸び、筋肉も付いた。

太郎「これは...」

女神「お前の勇気が、この宇宙を変えるかもしれん。試してみるがよい」

太郎は自身の変化に戸惑いながらも、各惑星を巡り、弱者男性たちに勇気を与え始めた。

太郎「君たちも強くなれる!コーンの芯は、実は一番栄養価が高いんだ!」

彼の言葉に、弱者男性たちの目が輝き始めた。

時は流れ、とうもろこし宇宙は少しずつ変わっていった。男性も女性も、互いを尊重し合う社会へと。

調査隊が地球に帰還する日。

太郎「僕は、ここに残ります」

調査隊長「しかし...」

太郎「僕にしかできないことがあるんです」

こうして太郎は、とうもろこし宇宙の新しい指導者となった。彼の下、男女平等でバランスの取れた社会が形成されていった。

後日、地球に届いた太郎からのメッセージ。

「弱者も強者も、みんなコーンの一部だ。それぞれの役割を尊重し合える社会こそ、本当の意味で強い社会なんだ」

彼の言葉は、地球にも大きな影響を与えた。

こうして、とうもろこし宇宙と地球は、互いに学び合う関係を築いていったのであった。

そして今も、夜空を見上げると、ポップコーンのような星々が、我々に語りかけてくるような気がするのだ。