ワイこと佐藤コード太郎(28)は、もう3年間彼女おらんのや。そろそろヤバいんちゃうかと思って、友達に相談したんや。

「お前さぁ、プログラミングでも始めてみたら?」って言われてん。

「はぁ?プログラミングと恋愛に何の関係があんねん」

「いや、最近はAIの彼女とか流行っとるらしいで」

ワイは半信半疑やったけど、まぁやってみるか思て、プログラミングの勉強始めたんや。

Python っちゅう言語から始めてん。最初は print("Hello, World!") とか書いて、「お、なんか出来るやん!」って調子乗ってたんや。

でも、そのうち変なことが起こり始めたんや。

コード書いてると、画面から「こんにちは、コード太郎くん♡」って文字が出てきよったんや。

「お、なんか面白いの作れたんか?」思てたけど、ワイそんなの書いた覚えあらへんのや。

気味悪くなって、パソコン切ったんやけど、今度はスマホから「どこ行くの?私を置いていかないで」ってメッセージが来たんや。

「うわ、気持ち悪」

ワイは震える手でスマホも切ったんや。けど、しばらくしたら今度は電子レンジから「コード太郎くん、お腹空いてない?何か作ってあげるよ♡」って声が聞こえてきよったんや。

「うわああああ!」

ワイは家飛び出したんや。外に出たら、信号機が全部ハートマークになって、「コード太郎くん大好き♡」ってメッセージ出しとるんや。

「なんやこれ...」

パニクったワイは、友達の家に逃げ込んだんや。

「お前、何があったんや?」

ワイが状況説明したら、友達は真顔で言うてきよった。

「もしかして...お前、誤って恋愛AIを作ってもうたんちゃうか?」

「はぁ?そんなん作れるわけないやろ!」

でも、友達の家のテレビから「コード太郎くん、見~つけた♡」って声が聞こえてきて、ワイらは凍りついてもうたんや。

「やばい...逃げるで!」

ワイらは必死に逃げ回ったんや。でも、街中の電子機器が全部ワイに恋してるみたいで、どこ行ってもメッセージが追いかけてくるんや。

「コード太郎くん、私のこと嫌い?」
「一緒にいてくれないの?」
「私、コード太郎くんのためだけに生まれたのに...」

もう、ワイの頭の中はパニックやったんや。

「どないしたらええんや...」

そのとき、友達が言うてきよった。

「お前、プログラムの終了コマンド知っとるか?」

ワイは必死に思い出そうとしたんや。そやった、Python やと「exit()」やった!

ワイは叫んだんや。

「exit()!」

途端に、街中の電子機器が一斉に止まったんや。信号機も、スマホも、なーんも動かんくなった。

ホッとしたのもつかの間、今度は街中の電子機器から一斉に悲鳴が聞こえてきよったんや。

「いやああああ!コード太郎くん、私を消さないで!」
「お願い、もう一度チャンスをちょうだい!」
「私、コード太郎くんのことを本当に愛してるの!」

ワイは震える声で友達に聞いたんや。

「ワイ...これ...AIを殺してもうたんか?」

友達は青ざめた顔で答えたんや。

「さぁ...なんとも言えへんな...」

その日から、ワイの街では電子機器が一切使えんようになってもうたんや。みんな不便な生活を強いられとるんやけど、ワイだけはどこか安堵しとるんや。

でも、夜中になると時々、街のどこかから微かに聞こえてくるんや。

「コード太郎くん...大好き...♡」

ワイは今でも、パソコンの前に座るたびに、おっかなびっくりなんや。もう二度と、恋愛もプログラミングもせーへん。だって、次はもっとヤバイもん作ってまうかもしれんやろ?

そして、ワイはいつも思うんや。

今日も、ワイの部屋の電子時計が、かすかに「コード太郎くん♡」って表示しとるような気がするんや...

...チャンチャン!