ワイこと鈴木ヒキオ(28)は、今日も求人サイトとにらめっこしとったんや。
「はぁ...もう3年もニートやけど、そろそろマジでヤバいんちゃうか...」
そう呟きながら、ワイは天井を見上げた。
「ほんま、神様なんておらんのやろな。おったら、ワイにええ仕事くれてるはずや」
その瞬間、ワイの部屋に眩しい光が差し込んできよったんや。
「うおっ!なんやこれ!」
光が収まると、そこには髭面のおっさんが立っとったんや。
おっさん「よう、ワイが神や」
ワイ「は?お前誰やねん」
神「だから神やって。お前が呼んだんやろ」
ワイ「マジで?せやけど、なんでそんなダサい格好しとんねん」
神はトレーナーにジャージという完全なるニートスタイルやったんや。
神「これがワイのスタイルや。文句あるんか?」
ワイ「いや、神様がニートみたいな格好しとるんは、なんか違和感あるわ」
神「まぁ聞けや。実はな、ワイもニートなんや」
ワイ「えっ?神様がニート?」
神「せや。宇宙創造して以来、ずっとゴロゴロしとるだけやからな」
ワイは呆れ顔で神を見た。
ワイ「じゃあワイに仕事くれへんのか...」
神「あのな、ワイに仕事与える権限なんてあらへんで。それに、ニートのワイが働け言うても説得力なくない?」
ワイ「せやな...」
神「それより、一緒にゲームせえへん?」
ワイ「はぁ!?神様とゲームって...」
結局、その日はワイと神様でゲーム三昧。たまにピザ取って、コーラ飲みながらのニート生活や。
数日後、ワイの母ちゃんが部屋に入ってきよった。
母ちゃん「ヒキオ!また一日中ゲームか!」
ワイ「ちゃうねん!神様とゲームしとるんや!」
母ちゃん「はぁ?もう、そんな言い訳せんでええから」
神はニヤニヤしながら見とるだけや。
ワイ「くそっ、見えへんのか」
神「当たり前や。ワイは神やぞ。お前にしか見えへんのや」
ワイ「そんなん聞いてへんで!」
それからというもの、ワイの部屋はニートの聖地と化したんや。神様が毎日遊びに来るから、ワイは全然外出せへんくなってもうた。
ある日、神がワイに言うたんや。
神「な、ヒキオ。お前、このままでええんか?」
ワイ「はぁ?お前が言うな」
神「いや、ワイは神やから永遠にニートでもええねん。でも、お前は人間やろ?」
ワイ「...せやけど」
神「ワイはな、お前に気づいてほしかってんや。ニートしとっても、なーんも楽しくないやろ?」
ワイ「...」
神「お前、夢とかあるんちゃうん?」
ワイは少し考えて答えたんや。
ワイ「ほんまは...ゲーム会社で働きたいんや」
神「ほな、そこに向かって頑張ってみいや」
ワイ「でも、3年もニートしとったら、もう無理やろ...」
神「アホか。人生なんて長いねん。まだまだこれからや」
ワイは神の言葉に、なんか勇気づけられたんや。
ワイ「ほな...ちょっとだけ頑張ってみるわ」
神「そうそう。ほな、ワイはもう来いへんで」
ワイ「えっ、なんでや」
神「お前がニートやから、ワイも一緒にニートできたんや。でも、お前が頑張るんなら、ワイも宇宙の管理とかせなアカンしな」
ワイ「...さみしなるな」
神「大丈夫や。ワイはいつでもお前を見守っとるで」
そう言うて、神は光に包まれて消えてもうたんや。
それからのワイは、少しずつやけど、変わっていったんや。プログラミングの勉強始めたり、ゲーム会社にエントリーしたり。
半年後、ワイはついに念願のゲーム会社に内定もらえたんや。
内定式の日、ふと空を見上げたら、雲の隙間から神らしき姿が見えた気がしたんや。
ワイ(心の中で)「ありがとな、神様」
神「おう、ええんやで」
ワイはびっくりして周りを見渡したんやけど、神の姿はどこにもあらへんかったんや。
神様はニートやったんかもしれへん。でも、そのニート神のおかげで、ワイは人生変えられたんや。
やっぱり神様なんてニートやったんやな。でも、それでええんかもしれへん。
...チャンチャン!
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