ワイ、今日も元気に畑仕事や。せやけど、なんか違和感あるんよ。ナスとトマトの様子がおかしいんや。
「おい、ワイの目がおかしなったんか?」
ナスとトマトが、なんか会話しとるみたいなんや。耳を澄ませてみたら...
ナス「おいトマト、ワイらって最強のコンビやと思わへんか?」
トマト「せやな~。ワイら夏野菜の王者やで!」
ワイ、目ぇ疑ったで。野菜がしゃべっとる!世も末やで!
ナス「ワイらが一緒になったら、どんな料理でも無敵やで」
トマト「せやせや。ラタトゥイユとかカポナータとか、ワイらのコンビプレーやったら天下取れるで!」
ナス「ほんまそれ。ワイの濃厚な味わいとお前の酸味が絶妙なバランスやもんな」
トマト「せやで~。ワイのリコピンとお前のナスニンが合体したら、もう栄養も最強やで!」
ワイ、こないな会話聞いてもうたら、そっと立ち去るわけにもいかへんやろ。勇気出して話しかけてもうたわ。
「お、おい。ナスもトマトも、ほんまに喋れるんか?」
ナスとトマト「うわっ!バレてもうた!」
ナス「まあええわ。せっかくやし、ワイらの秘密教えたるで」
トマト「せやな。このおっちゃん、ワイらのことようけ育ててくれとるしな」
ナス「実はな、ワイらには秘密の力があんねん。人間様が愛情込めて育ててくれたら、こうやって意識が芽生えるんや」
トマト「せやで。ワイらの美味しさの秘密は、おっちゃんの愛情なんや」
ワイ、なんかジーンときてもうた。せやけど、まだ半信半疑や。
「ほな、ワイがお前らのこと美味しく食べたら、お前らはどないなんねん?」
ナス「そら、最高の幸せやで!ワイらの使命は、人間様の胃袋を満たすことやからな」
トマト「せやせや。ワイらが美味しいもんに変身できるんは、おっちゃんが愛情込めて育ててくれたからなんや」
ワイ、もう感動で涙が止まらへんわ。
「よっしゃ!ほな今晩は、お前らのコンビで最高の料理作ったるで!」
ナスとトマト「やったー!」
その日の夕方、ワイは畑から最高のナスとトマトを収穫した。台所に立って、ラタトゥイユを作ることにした。
包丁を入れるとき、ちょっと躊躇したんや。せやけど、ナスとトマトの声が聞こえてきた気がした。
「おっちゃん、遠慮せんでええで。ワイらの使命を全うさせてくれ!」
ワイ、覚悟を決めて料理し始めた。ナスとトマトの香りが台所中に広がる。まるで二人が歌っとるみたいや。
できあがったラタトゥイユは、ワイが今まで食べた中で一番美味しかった。ナスの濃厚さとトマトの酸味が絶妙なハーモニーを奏でとる。
食べ終わった後、ワイはベランダに出て、夜空を見上げた。するとどこからか、ナスとトマトの声が聞こえてきた気がした。
「ありがとう、おっちゃん。ワイらの使命、果たせたで」
「これからも、ナスとトマトのコンビ、よろしゅう頼むで!」
ワイ、また涙が出てきた。明日からも、もっと愛情込めて野菜たちを育てていこう。そう決意した夜やった。
翌朝、ワイはいつもより早く起きて畑に向かった。ナスとトマトの様子を見るのが楽しみでな。
畑に着いたら、昨日の出来事が夢やったんちゃうかって思うくらい、普通の光景が広がっとった。せやけど、ナスとトマトがいつもより生き生きしとるような気がしたわ。
「おはよう、みんな。今日もよろしゅう頼むで」
風に葉っぱが揺れる音が、「おう、任せとき!」って返事しとるように聞こえた気がしたわ。
ワイは今日も、愛情たっぷりに野菜たちの世話をするんや。だって、ナスとトマトは最強のコンビやで。ワイがそのコンビを支える、裏方みたいなもんやからな。
これからも、美味しい野菜育てて、みんなに笑顔届けるんや。それがワイの使命や。ほんで、たまにはナスとトマトの秘密の会話も聞けたらええなぁ。
「よっしゃ、今日も一日がんばるで!」
コメント