深夜の公園。ベンチに座る侍姿の男性と、スマホを片手に立つパーカー姿の若者。

石川五右衛門「ふむ...今宵も良い月じゃ。」

なんJ民「えっ、まだ2時か...コンビニ行くか悩むわ。」

五右衛門「おや、若いの。こんな夜更けに何をしておる?」

J「うわっ!なんやねん、侍おるやん!ってか、コスプレか?」

五右衛門「わしは石川五右衛門じゃ。おぬしは何者じゃ?」

J「おもろ!ノリええやん!ワイはなんJ民や。よろしくな!」

五右衛門「なんJ...民?聞いたことのない身分じゃな。」

J「まあ、ネットの住民みたいなもんや。それより、五右衛門って...あの有名な泥棒か?」

五右衛門「泥棒とは心外じゃ。わしは天下の義賊よ。」

J「義賊?ああ、要はロビンフッドみたいなもんか。」

五右衛門「ロビンフッド?知らぬ名じゃが...わしは悪代官から奪って貧しき民に分け与えておる。」

J「ほーん、つまり公金チューチューしとるってことやな。」

五右衛門「チューチュー?なんじゃそりゃ。」

J「ああ、要は公金を私的に使うことやね。今じゃ政治家がよくやっとるで。」

五右衛門「なに!?政治家が民の金を私するとは何事じゃ!」

J「まあまあ、落ち着けって。今や日常茶飯事やで。」

五右衛門「許せん!わしが成敗してくれよう!」

J「おいおい、マジになるなって。それよりさ、五右衛門はどうやって金盗んどったん?」

五右衛門「盗むというより、不正に集めた金を取り返しておったのじゃ。」

J「へえ、やり方を教えてくれへん?ワイも金欲しいわ。」

五右衛門「むむ...そなたも義賊になるつもりか?」

J「いやいや、冗談や。てか、今そんなことしたら捕まるわ。」

五右衛門「ほう、では今の世は泥棒を許さぬのか。」

J「当たり前やろ!でも、政治家の公金チューチューはなかなか捕まらんのよな。」

五右衛門「む...これはおかしな話じゃ。民の金を扱う者こそ、もっと厳しく罰せられるべきではないか?」

J「せやな。でも、そいつらが法律作っとるからな。」

五右衛門「なんと!?では、わしの出番がまだあるのではないか?」

J「おいおい、マジで何かやる気か?」

五右衛門「冗談じゃ。だが、民の金を守る者が実は一番の泥棒とは...世も末じゃな。」

J「まあな。でも、昔から変わらんのかもな。」

五右衛門「確かに...わしの時代も似たようなものじゃったかもしれん。」

J「でもさ、五右衛門は捕まったんやろ?」

五右衛門「ああ...油の釜茹での刑じゃった。」

J「えぐ...今の政治家も釜茹でにせなアカンな。」

五右衛門「いや、そこまでは...しかし、厳しい罰は必要かもしれんな。」

J「そうそう。でも、どうすりゃええんやろな...」

五右衛門「難しい問題じゃ。しかし、民が声を上げ続けることが大切じゃろう。」

J「声上げても聞いてくれへんで。」

五右衛門「すぐには変わらんかもしれん。じゃが、諦めてはいかん。」

J「まあな...ところでさ、五右衛門は本当に釜茹でから生還したんか?」

五右衛門「ふっ...それは秘密じゃ。」

J「おいおい、なんやねんそれ。」

五右衛門「わしの生き様は、民を勇気づけるためのものじゃ。真偽はともかく、その精神を受け継いでほしい。」

J「なるほどな...」

五右衛門「さて、わしはそろそろ行くとするか。」

J「えっ、もう?まだ話し足りんわ。」

五右衛門「また会おう。そして、民のために声を上げ続けるのじゃぞ。」

J「おう、わかった。じゃあな、五右衛門!」

五右衛門は立ち上がり、月明かりの中を歩いていく。その姿は次第に霞んでいき、やがて消えてしまった。

J「うわ、マジで消えた...夢か?いや、でもなんか元気出てきたわ。よっしゃ、ネットで公金チューチューの話題でも盛り上げるか!」

Jはスマホを手に、公園を後にした。夜空には満月が輝いていた。

(終)