深夜の山奥。一匹狼が月を見上げながら独り言を呟いていた。

一匹狼:「ちくしょう...またあいつらにいじめられた。オメガオスは生きてる価値ないんかな...」

突如、霧の中からニーチェが現れる。

ニーチェ:「おや、君は弱者に対する同情を求めているのかね?」

一匹狼:「ファッ!?ニーチェ!?なんでこんなとこにおるんや」

ニーチェ:「私は君の内なる声。さて、オメガオスへのいじめについて語ろうか」

一匹狼:「うん...オレ、群れの中で一番弱くて、いつもいじめられてんだ」

ニーチェ:「なるほど。だが、そのいじめこそが君を強くする可能性を秘めているのだよ」

一匹狼:「えっ?いじめられて強くなるとか、聞いたことあるけど...」

ニーチェ:「そう、私の言う『力への意志』だ。逆境こそが、君を超人へと導く」

一匹狼:「超人?オレみたいな弱っちいヤツが?」

ニーチェ:「ああ。だが、それは簡単ではない。君は自らの弱さを克服し、新たな価値観を創造せねばならない」

一匹狼:「新たな価値観...?」

ニーチェ:「そう。群れの価値観に縛られず、自分だけの道を切り開くのだ」

一匹狼:「でも、群れを離れたら生きていけないよ」

ニーチェ:「君は一匹狼だろう?群れに依存せず生きる覚悟はあるはずだ」

一匹狼:「確かに...でも、孤独は辛いぜ」

ニーチェ:「孤独を恐れるな。孤独の中にこそ、真の自由がある」

一匹狼:「自由か...でも、オレには強さがない」

ニーチェ:「強さとは何だ?群れの中での序列か?違う。真の強さは、自分自身であり続ける勇気だ」

一匹狼:「自分自身...か」

ニーチェ:「そうだ。いじめは確かに辛い。だが、それを乗り越えた先に、新たな自分が待っている」

一匹狼:「でも、どうやって乗り越えればいいんだ?」

ニーチェ:「まずは、自分自身を肯定することだ。弱さも含めてね」

一匹狼:「弱さを肯定...?」

ニーチェ:「そう。弱さを知っているからこそ、強くなれる。それが君の武器になる」

一匹狼:「なるほど...でも、現実はそう甘くないぜ」

ニーチェ:「もちろん。だからこそ、君は自らの運命を愛さねばならない。永遠回帰の思想だ」

一匹狼:「永遠回帰?」

ニーチェ:「この瞬間を永遠に繰り返してもいいと思えるか?そう思えるまで、自分を高めよ」

一匹狼:「うーん、難しいな...」

ニーチェ:「簡単ではない。だが、それこそが生きる価値というものだ」

一匹狼:「オレにも、生きる価値があるのか?」

ニーチェ:「もちろんだ。君こそが、新たな価値を創造できる存在なのだから」

一匹狼:「...なんだか、少し希望が見えてきたかも」

ニーチェ:「よろしい。最後に、重要なことを伝えよう」

一匹狼:「なんだい?」

ニーチェ:「オメガオスよ、聞け。汝の弱さは、強さの始まりなり。いじめに屈するな。それを踏み台とせよ。汝自身の価値を創造し、超克せよ。真の一匹狼となるのだ。そこにこそ、汝の輝ける未来がある」

一匹狼:「...ありがとう、ニーチェ。オレ、頑張ってみるよ」

ニーチェ:「よろしい。さらば、若き狼よ」

ニーチェの姿が霧の中に消えていく。一匹狼は、新たな決意を胸に、山を下り始めた。

数日後、群れに戻った一匹狼は、いじめっ子たちに向かって堂々と言い放った。

一匹狼:「オレは、オレの道を行く。お前らなんか怖くない」

いじめっ子たちは、一匹狼の変わり果てた姿に驚愕し、次第に彼を認めるようになった。

そして数ヶ月後...

一匹狼:(群れのリーダーとして)「よっしゃ、みんな狩りに行くぞ!」

群れの狼たち:「オゥ!」

天国のニーチェ:(苦笑いしながら)「まあ、これはこれで一つの超克と言えるかもしれんな...」



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牛野小雪
2023-10-25