ワイ、なんJ歴10年のニートやけど、今日はちょっと異質な体験したんや。まさに「1984」みたいな世界に迷い込んでもうた。

朝起きたら、部屋中に監視カメラが設置されとった。

「なんやこれ...」

恐る恐る外に出てみると、街の様子が一変してた。

至る所に「なんJ党」のポスターが貼られとる。
「草を生やせ」「ファッ!?」「や  め ろ 」

人々は皆、同じチー牛顔をしとる。ワイだけが違和感あるんやろか...

コンビニに行ってみた。

「いらっしゃいませ」

店員も客も全員チー牛顔や。そして、売られとる商品が...

「チーズ牛丼」「フェイスブック」「パチンコ」

他には何もない。

TV見ても、全チャンネルでなんJのスレッドが実況されとる。

「草」「ファーwww」「で?」

同じような言葉の応酬が延々と続く。

街頭の大型ビジョンには、「大兄貴」の顔が映し出されとる。

「ヒエッ...」

突然、スピーカーから声が。

「本日の2分ヘイト、始まります」

人々が一斉に叫び始めた。

「巨人死ね!阪神死ね!」

ワイも思わず叫んでしまう。

「読売死ね!」

そして2分後、けろっとした顔で日常に戻る人々。

ワイはこの狂った世界から逃げ出そうとするんやけど...

「ちょっとそこのアニキィ!」

警官に呼び止められた。全身がなんJ語で刺青されとる。

「今日の『やきう』、見たか?」

「え...あ、はい」

「なんだと?『はい』だと?貴様アウトローやな?」

「あ、いや、そのぉ...ンゴ...?」

「よろしい。気をつけるンゴ」

ふぅ、危機一髪や。

家に帰ろうとするも、道に迷ってもうた。全ての建物が同じ「なんでも実況J」っていう看板だらけや。

ふと、路地裏に怪しいドアを見つける。

「真実はこの中に...」

恐る恐る開けてみると...

「ようこそ、なんでも実況Vへ」

中にはVIPPERたちが。

「ここが最後の砦や。なんJ党に支配されたこの世界から、お前を救い出す」

「マ?」

「そうや。お前は『選ばれし者』なんや。お前がこの世界を救うんや」

「ファッ!?」

突如、警報が鳴り響く。

「やばい!見つかったで!」

VIPPERたちが次々と姿を消していく。

残されたワイ。

そして現れたのは...「大兄貴」その人や。

「よく来たな、ID:nanj1984」

「な、なんでワイのID知っとんねん」

「全てはワイが仕組んだことや。お前を試すためにな」

「どういうことや...」

「実はな、この世界はお前の妄想なんや。お前が作り上げた世界や」

「は?」

「お前が毎日なんJに入り浸っとった結果、脳内がなんJ化してもうたんや」

「そんな...」

「目を覚ませ。現実に戻るんや」

大兄貴の言葉と共に、世界が歪み始める。

目が覚めると、ワイは自室のベッドの上。

「はぁ...夢か...」

安堵のため息をつく。

しかし...

枕元に置いてあった携帯を見ると、なんJが開いたまま。

画面には、ワイが見た夢の内容が全て書き込まれとる。

「ファッ!?」

そして、最後の書き込みが...

「お前、まだ目覚めてないで」

ワイは悲鳴を上げた。

しかし、その声は「ンゴォォォ」としか聞こえへんのや。