ワイ、なんJ歴5年のニート。最近、哲学にハマってしもうてな。特にショーペンハウアーの本読んでから、もう女なんて大嫌いや!って思っとったんや。

「まあ、ワイみたいなチー牛が言うても説得力ないけどな」

そう呟きながら、ワイはいつものようにコンビニに向かった。

「いらっしゃいませー」

そこで出会ったのは、新人バイトの美少女。

「うおっ...」

思わず見とれてしまうワイ。

「あかん、ショーペンハウー先生に申し訳ない...」

そう思いながらも、毎日コンビニに通うようになってしまった。

「いつもありがとうございます」

彼女の笑顔に、ワイの心は少しずつ溶けていく。

「ち、違うんや...ワイはショーペンハウアー信者や...女なんて...」

ある日、勇気を出して話しかけてみた。

「あの...ショーペンハウアーって知ってますか?」

「えっ?あ、はい。哲学者の人ですよね」

「マ?お前、知っとるんか!」

思わず素に戻るワイ。

「はい、大学で少し勉強したんです」

「すげえ...」

その日から、二人の会話が増えていく。

「ショーペンハウアーは女性蔑視だって言われてますけど、どう思いますか?」

「うーん、時代背景もあると思うんです。でも、その考えを鵜呑みにするのは危険だと思います」

「なるほど...」

彼女の言葉に、ワイの中で何かが崩れ始める。

「あかん...ワイの女嫌い、揺らいでる...」

そんなある日、彼女が泣きながら店に来た。

「どうしたんですか?」

「彼氏に振られて...」

「そうか...」

ワイ、慰めの言葉も出ず。

「あの...よかったら話聞きますよ」

「ほんとですか?ありがとうございます」

その日、初めて二人で飲みに行った。

「ワイ...いや、僕、実は哲学好きで...」

「えっ、そうなんですか?嬉しい!」

酔った勢いで、ワイは自分の思いを全部吐き出した。

ショーペンハウアーのこと、女嫌いになったこと、でも彼女に会って考えが変わりつつあること...

「ふふっ、面白い人ですね」

彼女の笑顔に、ワイの心は完全に溶けた。

「や、やっぱりショーペンハウアーは間違ってたわ!」

「そうですね。でも、批判的に読むのは大事だと思います」

「せやな...」

その日から、二人の関係は急速に深まっていく。

哲学談義をしたり、一緒に本を読んだり。

「ワイ、幸せや...」

しかし、ある日突然、彼女が姿を消した。

「どうしたんやろ...」

心配になったワイ、彼女の家を訪ねる。

そこで見たのは、引っ越しの準備をする彼女の姿。

「あの...どうしたんですか?」

「あ...実は、海外留学が決まって...」

「マ?」

ワイの世界が崩れる音がした。

「ごめんなさい、言い出せなくて...」

「...そっか」

ワイ、なんて言っていいかわからず。

「でも、戻ってきたら...また会えますか?」

彼女の言葉に、ワイの心に希望が灯る。

「もちろんや!待っとるで!」

こうして、彼女は旅立っていった。

ワイ、再びショーペンハウアーを手に取る。

「やっぱり、全面的に同意はできへんな...」

そう呟きながら、ワイは彼女の帰りを待つことを決意した。

「ショーペンハウアーも、きっと出会えてなかっただけやと思うんや」

そう信じて、ワイは哲学の勉強を続けるのであった。

「いつか、一緒に哲学を語り合える日を楽しみにしとるで」